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政治はオープンなものであってほしいので、当選後もオープンにやってくれそうな都知事がいい
はじめに
選挙は一大イベントだ。
しかし、政治は日常だ。
誰が当選するかはもちろん重要だけれども、その後どういう運営をするか、約束したことをどれだけ達成したのかをよく見ておきたい。
なので、公約として掲げたものから、”どのように情報を公開するのか”あるいは”どうやって政治のコミュニケーションを開くのか”に注目しておきたい。
(たぶん、英語で言うOpennessに該当すると思うんだけど、うまい日本語訳が思いつかない。)
以下の3つをバランスよく実施できるとよさそう。
都政の方針や活動について公開/発信する(Push)
有権者(今回は都民)の声を聞く(Pull)
有権者とコミュニケーションする(両方)
というわけで、候補者たちがどのように考えているか、Opennessに関連する公約を抜粋して比較してみよう!
各陣営の公約
小池百合子
現職。
自民の支持低下とともに、自身の支持も低下している?
開示請求への黒塗り回答なども指摘された。(それはどこまでが都知事の問題だろうか?と思うが)
おそらく、以下の記載がOpennessに該当する。
デジタルで生活をもっと便利に、行政をもっと身近に
行政手続きの100%デジタル化へ
TOKYOダッシュボード(仮称)による行政データの可視化
東京都の情報を一元化、申請や施設予約、提言等簡単にできるTOKYOスーパーアプリの開発
公共Wi-Fiの更なる整備でいつでもだれでもつながるインターネット環境の整備
都内区市町村のデジタル化を支援する「GovTech東京」の開発力強化
ダッシュボードとスーパーアプリは、それぞれ発信とコミュニケーションに役立ちそう。
ただ、全容が見えない。
いずれも”今やっていること”を便利にする方向性なので、大きな変化にはならないように感じる。(現職なのだから大きな変化は目指さなくて当然か)
小池氏への支持とは別に、現副知事が頑張っているので、体制を大きく変えずに続けてほしい気持ちはある。
任期が長くなることで体制が硬直化する部分もあると思うので、一長一短か?
蓮舫
あまりOpennessに関するものは見つからない。
強いて挙げれば以下の部分か。
徹底見直しで、ガラス張りの都政に
・毎年の継続チェックが重要であり、事業評価を毎年全事業に対して行います
・「東京版・行政事業レビュー」を導入して、ガラス張りの都政を実現します
・公金や補助金の支払先を原則公開し、新たなビジネスチャンスを生み出します
・事業評価の対象を全事業に広げます
4 年に1 度ではなく継続したチェックが重要です
・「東京版・行政事業レビューシート」の導入で、都民誰もが「まっとうに」チェックできるガラス張りの都政を
・公金や補助金の支払い先は、原則として公開します
➡都からの支払い情報を公開することで、新たなビジネスの種にします
事業仕分けを思い出す内容。(関係ないけど、あの有名な2位発言は、仕分けを受ける側への助け舟だったという話があるよね)
お金の流れの透明化は、歓迎したいポイント…ではあるものの、そこだけか?という気もする。
言ってしまえば、”政治をやればグレーなお金は出てくる”だろうと思うので、あまりにも潔癖な形を作るのも怖い。
現職を攻撃する材料として挙げているだけではないか……というのはさすがに穿ちすぎか。
活動が扇動的な印象なのがマイナスだが、これは2位陣営として現職を攻撃する立場なのでそうなってしまうのは仕方ないところか。
蓮舫氏な~~~...…共産と組んでいなければもう少し応援できたかもしれない。
石丸伸二
特になし……というか公約のまとまったページが見当たらない。
YouTube切り抜きの人、という印象が先行してしまって、うまく見ることができない。スイマセン
安野たかひろ
少し話題になっている起業家候補。
政策ページ全体をオープンにしている。というかGithubに置いている。
さらにOpenness関連で言うなら、以下が該当するか。
行政をもっと簡単、透明に
便利さを実感できる行政サービスの提供
既存の取組を更に前に進め、行政手続のデジタル活用の100%徹底。
対面での手続きを維持するオムニチャンネルを前提に「行かせない」「書かせない」「待たせない」「迷わせない」行政手続の推進
「プル型からプッシュ型へ」個人に合わせた施策パッケージをAI活用により提案
徹底した情報公開により東京を透明に
アクセス手段を多様化し、一人ひとりに合った形で情報が得られるようにする
都が持つ情報の公開を徹底する
自治体連携の推進による便利さの底上げ
協定等の政治的な枠組みだけでなくシステムとして連携を強め生活の利便性向上につなげる
政策の質、実行力を担保するデジタルリーダー
強いデジタルリーダーシップを持つ知事のもと、整備された基盤を適切に利活用していく
おそらくだけど、オードリー・タンがやっているような、デジタルと政治の融合を目指していると思う。コメントももらっているし。
ああした取り組みは非常に好ましいので応援したい。
このへんからオードリー・タン氏の思想は見えると思う。
とはいえ、実態として、デジタル化のためには、紙の書類や組織体制、個人の技能など多くの障害があるのは、デジタル庁や副都知事の発信を見ていて
感じるところ。
現場は慣性が強いので、急激な変化には動きが遅くなりがち。
選挙段階であまりにキラキラさせてしまうのは、全くの余計なお世話だけれど、心配だなぁと思ってしまう。
(都政のことだから余計なお世話ということはないか)
あと、これも穿った見方なんだけど、デジタルによる政治のオープン化は、都民側にかなりのリテラシーを要求するところがある。
台湾と比して圧倒的に多い人口と産業で、果たしてうまく機能するかは疑問がある。
もちろん、オープン化によって涵養されることもあるはずなので、鶏卵問題ではある。
あと、オープンな仕組みができると仕組みをハックする人が現れるのが世の常なので、そういう意味では現在のように、政治がある種の特権を持っているほうが安心。
これはどっちを選好するかという程度か。
おわり
この点だけ比べると安野氏が有利に感じる。
次いで、現職(というか現在の副知事)。
もちろんそれだけで決まるものでもない。
難しいですね。
とりあえず選挙に行こう!
いいなと思ったら応援しよう!
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