医療と私②祖母のがんと糖尿病。
↑続きのお話になります。
祖母は手術から数年後、私のうつ病入院中に脳梗塞で倒れ、半身不随になりました。器用な祖母は半身不随になっても、手芸をしたりして過ごしていましたが、その後、肺がんが再発。脳転移して亡くなりました。
迷いに迷ったのが、食事のことでした。
食べたいものを食べさせてあげたい。
でも、食べると糖尿病が悪化して、状態が悪くなってしまう。
病院栄養士として、糖尿病の悪化した行く末を知ってしまっていたからこそ、がんになって少しでも長く生きてほしかったゆえに、私は祖母から甘いものを遠ざけました。祖母自身も真面目なので、甘いものを我慢していました。
そこまでしていたのですが、がんが脳に転移し見当識障害に陥り、その後会話が出来なくなって、亡くなりました。
私は祖母にしていたことはこれで良かったのだろうかと思うようになりました。どちらにしろこのような最期を迎えるのであったのならば、食べたいものを食べさせてあげれば良かったと。
私の最大の後悔です。甘いものを我慢したことで、もしかしたら長生きできたのかもしれない。けど、それで良かったのだろうかと。
栄養士として患者さんと接する際の考え方も変わりました。
「ひとは健康のために生きているわけではない。」
生きるために食べたいものを制限していくことも必要だけれど、それをどこまでどうするかはご本人が決めること。
栄養士として健康に近づくための食生活のアドバイスやそれを行わなかったらどうなるかという知識の提供はするけど、どこまで取り組むかはご本人の人生観次第だと思うようになりました。
ズボラで甘いものもお酒も大好きな栄養士だからこそできることがあると思い、気楽に食生活を少しでも良くする方法をお伝えできればという目線になると、祖母が亡くなってからの栄養指導は、それまでとは全く違った内容になったと思います。
そんな病院栄養士としての勤務は2年前に退職しました。元医療従事者であり、病気をもつ人だからこその目線が役に立つことがあるかもしれないと思っています。
以上、発達障害~母ごころ当事者ごころのあゆでした(*'ω'*)