【ショートショート】グリム童話ATM
「ねえ、知ってる?今解体中の、駅の裏にあるATM。」
「あれでしょ、異世界と繋がってる、とかいうやつ。ないない。」
ふわふわホイップの乗った飲み物を片手に談笑していた女子高生を横目に、俺は取引先へのアポに間に合うよう、先を急いでいた。
お客様は、駅の裏の大地主。
おっと、その前に給料日だし、金でも下ろしておくか。
そういえば解体中って聞いたけど、まだ手付かずなのか?
何の変哲もないATMじゃないか。
いつも通り現金を引き出し、腕時計を見ながら自動ドアを出ようとする。
が、ドアが開かずに、思い切り頭を強打した。
なぜだ?入ってくるときは普通だったのに。
視線を腕時計から前に戻すと、そこには煌びやかな装飾品をまとった黒服の女性が立っていた。
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは、だあれ…?」
え、なんだって?
自動ドアの向こうから、低い女の声がする。
それに、あれ、ここ、こんなに狭かったか?
「あら、返事がないわね。この世で一番美しい者は、誰?」
fin.
約425字
こんにちは、西園寺えるです。
唐突に、毎週ショートショートという、
小説の企画に参加してみました。
カードをひいて、ふたつの単語をくっつけてお題を作っているようです。
面白い!難しい!楽しい!
今まで小説界隈に触れてこなかったので、noteでのこうした企画があることも、つい先日知りました。
小説と言っていいものかわからないけれど、
創作の文章を作ったのは、15年ぶりぐらい。笑
まずは、何事もチャレンジあるのみ!
とりあえず、現実から意識を飛ばすのはとても楽しかったです!
私のフォロワーさんには、小説を書くことに興味ある方あまりいないと思うんだけども、たま〜〜にお付き合いいただければ幸いです。
それでは。
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