【 続編 】「絶対やらない」と言った人から『契約したいので来てくれますか?』と言われたセールストーク実例
※前の記事の続きです。
必ず《「絶対やらない」と言った人から『契約したいので来てくれますか?』と言われたセールストーク》を読んでから読み進めてください。
さて、ここまで読んでくださっているということは前の記事を読み、自分なりの答えを出されたということかと思います。
まずは振り返りから。
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案の定、ラーメン屋の店主も「なんだそれは」「そんなもの、誰が使うんだ」
という反応をしていた。
おまけに「うちは食券を購入してもらうから、そんな支払い方法は煩わしいだけだから必要ない」
「絶対に導入することはないから、二度と来ないでくれ。忙しいんだ」
という風に、門前払いとも言えるほどのお断りを受けた
ほとんどの営業パーソンはここで「そうですか、わかりました」と引く。
そして、負けん気の強い人は「そんなこと言わず、まずは話だけでも」と説明する機会を設けようとするだろう
では、私はどうしたか。
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ここで1点だけ補足させてください。
「そんなもの、誰が使うんだ」というフレーズが出てきています。
これは、実際にデモ操作をお見せしたあとの反応です。
ですから、この先は"どういったサービスなのか"については理解しているという認識で読み進めてください。
さて、あなたならどう返しますか?
もう一度、考えてみてください。
ありがとうございます
私はこのように伝えました。
『お忙しい中、ご対応いただきありがとうございます。
では"個人的に気になる"ので1点だけお聞かせください。
注文後、トッピングを追加したい場合はお客様はどのようにされるのでしょうか?』
すると店主は得意気にこう言いました。
『そんなもん、また食券買ってもらうのは手間だからその場で現金をいただくよ』
ここで私は勝ちを確信したのです。
それはなぜか。
本人の中で煩わしさを感じており、
本当はどうにかしたいという想いはあれど、
手段がないから諦めていたこと。
目の前の営業マンは、もしかしたらそれを解決しに来てくれたのかもしれない。
そんな表情をしていたように見えたからです。
しかし、『二度と来るな』と言ってしまった手前、『やっぱり詳しく聴かせてもらえますか』なんて、恥ずかしくて言えない。
だからこそ、相手の心境をくみ取り、その上で一歩引いた状態で会話をすることが必須なのです。
そして、なにより『それを解決する方法があるんです』なんてことは、絶対に言ってはならない。
なぜなら、いままで経営者として、店主として
模索してきて、答えが見つからず半ば諦めかけていた。
いや、むしろ《現状を受け入れることに決めた》人に対し、解決策を真っ向から提示するのは
『あなたが辿り着けなかった答えを私が持ってきました』と、マウントを取るような形になり
相手の心を逆撫でするような状況になってしまうからです。
だからこそ、ここはグッとこらえて
『そうですね。たしかに、券売機を導入されてるお店の方は皆さん同じようにおっしゃられます。解決策が見つかるといいですね』
そんな風にお伝えし、最後に
『私でなにかお力になれることがありそうでしたら、お気軽にご連絡ください。
幸い事務所がこの近くでして、エリア担当としてこの辺りを回ってますから』
と言い、その場を去った。
おいおい、それじゃ契約できないじゃないか。
なんのためにお店に行ったんだ?時間の無駄じゃないか!
そんな風に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、これこそが《布石を打つ》行為そのものなのです。
解説をする前に、まずはその後のことについてお伝えさせてください。
これは上記の訪問後、1週間後の出来事です。
『もしもし、翼さんですか。ラーメン屋〇〇の後藤(仮名)です。
先日、ご紹介いただいたサービスを導入したいと思いまして…来ていただけますか?』
ご連絡をいただいた翌日、ランチ営業終了後の14時半に伺うことになりました。
伺う際、どんな顔をしていけばいいのだろうと思いました。
前回『二度と来るな』と言われている。
にもかかわらず、先方からのご連絡。
どのような心境の変化があったのだろう。
改めて怒るため?いや、それにしては前回のことを謝りたい、悪く思っているというのを感じるようなとても優しい口調。
初めての経験に戸惑わずにはいられなかった。
しかし、それはきっとご連絡をいただいた店主も同じこと。
一度『二度と来るな』と言った人に対し『来てください』と言うのは、相当勇気がいるものだ。
勇気を振り絞ってご連絡をいただいた方に対し、けげんな顔をしていくのはよくない。
ここはむしろ、『わざわざご連絡をいただきありがとうございます』と、喜んで行くべきではないか、と思い、こちらも勇気を振り絞って自分なりの正解を掲げ、お店へ向かいました。
『前回はすみません、失礼しました。忙しかったもんで。
わざわざ来ていただいてありがとうございます。どうぞこちらへ。
内容について、もう一度詳しく聴かせていただけますか?』
私からひと言、と思う間もなく真っ先に店主から前回の態度についてのお詫びと「詳しく聴きたい」という意思を表明いただきました。
『いえいえ、こちらこそお忙しい時間帯にお邪魔してしまい大変失礼いたしました。
にも関わらず、こちらの疑問に応えてくださりありがとうございます。
また、本日は改めてお話をということでご連絡いただきありがとうございます。
まずは、ご連絡をいただいた"キッカケ"について、詳しくお聞かせいただけますか』
実は・・・・・・
『実は、券売機って壊れやすいんですよ。頻繁に修理をするんです。その度に現金でやり取りしなければならなくて、それが煩わしかったんです。
だからどうにかしたいとは思っていて、でもお店を私1人で切り盛りしてるもんですから、なかなか手が回らずそのままにしてしまっていたんです。
そんなとき、翼さんが来られて…正直、そういうタイミングなのかもなとは思ってたんですが、なにせ忙しかったもんで。前回はすみません。
それと、前回おっしゃったじゃないですか。追加注文のとき、これを使えば調理しながらお金を受け取れるって。現金受け取るために手を止める必要がない、って。本当、その通りだなって。だから導入したいけど、使い方とかお金はどうやって入ってくるのかとか、そういうのわからんもんで。教えていただけますか』
そう言いながら、お店の奥へなにかを取りに行かれました。
なんだろう?と思っていると、帰ってこられたとき、涙を堪えるのに必死になってしまうほど嬉しいことが起こりました。
なんと、前回訪問時にお渡ししていたチラシと、名刺を大事に取っていてくださったのです。
『いつかお願いしようと決めてたもんで…』
そう、照れくさそうにおっしゃる店主。
とても嬉しい気持ちになりました。
その後は具体的な使い方や活用方法、
入金サイクルや手数料など、詳細をお伝えし
『どうすればいいですか?』
というご質問に対し
『3点ご用意ください。
①免許証などの本人確認書類
②売上を入金させていただく銀行口座のキャッシュカードもしくは通帳
③メールアドレス
その間に、必要情報をこちらで記入しておきます』
とお伝えし、お申込みいただきました。
最後に、改めてPayPay導入を検討された理由、
「一度断ったものを導入したい」と思った"キッカケ"などについてお聞きしました。
なぜ、一度した質問をまたここでするのかについてですが
人は基本的に慣れない相手には警戒心を抱き、本音を隠そうとする。
そのために相手には本音のように感じることを伝え、適当にやり過ごそうとする傾向があります。
しかし、こちらの店主は本音を最初におっしゃられておりました。
が、まだ他にもなにか理由があるのかもしれない。
いや、むしろあってほしいとすら感じたのです。
それが『私を頼ってくださった理由』です。
商品がいいから、ちょうど導入を検討していたから。
だとするならば、他にも似たような営業があったはずです。
にも関わらず、なぜこのタイミングで?と思ったからこそ、あえてもう一度ご質問させていただきました。
すると、嬉しい感想をいただきました。
『翼さんだから…ですかね。正直、このままじゃいかんと思ってたんですよ。だけど、どうしたらいいかわからないし、忙しくてそれどころじゃなかった。タイミングよく来てくれたというのもそうですが、他の人は《売りたい》が強いじゃない。けど、翼さんはそうじゃなかった。だから相談してみようかなって』と。
チラシの件もしかり、気持ちは終始泣かされっぱなしでした。
本当にありがとうございます。
長々と書いてしまいましたが
ここまでお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
初めての挑戦ということもあり、至らぬ点が多々あるかと思います。
本当はもっと簡潔に書きたかったのですが…修行が必要ですね。
一番最初の記事(ブログの始め方)にもありますが、考えて考えて考えて。
それで結果、公開しなければ誰の目に触れることもありません。
良くも悪くも、誰からの評価を受けることもありません。
ですが、これで批判の声をいただいたとしても、
改善すればいい。そんな風に思っています
やってみなければわからない。やってみて、少しずつ改善して、
その先に求めた結果が待っている、と思っています。
だからこそ、まずはやってみる。
そんな気持ちで今回、営業の実践記録を残させていただきました。
少しでもなにか、価値を提供できていれば幸いです。
少しでもいいな、と思ったらスキ(♡)やコメント、シェアしていただけると励みになります
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます
また、こんな話はないの?といったリクエストをいただければ、執筆させていただきます
途中、「二度と来るなと言われた方から連絡をいただいたのは初めて」と書きましたが
それはつまり...?と不思議に思われた方もいらっしゃるかと思いますが、
「二度と(電話して)くるな」と言われて
『「二度と"電話して"くるな」と言われたので"直接会いに"来ました!』と言って訪問し、契約したこともありますが、需要あればそういったお話の裏側も書かせていただきます