エリーゼのために
水曜、予定通りにワイ、抜歯した。
梅雨だというのに気温30度の真夏日に抜歯した。
(よければ前回の記事を読んだ後に、この記事を読むと、より一層おいしくなります。)
前日は不安であまり眠れなかった。
不安とは睡眠さえ妨げる厄介なものだ。
抜歯は16時半を予定していた。
それまではだらだらと、いつもくだらないけど好きな仲間とのグループLINEで、抜歯の不安を聞いてもらっていた。
抜歯後は何も食べられないと思うから、好きなものを食べておけ!と言われ、なるべく落ち着く食べ物、サッポロ一番塩ラーメンをチョイスした。
庶民の味に少しだけ落ち着く。
この体に悪そうな味がたまらない。
時間が近づくにつれ呼吸が浅くなる。
安定剤を少し多めにの飲んで、いざ歯医者歯医者していない歯医者へ。
受付には前回不安を話した美人が
『この前の痛みどうでしたか?』と気にかけてくれていたようだ。
その時の状況をサラッと話し、待合室へ。
あかん、動悸が激しくなる。
これが学生なら受付の美人に恋した瞬間なんだろうけど、いかんせん42歳だ。
恋とは無縁なエリアへ片足を突っ込んでいるとこだ。
学生の『恋』と言えば星野源
ワイの『恋』と言えば松山千春だ。
それくらい違う動悸である。
名前を呼ばれ、まずはレントゲン室へ。
最新のレントゲンは立ったままグリップを握り、カメラが頭の周りをグルグル廻るのだ。
廻っている間が、軽快な単音の『エリーゼのために』が流れる。
昔のガラケーの着メロ並みの単音だ。
クラシック感ゼロ。
この最新のレントゲン機材をつくる過程で、どこでカメラが廻ってる間に、単音軽快なエリーゼのためにを流そう!と議題に上がり、最終的にCEOだか社長が「それで行こう」と判を押したのか。いささか不思議でならない。
まあ、そんな疑問を抱き、不安は少し軽減されたけどな。
癒されたりリラックスは全くしなかったぞ。
よく保留音にも使われるが、エリーゼのためにの作者もまさか、電話の保留音やレントゲンカメラ機材に使われるとは思ってもなかったろうに。
待てよ、、鎮静化の効果があるのか!?
保留音もいつまで待てばいいかの不安があるもんな!
レントゲンカメラも、これから歯の治療で不安だということだもんな。
エリーゼのためには人の不安を鎮静化する作用がある
誰か論文書いてねーかなー
まだ脱線した、時を戻そう(ぺこぱ風)
そのまま診察台に座り、レントゲン写真を見ながら、親知らずの生えかたや、抜いたあとの説明を先生がしてくれるが、最悪1週間までは腫れと痛みは覚悟してくれという。
麻酔が切れてそのまま痛みも腫れもなく終わる人もいれば、だらだらと1週間も引きずる人もいるそうな。。
できれば前者になりたい。
選ばれし前者。
嘘もつかず優等生に生きる道を選ぶと、痛みのない前者に選ばれるのなら、学校の先生よ、子どもたちにそう生きなさいと教えてあげて欲しい。
イスを倒されいよいよ麻酔だ。
あかん、また呼吸が浅いのと動悸がワイを襲う。
もうエリーゼのためには流れてくれない。。。
先生『鼻で息して下さいね、ゆっくりね、深呼吸ですよー』
そして右下の歯茎にしっかり麻酔をされる。
3分ほど麻酔がちゃんと効くまでリラックスして待っててね!と、先生は一旦席を外す。
もはや発作だ、涙まで出てきた。
そっと美人看護師さんがティッシュで、頬を伝う涙を拭いてくれた。
なんて優しいのだ。もしかして君はナイチンゲールかい?
残念だが、モンスターストライクの中のナイチンゲールの呼び名は、みんなチンゲと呼んでいるのだよ。
美人看護師さんが、自分の親知らずを抜くのが怖かった話をしてくれた。
共感を共有だな。
サイコパスには無理な案件だ。
おかげで少しだけ会話に集中できたよ。
再度先生にイスを倒され、麻酔が効いてるかチェックした後、削ってはテコの原理で抜く、削ってはテコ、、、
この繰り返しならもう怖くないと思った瞬間に呼吸も落ち着き、動悸もおさまった。
先生「はい、抜けましたよ」
ワイ「え??抜く音が聞こえなかったけど?」
先生「思ってたより虫歯になってて、砕けたりしてたんだよ」
と抜いた歯をみせてくれた。
ひとまず抜歯は終わった。
「今日出てくる出血は命には関わらないからね」
「多少熱が出ても気にしなくていいから」
と不安にすぐかられるワイに、先生は安心材料をくれる。
エリーゼのために並みに、安心材料はワイの鎮静化素材だ。
美人看護師はがんばりましたねーと肩をポンポン叩いてくれた。
さあ、こっからは痛みがすぐ消えるか、だらだらと痛みが長引くかの戦いだ。
抜歯して半日が経った今、腫れてはいないが鈍い痛みがある。
とりあえずエリーゼのためにをYou Tubeで探し、聞いては心を鎮めていようではないか。
これからイライラしてる人や不安になってる人がいたら、エリーゼのためにをおすすめしてみようではないか。