お散歩と調べもの
お散歩をすると調べものが増える。
自然への興味は何年経っても尽きるところを知りません。
誰々が愛していたお花だなぁとか、あの人もきっとこの樹を見ていたのかなぁとか。あの時はこの実がなっていた頃だったなぁとか。
自然や植物を通して忘れていた感覚を思い出したり、時を超えた人の中に入っていったり、はたまた知らない世界を観ることができる。
私の本棚にも植物に関する本が着々と増えていっています。
お散歩をしていると新たに出会うものもたくさんあります。
ここ最近調べた植物を、ちょこっとご紹介。
ひとつめ。
この少し俯く控えめで可憐なお花。見た瞬間に一目惚れ。その場から動けなくなりました。しゃがんで見上げたり横から見てみたり、お花の後ろ側や葉っぱも裏返してみたりしてじっくり観察。特に中のカスタード色をしたカップ状の花被片がとっても愛らしい。
クリスマスローズによく似ているけれど、私の背丈以上もある木。ムクゲやフヨウにもわずかばかり似ていますが、雌しべや雄しべの部分も葉の形も、時期も違う。
後に検索する用に写真も何枚か撮っておきました。
Googleの写真検索を使うも「もしかしてこれ？」にはやはりクリスマスローズを筆頭に違う花ばかりが出てきてしまい、「低木 薄ピンク ５月」などのワードで地道に探す。
ものすごい写真や資料の中からようやくどなたかが過去にあげてくださっていたブログの写真に辿り着き名前が判明。
『ナツロウバイ』というお名前でした。
ダイレクト検索に切り替えて、今度は細かく調べていく。
「優しい気持ち」「慈愛」「先見」
花言葉まで好みでした。
続きまして、
シダの群生するゾーンで見つけました。石の上に１つだけ置かれた様は、誰かがそこにお供えをしたもののようにも見えました。上を見上げ、それらしきものが生っている樹を探しましたが見当たらず、中を割って見てみたい気持ちをこらえた。
時間をかけてめげずに調べるも、検索困難。なにかの球根や美味しそうなお芋やいちじく、あけびや干し柿まで検索結果にあがってきましたが、まったく答えには辿り着けず。笑
ということで、１日経って正直に電話でお問い合わせ。気になったときはすぐに調べます。
「菖蒲園を抜けた先、シダが生い茂る区域の石の上にお供物のように置かれていた実が…」の、私のへんてこな説明で「あ、紫色をした窪んだ実のことですね！あれは─」と、
そんな問い合わせにも即答できる庭園の職員、素晴らしすぎました…！
お陰でとってもスッキリ！！
オオイタビという実だそうです。『大崖石榴』これでオオイタビと読むこともお勉強になりました。
昨日、一緒に検索した友人が、調べても調べても情報がなにひとつ出てこないので「これは新種なんじゃない？！下の名前をつけて○○○の実って呼ぼう」と言ってくれて、でも私は「それなら２人の名前をいれようよ！」と。名前までつけちゃって。「じゃあ次に○○の実(二文字に決定)が見れるのはいつだろうね」とか盛り上がったのに。笑笑
残念ながらすでにとっても素敵な名前がついていました。
面白い記事を見つけたので忘れないように自分のためにも載せておきます。「９」に、葉は虫も食わないほど不味いのでしょうか、とありますが、実にはしっかりと虫がついていました。
最後はこちら、
いちばん手強い相手でした。写真検索ではやはりお芋類や土器や土鈴、埴輪、一輪挿し、坪、木でできたビーズなど。穴の空いた様々なものが検索結果にあがってきてしまいました。しばらく笑いました。いや、確かにどれも似ている。笑
「これ、じつはもののけ姫にでてくるコダマの正体なんじゃない？」と友人。
結論には早すぎるけど、ちょっと納得してしまう。
そうそうみかけないのでレア度は★★★★★
飲み物をひとくち口にして、
手入力での検索に切り替え、またしばし静寂と情報の中を彷徨う。
１枚だけ「あ！これかな？！」と思う写真を見つけた。そこから深掘ってゆく。
「イスノキ」や「ひょうの木」と出てきました。
小國神社の御神木でもあるようで、この記事を読んで、すごい嬉しいものを見つけてしまったと思いました。
この穴から小さな木の実や種を入れてマラカスのように奏でたいね、なんて言っているそばから、私は２つを擦り合わせたり打ったり叩いたりして、ブンブン振り回して奏でちゃっていました。縁起のいいものとも知らずに💦
どうやら記事を読むとこの穴を吹くと「ひょう」という音がでるらしいのです！なんと！吹けばよかった…！！
しかも、実ではないという事実にはもっと驚きでした…！！！
これだからお散歩はやめられません。
この時期にその場所へ行かなければ出会えなかった子たち。
ずっと行きたかったカフェのテラス席で一緒に検索したり検索結果に笑ったりする時間も会話も、知識とは別にしっかりと心の栄養になりました。
お散歩には調べものがつきもの。
今後も変わりそうにありません。