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世界の不条理に苦しむ、強い魂を持つ友へ

君に伝えたいことがある。

君は膝を地面について、世界に絶望をするかもしれない。
自分の弱さを呪い、力を求めることがあるだろう。
だが、力は既に君の中で具現化されていることに気づいてほしい。

毒のようにその身を蝕む強い渇望と
深い哀しみが煮え滾った怒りは、
雷神の槌と化し、不条理を穿つ君の武器になる。

美辞麗句を掲げた正義は、
その正しさを守るために幾重の層を張り巡らす。
そして、自ら矛盾を生み、不都合を隠すようになる。

その槌こそが、澱み濁った壁を破壊する唯一の武器だ。
世界を変える力だ。

君は選択できる。
手にしたその武器で、
その澱んだ壁を破壊するか否かを。

渾身の一振りには代償を伴う。
飛び散る破片が君を襲い、体を切り裂くだろう。
神経が傷つき、二度と元に戻ることはないかもしれない。
その苦しみは、壁に穴が開くまで何度でも繰り返される。

その覚悟がないならば、
槌を手放せばいい。
魂という赤子が泣け叫ぶのを見て見ぬふりして、
何も感じない安寧の世界で生涯を終えるだけだ。

君は壁に大きな風穴を作る力を持っている。

一心不乱に破壊の限りを尽くし続けた君は、
ふと気づくだろう。

そよぐ風が体を撫でながら通り抜けるのを。
その手に握りしめているものが、
槌ではなく種子になっていることを。

破壊のその先は、創成だ。

追い風は風穴を通り、
種子を運ぶ。

降りた地で芽吹き、
新たな世界を創り上げる。
そこは、間違いなく君の命が輝く場所だ。

選ぶのは君自身だ。

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