思い通りにならない人を、思い通りにしたい争い
彼を初めてテレビで見たとき、この目の光は普通じゃない、見たことがないと閃光が走り、直ちにググった。格好はただのTシャツ。ハンサムで端正な顔立ちに、際立つ青い瞳の奥に聡明さと大きな使命が伺える。選ばれし者だと思った。
ユダヤ教を信仰するとい聞いて、彼の思想にピッタリだと腑に落ちた。
さらに頭が切れるし、話の内容は御尤と思うことばかりで真っ当。かつ行動力もある。人に慕われ愛される職業の1つの元俳優でコメディアンでもあるゼレンスキー氏に足りないものはあるのだろうか?勿論、歴史的背景もあるが、それに加え彼が持っているものにあの国のお方は嫉妬、憎しみ、僻み、劣等感を抱いたのだろうか?
正しい者がいつも勝つとは限らない。尊厳を犯す攻撃を長らく誰も止められない。抑止力は機能していないのが現実。
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話しは変わる。
日本で組織を見ていると、世の中、トップになる人は人格者でも、聡明な人でもない。お友だち人事と目に見えないハラスメントを繰り返し、人を蹴落とし、従順な者に蜜を与えていったズルい人だったりする。
上手な誹謗中傷は、正義とはき違えられる。
規模は違えどどんな組織にもあるのではないだろうか。
正しい者ではなく、好きな人が選ばれる。こうして多数決で決まった間違えた価値観が正義になってとどまることを知らず、ターゲットになった人が徹底的に打ちのめされ組織の奴隷にならなくば消されていく。
私は何度もみてきた。何度も声をあげたが通った試しは殆どない。
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ターゲットを定め、誤った正義を振りかざす者に言葉は通じない。法的措置は抑止力にならない。何らかの反応は彼らの歓びになる。
恐ろしいから逃げるが逃げたら追ってくる。
いずれにしろ思い通りにならない他者を思い通りにしたい彼らの執着心は止まらない。
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あの方をどうしたら良いか、連日、報道がされているが、ここまで来てもなお続ける反撃を止められるとは思えない。
このように「自分にとって正しい」が正義で、面白くない者を集団攻撃する組織は国同士だけの話ではない。市民レベルでも起こっているがその殆どは止まっていない。
名案を語り合う評論家に聞いてみたい。抑止力や経済制裁というが、貴方の所属する組織で違法なハラスメントがあったとき、貴方はどうしていますか?と。お友だち人事に泣きを見た優秀な人を救うことができた人はいますか?と。
きっと、社内規定は抑止力にならず、減給処分じゃ反省はしないだろう。
だから被害者を攻撃し排除してきたのではないか、と。
国同士とは規模は違えどやっていることは市民同士でも同じでないか。
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小さなコミュニティーレベルから、1つ1つの組織の在り方から、学校教育から、
根底から多数決や仲良しグループではなく、適法な真っ当な意見が尊重される地盤がない限り、巨大化した誤った価値観による暴走を早期には止められないだろう。
求心力の衰えと内部崩壊を待つことは、時間が掛かりその間にも犠牲が増える。
法の遵守で正誤の判断をせずに、好きな人だけを集めて、思い通りにならない人を攻撃し好き放題進んできた組織が行き着く未来が安寧な世であるのだろうか。
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思い通りにならない人を徹底的に打ちのめすことが正義と考える人との闘いが使命となってしまった。その先はどこに行き着くのだろう。
選ばれし彼の守りたい国土と命、どうしたらその手に留めておけるのか。
ここよりも寒い遥か北国の冬が穏やかなものとなるように。祈ることしかできない。