つぶやき56,57,58日目(https://youtu.be/eIPQJB7CHxI https://youtu.be/28xc4JP4aco https://youtu.be/CjCK6gBOLdM から転載)
今回から「mRNAワクチンの理解」という題名で文章書いてこうかなと思います。知識を持たずに無意味にワクチンを恐れるのだけはやめましょうね、とこの文章で伝えたいわけです。ちなみに関係ないことも書くので悪しからず。
まず概要です。
1. 私たちの体の仕組みとDNA
2. DNAからタンパク質の合成、mRNAを経由して。
3. mRNAワクチンは何をしている?
てな感じで書いていきます。てことで3日に分けられるかな?
1.
私たちの体は30兆もの数の細胞でできています。そしてどの細胞にもDNAが入っています。DNAは私たちの体を作る設計図と言われています。私たちが持っている目の色や鼻の形、太りやすいか痩せやすいか、アルコールに強いか弱いかは個人のDNAに依ります。このDNAは親のDNAを半分ずつもらっているので親と子供は上で述べたような性質が似ていることがあります。しかし、いい歳して独身の人はここで考えるかもしれません、なぜ自分1人から子供は作れないのか、微生物は分裂して個体数を増やすと聞いたことがあるぞ、と。たしかに「異性と出会って子供を残さなければいけない」という壁が存在するので2人がペアとなって子供を残すことは一見無駄なように見えます。では、私たちはなぜDNAを半分ずつ渡して子供を作っているのでしょう。それは「急な環境変化に耐えられないから」です。微生物などが分裂して子供を作る、というのは実は自分のクローンを作っているのです。なので親が寒さに弱ければ子供は必ずといっていいほど寒さに弱くなるし、親が暑さに弱かったら子供も暑さに弱いです。しかし、2人でペアを作って子供を作ると、親とは違った性質を持った子供がたくさん生まれます。なので、人間のような生殖方法は、結局は生存しやすいのです。
2.
前回はさんざんDNAの話をしましたが、今回はタンパク質の話です。私たちの体は細胞でできているといいましたが、タンパク質という体の至る所で働いている物質も存在します。たとえば、前回の例でのアルコールを分解する能力の話をしましたが、アルコールを分解するタンパク質がちゃんと働いているか否かでその人のアルコールへの強さが変わります。あれ、前回DNAがアルコールの強さとかに繋がっているって言ってなかったっけ、とお思いの人もいるでしょう。・・・・・では、DNAからタンパク質が作られるとしたら?はい、「タンパク質はDNAから作られます。」
DNAにはその人の特徴が刻み込まれていますが、それはまだ設計図の段階です。この設計図を基にタンパク質にしていきます。ではどうやってDNAからタンパク質が作られているのでしょうか、今回はその概要を話します。DNAはまずRNAというものに「転写」されます。つまり、身近な例で言うと、設計図であるDNAを見て商品であるタンパク質を直接作るのはいいんだけど、設計図を直接見ながら商品を作っていると設計図を壊してしまわないかな、よし、まず写しを転写して(コピーして)、それを見ながら商品を作ろう!最悪写しが壊れても設計図は無事だしね、みたいな感じです。DNAは細胞の中の核という球状の場所に保管されており、核の中で転写してから核の外に出されています。いかにもDNAは箱入り娘って感じですね。このタンパク質を産み出すために作られたRNAを特にmRNA(メッセンジャーRNA)と呼ばれます。こういう言い方をするってことはタンパク質にならないRNAもあるんですね。
そのmRNAを基にやっとタンパク質が合成されます。タンパク質の中には酵素といった、皆さんが聞きなじみがあるであろう物質があります。さっき例に挙げたアルコールを分解するタンパク質、あれも酵素です。酵素というのは、反応を手助けする物質のことを言います。体の中にあるものを特に酵素というのであって、反応を手助けする物質を広く触媒と言います。体の話をするときは触媒のことを酵素と呼ぶのです。
3.
やっと本題の「mRNAワクチンは何をしているのか」についてです。しかし、その前にいままで使われていたワクチンの仕組みを紹介しましょう。インフルにかかったらその年はもうかからない、なんてことを聴いたことはありませんか。それは一回目にかかったときに、体がそのウイルスの情報を覚えていてくれるからです(もちろん脳内に記憶されているわけじゃないよ)。なので、2回目以降は1回目より素早く、そして万全の戦力でウイルスと戦うことができるため、1回かかったらもうかからない、と言えるのですね。
でも、一回かかっただけで死亡してしまうかもしれない高齢者などには、1回かかってウイルスに強くなってね、とか鬼畜なことは言えません。ここで、その1回目を人工的に安全に起こしちゃえばいいんじゃない、というのがワクチンの原理です。ワクチンは流行ろうとしているウイルスを無毒化や弱毒化したものを注射しています。無毒化や弱毒化しているので感染せずにウイルスへの準備ができる、というわけです。
さて、今回のmRNAワクチンは1回目の感染をすっ飛ばす、という点では同じです。しかし、このmRNAワクチンは「ウイルスの見た目をしたタンパク質を作ってくれるmRNA」を注射します。「ウイルスの見た目をした」と書きましたが、私たちの体はウイルスの周りの見た目(どういう風に凸凹してるかどうかとか)でウイルスを記憶します。なので、本物のウイルスを注射しなくてもその見た目をした、ウイルスではない(つまり感染リスクが従来のワクチンと比べて全くない)物質の見た目を体に覚えさせておくのです。
(なんでDNAじゃなくてmRNAを注射するのか、は正直よくわかりませんが、たぶんmRNAは役目が終わったら分解されるので、そういった点でmRNAにしてるのかなって思ったりもします。)
現状mRNAワクチンについてわかってきていることが以下の記事にうまくまとめられていますが、従来のワクチンよりもかなり良い数値を出しているみたいです。結論として私が思うのは、ぎりぎりまでどのワクチンにするかの決断をおいておいて、最良のワクチンを手に入れた日本は、目いっぱいその恩恵を享受するべきです。ワクチンを打つかどうかの判断は根拠のない世迷い事でするのではなく、データを(正しく)見て、自分で決めるのです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210411-00231933/