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変な人とは、妄想を事実と主張する人だと知った

「夫が良い人だから、ご家族に会うの楽しみにしていたのに。」

私の言葉を聞きながら、友人が、夫が調停に提出した主張書面を読んでくれる。「そうだよね。」と頷くも、深くは触れず、

「旦那は、今、長野県にいる。りりいを無視し始めてから1ヶ月半はホテルで暮らしたが、訴訟準備で長野県の実家に引っ越したんだよね?じゃあ、長野県に住む弁護士に依頼するために引っ越したのだから、管轄権の濫用になるよ。」

と、淡々と言う。更に、

「今、長野県から勤務先である渋谷区の組合に通っているのなら、新幹線の乗車証明か、高速利用証明はどこ?」

と、聞く。

「ないよ。提出を求めたけど、出さなかったよ。」

と、私は答えた。

「じゃあ、旦那さんは徒歩で長野県から渋谷区まで通っているの?これ、絶対に嘘でしょ。渋谷区でマンション借りてるに違いないから、ミツモアで調査依頼しなよ。」 

と、友人は呆れ顔を覗かせる。

「渋谷区でマンション借りていたら住民票が実家になっているため住民基本台帳法違反、
本当に長野県に住んでいたら管轄権の濫用で判例違反。」

と、私を見つめた。

長野県の実家から渋谷区までドアtoドアで片道4時間かかるから、恐らく嘘だろう。仮に本当に長野県に居たとしても実家に住む必要はない。駅から離れた実家ではなく駅近に1人で住めば良い。
夫が相談に行った東京の弁護士が、誰も夫の弁護をしなかったのは、この様な自己中心的な信憑性のない主張をしてしまうことも原因の1つだろう。

夫が、長野に居る知り合いの弁護士しか見つからなかったから、東京で勤めつつ長野の実家に居るという主張書面を裁判所に出してしまったのだ。簡単に疑念点が浮かんでしまう書面を、普通は出さない。出す前に弁護士に止めてもらえなかったことが、相手方でありながら気の毒になる。
……………
こうして、誰もが見破ることのできる嘘が1つ発覚すると、文書全体の信用は格段に下がる。

私の出した証拠と録音テープを聞きながら、友人は更に続ける。

「0歳児の姪っ子が主賓の挨拶に参加できなかったのは、りりいのせいだと言っているけど、これも嘘だね。旦那が『赤ちゃんが泣くと心配なところ、教えて。出席控える様に言うから』って提案しているじゃん。」

私は、「そうだよ。」と頷き、

「夫は私に、自ら積極的に良い子の提案をして、良い子の提案を私がさせた、本当は嫌だったと後からキレるの。
嫌だった出来事は、事実を作り変えるの。今回は夫自身が提案したことを、私が提案したことにすり替えている。」

と、説明する。そうすると、友人は、更に指摘する。

「ご祝儀の額も、旦那がりりいに『親族1人5万円以上、旦那自身の弟は、見栄があるから弟一家5人で25万円は払うから安心して。』って言っているのに、旦那が弟には『5人で15万で良いよ。』って両方にいい顔しているじゃん。これは嘘の皺寄せで、りりいが義実家の悪者にされたね。」

と。
……………
夫自らの提案を私が言ったことにすり替え、「嫌だった」と被害者ぶった文書は、裁判所に出されて多くの人の目に止まる。私が証拠で反論した以上、夫の主張は虚偽と明白になり、証拠に基づき出された審判の内容は、ドメスティックバイオレンスの加害者が被害者に払うのと同等の慰謝料を、夫が私に支払えというものだった。

おそらく、概ね誰もが夫の嘘を見破ったのだろう。そしてこの夫の主張は、今後も、裁判所に保管される。

そんな事態は避けたいから、性格の不一致を主張する人の殆どは、協議で離婚する。しかし、夫は協議を拒んだのだった。「ねじ曲げた事実が正しいから、僕が離婚したくなったのは妻のせいだ。」と言って。
……………
凍りついて黙る友人に、夫との婚約内容を伝える。

「絶対に離婚しない。出産可能年齢のこともあるから、性格が合わなくても対話でやっていこう。と約束して結婚したよ。」

「『どんどん好きになっている』、『愛してる』と言われた翌日、『離婚』だって。結婚式から2ヶ月で、決まったお家も勝手に解約されていた。」

と。嘘でできた夫の主張書面から目を離した友人は、首を横に振った。

「りりい、この人、良い人じゃない。いい顔して、辻褄が合わなくなったら奥さんを悪者にして、2人の家庭を崩壊させたんだよ!
管轄権の濫用目的で、長野県から徒歩で渋谷に毎日出社していると言っている、ただの変な人だよ。」

私は、この時やっと、変な人とは嘘で現実を塗り替えた人だと知った。
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note今年のまとめが届きました。皆様、今年も沢山の素晴らしい記事をありがとうございます✨️
特に沢山読ませていただいたのはももまろさんと自己啓発ソムリエさんでした。



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あやとりりい
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