家政婦、始めました。
ずいぶんとごぶさたしてしまいましたが、みなさんお元気ですか?
わたしは、自力ではどうにもならないほど大変な数年を辛くも生き延び、いまはおかげさまですっかり元気です。
縁あって、いまは家事支援サービス業、すなわち〈家政婦〉をやっております。
みなさんは〈家政婦〉と聞いて、何を思い浮かべますか?
伝説の家政婦・◯麻さん… 家政夫の◯タゾノ… 古いところだと、市原◯子さん主演のドラマ「家政婦は見た!」… ブームになった漫画「猫村さん」…などなど
では、本物のリアルな家政婦と会ったことはありますでしょうか?
わたしは自分が実際にこの仕事を始めるまで、自分の周囲に家政婦として働いている人はいませんでした。みなさんの周りにも、家政婦をしている人はほぼいないと思います。
ならば、ここはひとつ、現実の家政婦であるわたしがなぜ家政婦という職業に就くことになったのか、そしてそのベールに包まれた家政婦という職業のリアルな日常を、ここにポツポツと書いてみようかと思うようになりました。
シンプルに知りたくないですか?
家政婦ってどんな仕事なの?
どうやって家政婦になったの?
そんなこんなを、わたしなりにできる範囲で書いていこうと思います。
元々わたしは東京でカフェ・ケータリング・料理教室などを15年ほどやっておりましたが、311の影響で東京から離れることにしました。
そうして逃げるように故郷に戻って11年、どんどん右肩下がりに収入が減っていき、働いても働いても坂道を転げ落ちるように貧しくなっていって、それはそれは恐ろしい日々を内心ビクビクしながら生きていたのです。
そして、あのコロナ禍の到来です。
世界中の誰にとっても、先のまったく見えない日々が始まりました。
そしてこれは本当に不謹慎なことかもしれませんが、正直わたしは内心少しだけほっとしていたのです。
これで、世界中のみんながわたしと同じ状況になったのだと感じました。先のまったく見えない恐ろしい日々であることになんら変わりはありませんが、少なくともわたしは孤独ではなくなった。内心ビクビクしなくてよくなったのです。
そうして世界中の誰もが、それぞれ生き延びることに必死になりました。誰にとっても未知の未経験な日常を、とにかく懸命に生きていました。こうすればうまくいく、というそれまでの経験則や常識はなんの役にも立たなくなり、ことごとく崩れ去っていきました。
そんな日々を手探りで無我夢中で生きているうちに、気づくと世の中はコロナ禍以前とはすっかり様変わりしていて、わたしも自分の行なってきたことすべてを再構築しなければならなくなりました。
コロナが5類となった2023年5月、保健所でコロナ対応の派遣社員として働いていたわたしは職を失いました。
そんなとき、ハローワークの求人情報の中にちょっと不思議な求人票を見つけてしまったのです。
求人事業所は個人宅、仕事内容は家政婦。…家政婦?
わたしは自分の好奇心を抑えきれず、初めはネタとしてムスメに見せるつもりで「お気に入り」に入れておきました。
そんな些細なことから、わたしの人生は大きく舵を切ることになっていくのですが、この続きはまた後日に。
楽しみに待っていただけるような、そんな表現ができたらいいなと久々にカメラを持ち、キーボードをたたいております。よろしければぜひサポートを!