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ラクなのにモヤる…入学グッズ購入から考える"厚利少売"

「こんなに選択肢があるのに、なんでこんなに迷うんだろう?」
昨日は息子の入学準備グッズを買いながら、ふとそんなことを思いました。

長女が選んだハンドメイド

4年前、長女のときは違いました。
体操服袋など用具には概ね小学校指定のサイズがあり「手作りせないかんのか!?」と戦々恐々としていたワタシ。
するとお隣の1歳上のお姉ちゃんがいるママ友さんに小学校スグ近く、マンションの一室でやっているハンドメイドショップを教えてもらいました。

そこでは手芸好きの方が作った、学用品サイズバッチリでオリジナルの柄で縫われた縫製もしっかりした布袋類が並んでいました!

その中から私も娘も「これいいね!」とすぐに決められました。
一点物の温かみがあり布が違うから絶対被らない、長く使える丈夫さも。
ポケットがあるなど、ママさんが作ったであろう独自の工夫もありました。

長男は某大手ショップへ

しかし、今回4年ぶりの長男の入学グッズ選び。
同じ小学校ですが、今はサイズの細かい指定がなくなったので近所の子供用品がたくさんある某大手ショップへ。
この時期(2月)だけありたくさんの入学グッズが豊富にならんでいました。
しかも数多くのキャラクターものばかり。

息子が「これがいい!」と言うものも、流行りのキャラがプリントされていて、「これ、1年後も好きなのかな……?」と考えてしまう…。
しかもキャラ違いだけど多分どこにでも売っているので他の人とかぶるし画一的なデザイン。 工夫も特に無し。
な〜んか便利になったはずなのに、逆に迷う。

この状況、何かに似ていないだろうか?

ラクで安い、なのに選べない「選択肢が増えたのに売れない」時代。

マーケティングの世界では「選択のパラドックス」という概念がある。
選択肢が増えると消費者は一見満足するように思えるが、実際には「決められない」状態に陥り、結果として購入意欲が下がること。

入学グッズ市場もまさにそれだ、と思いました。
親たちは「何でもOK」と言われて楽になったはずなのに、選択肢が多すぎて迷う。「子どもが好きなものを」と思っても、キャラクターグッズばかりで、本当に長く使えるのかと考え始めると手が止まる。

ドラッグストアでずらっと並んだシャンプーリンス、スキンケアを見て「何を選べばいいか」と悩んだ経験がありませんか?

どれでもいいから、比較検討の材料が金額になってしまう。

企業の広報やマーケティング担当者にとって、これは重要なこと。
選ばれる厚利少売ブランドに必要なのは「増やすことより絞ること」。

親たちが求めているのは「これこれ!こういうのを待っていた」というインサイト(深層心理で欲していること)を突いたオリジナルの提案があること。

つまり、企業がすべきことはただ消費者のニーズによりそった単に「選択肢を増やす」ことではなく「場に応じた正しい提案をする=絞る」こと。

薄利多売を脱して選ばれる厚利少売へ

現在木下斉さんのビジネススクールのお題は厚利少売。

この貴重な学びをさらに深めて

1. ストーリーを伝える
 • 「この商品がどう作られたのか?」
 • 「どんな想いが込められているのか?」
 • 「なぜこのデザインなのか?」
こうした背景が明確になっていると、消費者は「なんとなくいいな」と感じ、選択に迷いにくくなる。

2. ターゲットを明確にする
 • 「流行のキャラが好きな子向け」なのか?
 • 「シンプルで長く使いたい親向け」なのか?

どちらも市場には必要だけど自分の市場で考えたいと思いました。

では、自分のビジネスでどうすればいいのか?

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