#53 インスリンの分泌を促進する薬①
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問をつづっています。
さて、引き続き糖尿病に対する薬を見ていきましょう。
今回は、③インスリン分泌を促進する薬
(専門用語が飛び交いますが、流し読みしながらついてきてください。)
インスリンの分泌を促進する薬は、
●SU剤
●速効型インスリン分泌薬(グリニド系)
●インクレチン関連薬
があります。
その中でも、SU剤と速効型インスリン分泌薬は、薬の作用点は同じです。
2つとも同じところに作用するので、以下SU剤等でまとめます。
さて、SU剤等はどのように血糖値を下げるのでしょう?
まずは、血糖値が上がると、どのようにインスリンが分泌されるのかを見ていきましょう。
ややこしいことが書いてありますので、3文くらい飛ばしてください。
①グルコース(ブドウ糖)の血中濃度が上昇すると、細胞内で代謝されて、ATPというエネルギー物質が産生される。
②そのATPがあると、K +チャネルという扉が開いて、K +が細胞内に入ってくる。
③K +濃度に刺激されて、Ca2+チャネルという扉が開いて、Ca2+が細胞内に入ってくると、インスリンが分泌される。
という仕組みなのです。
つまりは、血糖値の上昇によって、細胞内で色々起こり、インスリンが分泌されているんです。
(雑にまとめた)
そこで、話を戻しましょう。
SU剤等はどのようにインスリンを分泌するのか?
SU剤等は、K+チャネルにひっつくことによって、細胞内のCa2+濃度を上昇させ、インスリンを分泌します。
つまり、血糖値の濃度は関係なくインスリンを分泌させるんですね。
そのため、血糖低下作用は強い反面、血糖値が低い時でもインスリンを分泌してしまうことがあり、低血糖(血糖値が低くなりすぎる)のリスクが高い薬と言われています。
今回は、インスリン分泌を促進する薬の中でもSU剤等をテーマにお話ししました。
次回は、SU剤と速効型インスリン促進薬の違いや注意点についてお伝えできたらな、と思っています。
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参考:薬局で使える実践薬学
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