脱スピリチュアル月間。
ここ3ヶ月ほど、意識していることがある。
それは、「脱スピリチュアル」。
あるコミュニティにいくと、「宇宙とのつながりを感じた」「ここは気がいいよね」など、目に見えないものの存在が前提とした会話が、ぽんぽんと進んでいく。
今から10年以上前は、「引き寄せの法則」など、スピリチュアル要素が強いものも好きで、何冊も本を読んでいた。
(「引き寄せの法則はスピリチュアルじゃありません」と言われるかもですが、私の中の分類ということで・・・)
ロミロミ(ハワイアンマッサージのセラピスト)として活動していた頃は、ハワイの伝統的な言い伝えの勉強もした。
沢山の神話がある世界観も楽しんでいた。
なぜ脱スピしようと思ったのか。
そんな私が、なぜ脱スピリチュアルしようと思ったか。
スピリチュアルありきで進行する会話に、違和感を抱くようになったからだ。これはなんだろう・・・?
そんな違和感を抱えながら生活していた頃、たまたま観相学のけんけんさんのYouTubeに出会った。
けんけんさんは、「パワーストーンはただの石」をキャッチコピーに脱スピリチュアルを掲げながら「占い師」として活動されている方だ。
占い師なのに脱スピリチュアル?
ちょっと情報が渋滞している。
さらっ説明すると、けんけんさんの観相学(をもとにした占い)は、外に出ているものから統計データをあてることで、その人の傾向が分かる、ということ。
「確率は高いが絶対ではない、例外もある」とおっしゃっている。
けんけんさんは観相学にはイエスだが、スピリチュアルにはノー。
「『死んだ人の声を聞けます』とか、言ってるんだったら、行方不明になった人の場所当てたり、未解決事件の犯人見つけたりしろよ」
というツッコミ?が、彼のスタンスを分かりやすく表しているのでは、と思う。
私は、けんけんさんの観相学についてのお話はありがたく受け取ったものの、ファンという訳ではない。
不倫した芸能人についてきつい言葉を畳みかけるとか、そもそもの考え方も合わないことが多い。
自分の生活圏内にいないタイプで、刺激的な存在という感じだ。
(彼に興味が出た方はぜひYoutube見てみてくださいませ。)
ドラマ「メンタリスト」と出会う。
長くなったが、そのけんけんさんが、「観相学を学ぶのにオススメ。」として「メンタリスト」というドラマが紹介されていた。
このドラマの主人公、ジェーンは、飛び抜けた観察眼を生かして元々は「死者の声が聞けます」と言ってセレブからお金を取っていた。
しかし、妻子が殺されたことをきっかけに、スピリチュアル業から足を洗い、CBI(カリフォルニア州捜査局)でコンサルタントとして働き、数々の事件を解決していく…。
ジェーンは、「スピリチュアルなんかない」と何度も言う。
目に見える事実を、とことん捉えにいく。
殺人の被害者の匂いを至近距離で嗅いだり、手の指のわずかな皮の厚みを見逃さなかったり。
そうそう、この感覚。
なんてマインドフルネスな観察なんだろう。
ジェーンは観察に止まらず、そこから被害者の予定をあてたり、職業を見極めたりする。
ドラマなのでここは出来過ぎの要素もあるが、事実から頭に入っている統計データを照らし合わせて、確からしい推論を展開していくのはなかなか面白かった。
私が抱いていた、違和感もなんだか光が見えてきた。
スピリチュアル語で話すと、非常に抽象度が高くなる。
そうすると、私が最も大切にしたい"今ここ"をじっくり観察したり、味わったり、というのが、実はできていないのではないか。
会話をしている相手とも、同じ気持ちを共有しているつもりでも、実は何にも理解し合おうとできていないのではないか…。
スピリチュアルとの付き合い方
さて、スピリチュアルに関して、一番印象に残っている言葉がある。
「スピリチュアルを否定するのっておかしいよね。だってそう言っているあなたの存在自体が、スピリチュアルだもん。奇跡が起こって生まれてきたんだから。」
HR界で有名な、島田由香さんの言葉だ。
これを聞いたのは、私が子供を産むずっと前だが、深く納得した。
そして、子供を産んだ今、実にそうだと唸る。
最初に心臓ができて、その後、内臓や脳ができる。
生まれる過程も、こりゃまたすごいもんだった。
育っていく過程もまた、だ。
湧いてくるエネルギー、生への欲求、誰が教えたでもない哺乳類としての性(さが)・・・そうした目に見えないものが引き金となって、目に見えるものとして現れてくる、そういう順番なんだよな。
結論、私はスピリチュアルを否定しないし、好き嫌いで言うと、好きなんだと思う。(詐欺はダメ。無茶もいや。)
ただ、そこに引っ張られて、今ここを味わえないのは嫌だ。
目の前でつぶさに感じられる、空の動きや子供の表情の移り変わり、声の出し方、はたまた医学の発展やテクノロジーの変化…
「今ここ!」にいられるから、五感で感じられること、思考できること、体験できることを、地に足をつけて味わいたい。
「大地とのつながりを感じながら・・・」
(おしまい)
▼軽井沢ブックフェス 実行委員しています