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孔版印刷機 「リソグラフ」 体験をしてきました

こんにちは、福田あやはなです。
最近から活動名に苗字がつきました。福田でもあやはなでも、呼びやすい方で呼んでくださいませ。

先月は、しらたまやさんの新作グッズ「白玉屋恋願芝居賑図」を、たくさんの方にお買い求めいただき、誠にありがとうございました。
ありがたいことに、売り切れとなり再販したり、リクエストにお答えして新しく風呂敷を制作したりと、予想以上の反響をいただきとても喜んでおります。
現在は受注生産の風呂敷の完成まち。在庫のあるポーチのみ引き続き通販を行っておりますので、よろしくお願いいたします。

先月末、店主のしらたまさんと一緒にグッズの発送作業をしました。
グッズと一緒に「おまけポストカード」と「ご挨拶状」を同封させていただき、お求め頂いた方のお手元にはあらかた届いたことと思います。
今回はこの、手作り「ご挨拶状」の小話を少しさせていただこうと思います。


先日つくったフリーランス名刺がきっかけ

4月、フリーランス準備として、まず新しい名刺を作成。営業ツールとしても必要なため、やや準備不足とは思いつつも、尻を叩くためにエイヤと作ってしまいました。
とっても可愛くでき、印刷所さんに印刷見本サンプルとしてご紹介していただいたお話も先日noteでしておりますので見てね。

6月末ごろ、書籍デザインのお仕事を、前職場のときにお世話になっていた編集者さんからご紹介いただき、久々にお会いしました。
在籍中は、1本しかご一緒にお仕事をさせていただいてなかったのですが、たまたま私が担当したその本、色々あって難航し、刊行まで足掛け2年ほどかかったのは懐かしい記憶です。
大変だったけど、いい本になったね!というご縁もあり、こうしてまたフリーになってもお声掛けいただけたのは、本当に感謝しかないです。メールが来た日は嬉しすぎて腹筋しました。

数日後、感染防止など気をつけつつ、久々にお会いしてお打ち合わせ。
溢れる感謝や喜びと、対人に飢えていたのでハグ…キス…したいのを抑え、クールに名刺をお渡ししたのですが、
「電話番号と住所書かんか〜い」
と渡して2秒で言われました。

ダヨネ!!!!!!!!というか、いらないかな〜どうかな〜と思いながら作ったんですよね。いりますよね。
あと苗字もまだ付けてなかったので、「今まで通り福田(本名)でいいですよ」って言っても紛らわしく、自分の名刺がデザイン方面での既存のお客さんとのコミュニケーションツールに全然なってないことを実感して笑いました。ツメが甘くて申し訳なかった。けど早々に指摘してもらえて大変ありがたかったです。


名刺作るなら、活版印刷はどう?

打ち合わせを終え、家に帰り本日のお礼と、早めにお名刺刷り直しますねというメールを送ったところ、「最近ちょうどリソグラフ体験をしている印刷屋さんを見つけて気になってたから、ここで作ったら?」というお返事をいただきました。

中野活版印刷店という、印刷とデザインの会社さんが期間限定で体験ワークショップを行っているという情報。
「試してリソグラフ」1時間刷り放題という言葉を見て「行きたい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」となった私は、編集さんに行きます!作ります!と即レス。「私も見学したいです!」と言う編集さんも一緒に、2名でその日のうちに予約を完了しました。

印刷方面にお詳しい方はお気づきかもしれませんが、リソグラフは活版印刷とは違います。ワタシがこれに気づくのはもう少し後の話です…。


孔版印刷機 「リソグラフ」

編集さんと連絡をとり、待ち合わせ場所や時間、印刷するものなんかをメールで話すこと数日。そろそろ持って行く名刺データを作ろうかな〜という段階になって、やっと以下の2つに気づきました。

・ていうか活版じゃない
・ていうか孔版で名刺って向いてない

それぞれの印刷方法の詳細は割愛しますが、孔版印刷はいわゆる「シルクスクリーン」のことで、メッシュにインクが通過することで印刷する技法です。
インクの数だけ版を用意し、重ね合わせることでデザインを楽しむことができます。ピッタリ重ねるにはミリ単位の調整が必要で、むしろズレやインクのカスレを楽しむ、オタクはみんな大好きな印刷の1つです。
「レトロ印刷」さんが一番有名なのではないでしょうか。

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リソグラフは、この孔版印刷ができる「印刷機」のことで、PCで作ったデータから出力可能。昔、小学校とかで配られてたわら半紙の保護者宛プリントとかはこのリソグラフが使われていたそうです。消しゴムかけたらボロボロになる紙ありましたね。

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孔版印刷の特徴のひとつとして、「インクが乾ききらない」ということがあります。濃く、広い面積に印刷をすると手とか他の用紙にめちゃ付く。
最近はもしかしたらインクや印刷機の性能も変わってるかもしれないのですが、なんとなく私の中で名刺には不向きというイメージがありました。
(ぜんぜん推奨されてますし、そんな特徴も込みで楽しむ印刷なのですが)

勢いで予約しちゃったものの、多色にするなら名刺デザインもゆっくり考え直したいし、用紙も検討して買って持ち込みしたい…。せっかく刷り放題なんだったら、なんか色んな色や紙を使ってみたいんだよなあ…。そんな気分になってきました。なぜ予約した?(楽しそうだったんだ)

編集さんとのメールも名刺から話が逸れ、一筆箋とかいいんじゃない〜?なんて会話になってきたころ、思い出しました。しらたまやグッズ、最後のお仕事「挨拶状」の存在。
お安めの印刷に出そうと思っていた挨拶状が、一気にあやはなの趣味全開、楽しい手作り刷り放題パーティの主役になりました。わーい!


ランダム封入の挨拶状

さっそくしらたまさんに連絡。「何パターンか作ってランダムで封入するようにしてもいいですか?」と聞くと「OK!」とのお返事。イエーイ!
完成したデザインを持って、当日編集さんと二人でお店に向かいました。「見学OK」と看板が出ている道路沿いの路面店で、佇まいから楽しそうな雰囲気がして興奮。

印刷体験ということで一通り機械の仕組みや操作の仕方などを聞いたものの、ほぼ店主の中野さんにやっていただいてしまいました。すみません…。
私はというと、インクと用紙の組み合わせを選んで部数を指定。完成品を見てはカワイイ!ときゃっきゃ喜び、今度はこっち、今度はあっちと色変え紙変えのお願い。働かざる者すぎて申し訳なかったですがとっても楽しかったです。

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サイズはA6。絵はしらたまさんと、看板猫のしらたまちゃん(陶器)です。
本物はごろんと寝転んでるしらたまちゃんを起こしてあげたら、しらたまさんがめちゃくちゃ喜んでくれて嬉しかったです。
編集さんに手伝ってもらって、2人でせっせと手カットしました。一人じゃ大変な量だったので本当に助かりました。ありがとうございました。

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紙とインクの組み合わせは、
・金×緑 / わら半紙・和紙・蛍光上質紙(グリーン)
・青×ワイン / わら半紙・和紙・蛍光上質紙(イエロー)
・灰×朱 / わら半紙・和紙・蛍光上質紙(イエロー、グリーン、ピンク、レッド、ターコイズ)(我慢できなくて全部やった)

むか〜し買ったはいいものの、ペラペラすぎて中々使えてなかった和紙を引っ張り出してきたのですが、孔版印刷との相性バッチリで驚きました。取っておいてよかった。
蛍光上質紙は、シナールスペクトラという用紙です。調べたら2018年に廃盤になっていました…ショック…。代用品はあるのかな。

皆さんのお手元には、どのしらたまさんが届いたでしょうか。
印刷の特徴、版ズレ、カスレの魅力も楽しんでもらえますと嬉しいです。


長くなりましたがしらたまやグッズ企画、最後の最後、隅々まで、とっても楽しい制作になりました。こんなに楽しく自由に作らせてもらって本当にいいの!?て何度も思いました。幸…。
また、デザインのお仕事をご依頼くださった編集さんのお声がけが無ければ、このご挨拶状は違う形に仕上がっていたことと思います。
色んなタイミングとご縁が重なって、とっても素敵なものが出来上がったことが本当に嬉しく、こうして書き留めておきたかったのです。

また何か楽しい企画があれば、どなた様でもぜひぜひお手伝いさせていただきたいです。

本日はこれぎり〜