つぶやき30日目(https://youtu.be/5cTM0ugZgzM から転載)
(昨日の続き)
さらに、表面積と体重の関係も知っておくべきです。たとえば、ネズミのようなちいさな動物からどんどんゾウのように大きくなっていく過程を想像してみてください(物体の長さが増えている)。表面積は2乗の速さで増えているのですが、体積は3乗の速さで増えているので、大きくなればなるほど表面積に比べると体積が大きくなりすぎます。これが何を意味するかというと、表面積と関係がある現象として、体の熱の放出があります。単純に皮膚が広いほど体から熱が逃げて行きやすいということです。なので、身体が大きくなりすぎてゴジラみたいになると、その生物は熱を逃すので必死になります。体のあちこちで熱が生成される(体積)のに、皮膚はそんなに広くないのでえらいことになります。もしかしたら、それほど大きな生物がいないのは体の熱のやりとりにあるのかもしれません。
現実で考えてみましょう。寒い地域に住んでいる動物はそのように熱が全然出ていかない方が得なのではないでしょうか。実際にそういう傾向が見られ、その現象をベルクマンの法則といいます。また寒い地域に住んでいる動物は出来るだけ熱を体の外に逃したくないので、そのような地域に住んでいる動物の皮膚の面積(表面積)は小さくなる傾向にあります。これをアレンの法則といいます。ウサギなどでは耳を小さくすることで表面積の減少を実現しています。
この表面積と体積の関係は船でも言えます。帆は表面積に依存するのですが、船の重さは体積に依存します。なので、船が大きくなるほど帆による加速が難しくなります。逆に言えば、小型船ならちょっとの帆でとてつもないスピードを出すことができます。