【読書メモ】ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ
私の大大大好きな作家、ジュディス・カーの自伝的な物語。
消えたアカウント、私が初めてnoteを始めたきっかけは”読書メモ”を残していきたかったから。
そしてこの本が私の記念すべきファーストnoteでした。
下書きを必死で構成して書いたから、iPhoneのメモに残ってた。(noteアプリで下書きできるのに何故かiPhoneにメモるというオンチっぷり)
かなり好きな本なので、私のネオnoteにも綴ります。
ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ
ジュディスさんのユーモア、細やかな描写が、ナチス時代のドイツの暗さを感じさせず、ずっと子供目線で書かれていています。
児童図書だけれども、大人が読むと世の中に翻弄される事を抽象的にしか捉えられない子供たちが、それでも一生懸命環境に順応しようと頑張っている様、そして順応していく様が読み取れます。
9歳の少女アンナ(=ジュディス)一家の亡命生活が描かれているけれど、つらい話に違いないにも関わらず明るさも感じるお話。
ヒトラーが政権を握るナチスが選挙に勝ち、酷い時代だったのだけれど、あの頃のドイツの多くの人たちはあの悪夢のような独裁政治が始まるなんて想像もできず、楽観していたのがわかります。
結果、アンナの父の判断は幸運にも功を奏し、収容を免れますが、あたりまえに亡命生活は決して楽ではありません。
アンナたちの目の前には言葉の壁、文化の壁は立ちはだかります。
大人たちの苦悩や迷い、不安も描かれているけれど、アンナの両親が子供の前で見せる態度は尊敬しかないほどに穏やかでした。
また、子どもたちは新しい国、環境、生活に目を輝かせていて、希望に満ちてすらいたのです。
締め括りの文章がとても印象的です。
どんな時でも家族は守ってくれる、一緒にいれば怖くないと言う親への信頼がそこにはあります。
国が、社会が、多勢が進む方向が必ずしも正解とは限らない。まして子どもがいる家族を率いる時に下す判断は難しいけれど、その為にも情報の取捨選択、常に自分の目で見て、自分の頭で考えて行動する大切さを改めて感じます。
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ああ、続編も読みたいー!
こんな事絶対あってはいけないし、やはり世の中への無関心はとても怖い。無意識的無関心。
『夜と霧』も同じカテゴリではあるものの、トーンの違いで全く違った雰囲気です。
でも、ただ目線が違うだけで、あの時代のドイツの悲惨さは同じように心に突き刺さってきます。
これは図書館で借りたのですが、手に入れたくてずっと探している一冊。
絶版なのでもう買えず、ひたすら古本屋で探す日々なのです。
ジュディス・カーの作品は他にも魅力的なものが色々あります。
ぜひ見つけたら、お手にとって開いてみてほしいと思います。
最後までお読みいだき
ありがとうございました♡