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女性監督の私が映像づくりで注意する5つのこと

映像制作において、視聴者の心に響くコンテンツを作ることは非常に重要。
特に近年はテレビショッピングやライブコマースなどダイレクトマーケティングが幅を利かせており"ぼんやりしたイメージCM"だけではなく、ズキュンと心に響いて行動を促す(買う)結果が求められるようになってきていると感じます。

特に、資金力の低い中小企業の担当者が映像広告を制作する際、どのようにターゲット層の心を動かすかは費用対効果の大きな鍵。

今回は、私のこれまでの経験をもとに、どのようにして共感を呼ぶストーリーを作り上げるかをシェアします。これは私の15年近いテレビショッピングの体験に基づき、映像に限らず広告営業全般でかなり本質的な話です。


1. 視聴者の視点を意識する

映像制作の一番のポイントは、ターゲットが誰であるか、その視点を明確にすることです。
例えば、私が関わっているテレビショッピングでは、購入層が主に女性なので、彼女たちの日常生活に即したシナリオ作りが求められました。
これでも曲がりなりに42年間生きてきた女性としての経験を生かし、生活の困りごとや悩みに寄り添った具体的な場面を想定することで、視聴者が「自分のことだ」と感じられる内容を作り上げました。

例えば、シニア層の表面的な希望は一般的に「旅行や趣味」と言われています。しかし実はもっと小さな日常生活の家事がスムーズに出来ると嬉しいという小さな"願い"があるのでは?という出発点で企画を提案したところ「その視点は女性ならでは」と言われました。
しかも、その視聴者視点からメイン訴求が出るだけで終わってしまうのは三流。売れません。売れるためには…以下有料記事にて書いています。

売れるためには、そのメイン訴求が商品特性と合致する行動ゴールかどうかの納得力がとても大切です。

こちらがオラオラ”説得”する時代はもう終わり
ではなく相手が勝手に”納得”してしまう、納得したからお願い買わせてください!と言わせるチカラはそのコンテンツにありますか?

このように(私じゃなくても全然良いのですが)"これまでの評判で有名な監督に頼みたい"などではなく「この提案はこの方にお願いしたい」と言う企画者を選定し自分も自ら企画に参加するくらい一蓮托生の「企業の本気」がこれからの時代試されると思います。

売れないのを映像制作者や広告代理店のせいにしている企業担当者は多いですが共にトライアンドエラーできる関係性と信頼性が長く相互発展するコツだと思います。

2. 日常の具体的な体験を盛り込む

ストーリーをリアルで共感を呼び起こすものにするためには、視聴者自身の体験や日常の困りごとに即した内容にすることがすんごく大事!

例えば、
ダイエットなら風呂に入る前なのか、後なのか。
膝腰なら階段は登るのか降るのか、その階段はどこにあるのか。

このように、視聴者が「これなら私も使ってみたい」と思えるような場面を「アトモスファー(雰囲気)」から作り上げることで、より強い共感を生むことができます。

ちなみに、撮影時からその「空気感」は伝わります。
中途半端な企画や撮影、編集をした映像はどこかしらけて段取臭くなりがちです。なんも響かない。
具体的な体験に他の要素は入れない全てに対するこだわりが大切です。
嘘のような本当の話、映像も食べ物や農作物のように真心を込めたかどうか。作り手の変な邪念が入っている映像は売れません(はい、完全に私の個人的な持論です)。

3. 具体的なセリフやBGM、効果音など「音」で深みを出す

単に「便利です」「使いやすいです」と言うだけでは、視聴者の心には響きません。
大切なのは、視聴者が実際に自分の生活でその商品を使うシーンを想像できるような具体的な状況を描くことです。すると視聴者は「自分もそう思う」と感じ、感情的に共鳴しやすくなります。

日本語は言葉の文化。そして非言語(行間)の文化。
例えば、夫婦の設定で「お前」というのか「君」というのか。世代や設定によっても大きく違います。「おい、お前」と「おい」をつけるのかつけないのか。痛みの表現はどんな痛みの効果音にするのか。痛すぎると違和感がある、などなど。現場の演出や整音MA時でも良いですが、そこまで音のリアリティが想像を促す鍵です。

シナリオを書いたら私も全てを声に出して読み、編集時に何度も「音」で聞いて嘘っぽくないか、違和感はないか確認します。
 

4. 視聴者の本音に寄り添う

私が心がけているのは、視聴者の本音に寄り添うことです。
特に女性向けの商品では、彼女たちの心の声を反映させることが大切です。

例えば、時間に追われている中で少しでも楽にできる方法を探しているという訴求があったとします。その表面的な気持ちだけではなく「本当は楽したいけど綺麗になるなら多少の苦労や時間は厭わない、そのくらい切実」というように、相反する本音に寄り添った提案を映像で表現すると、視聴者は自分の気持ちに共感し商品への興味が湧きやすくなります。

ちなみに経験上、ここに「社会一般論的な女性像」を当てはめても本音と乖離があり、全く響きません。本音はターゲット本人すら気づかない魂の願いを掬い取る気概が企画者には必要です。
 

5. 時間構成のチカラを活かす

映像制作では、視覚的な要素だけでなく、ストーリーの中に感情を込めることが非常に重要です。視聴者の心に響く映像を作るためには、ストーリー全体の流れやテンポを意識し、共感を呼び起こすシーンを丁寧に作り込むことが求められます。日常の中で誰もが感じる悩みや願望を描き、それを解決する方法を示すことで、視聴者を引き込むことができます。

だからこそプロが構成を作った番組はあっという間に見れて自然に買いたくなったり面白くて長時間見たりしてしまうのです。

もちろん、日常の中で誰もが感じる悩みや願望を描き、それを解決する方法や行動までをスムーズを提示することが視聴者を引き込む鍵となります。
 

最後に

視聴者の心に響く映像を作るためには、日常生活に寄り添い共感を呼び起こす具体的なシーンやセリフを盛り込むことが大切です。
映像は単なる広告ではなく、視聴者との感情的なつながりを築く手段です。

どんなに小さな困りごとでも、視聴者が「自分のことだ」と感じることができる内容にすることが、効果的な映像制作につながります。
今後もこのような女性監督ならではの映像作りのノウハウをお伝えしていきます。


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ディレクター歴15年以上の私が普段見たドラマや映像、テレビショッピングなど映像制作についての記事をまとめています。 映像の新たな見方や動画発信について書いているので少しでもお役に立てたら嬉しいです。

更新内容:ドラマや映画、番組について、映像制作について 頻度:随時 対象者:ドラマ映画鑑賞が好きな方、映像作りに興味がある方

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