統合失調症でも、愛しい母。死別16年経ての体験記|目次
はじめに
母が統合失調症であること。
それは、私の人生にとって
苦しみと同時に
深い愛を教えてくれるものでした。
この愛は、私が母になっても
我が子に継承され、
生きつづけているものです。
愛なんて抽象的で目に見えない。
そう思ってましたが、ほんとにあるんです。
この連載では、病とともに生きる母との暮らしを描きながら
彼女の人となりに焦点をあてることで、
「病気であろうが、親の中には自分を愛してくれる人格がある」ということを分かち合えたらと思います。
このような方に向けて
精神疾患をかかえる親をもつ10代の子どもさん、そして、私と同じように病気を抱えた親との暮らしの体験のある方にむけて、特にお伝えしたいと思っています。
一つの事例ではありますが、生々しい私の体験を知ることで「あぁ、しんどいのは自分だけじゃないんだ」と思え、一瞬でも心がかるくなってもらえたらなぁと思います。
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ある一人の子どもの心境の変化、体験記にどうぞお付き合いください。
【 目次 】
序章:いとしい母の姿―心に焼きつく記憶
1章 : 最初の違和感と病の兆し
子どもとしての戸惑い
発症時の母の様子
激変した生活環境
2章 : 子どもの生活のリアル
家事
学校生活
進路
友達・恋愛
姉弟関係
もう一方の親との関係
お金
3章 : 病気の影に隠れた母の人格―消えない優しさ
幻聴・妄想に飲み込まれた中にも見えた母らしさ
4章 : 母の突然死と向き合う
亡くなった経緯
病院での出来事
葬儀
火葬場
母の主治医の言葉
死別後、怒涛の1週間
死別後、廃人のような1か月間
一周忌まで、母を探した1年
5章 : 大人になっても続く影響―生きづらさと向き合う
親の精神疾患が子どもの発達に与える影響
子どもがかかえる困難
6章 : 母の「精神的遺産」を抱いてー死別から16年の時を経て
親の統合失調症の発症、死別の体験、それらを今どう受け止めているか
母がのこしてくれた精神的遺産
おわりに :
病気であろうが、親の中には自分を愛してくれる人格がある