30歳への旅 ✈️ 京都 📸
30歳の誕生日を迎える数日前。
私は、居ても立っても居られなくなって、
旅に出かけた。
30代という壁にが近づくにつれ、
押しつぶされそうになって。
どうしても、自分の部屋で、
ひとり、誕生日を迎えるのがいやになって。
エイや!っと、
前日深夜 旅へ行くことに決めて。
その数時間後には京都駅に着いていた。
”こうすべきで がんじがらめになった 私”と
さよならするために。
私は旅が大好きだ。
見たことのない景色に出会うことが
何よりも楽しくワクワクする。
旅は、
”ほんとうの自分”を取り戻す時間になる。
”どんな風に在りたいのか”を思い出していく。
旅のごはんも楽しい。
あんまり美味しくない食べ物も楽しい。
新たな発見がたくさんある。
知らない土地で、ふと寄り道してみたり、
楽しみにじっくり調べていってみたり。
そんなひとつひとつを選んで進んでいくこと
が堪らなく楽しい。
世界でひとつしかない旅の道のり。
その選択は、毎日の生活のなかでも
行われているのだよなとも思う。
その積み重ねが、人生になっていくのだろう。
日々に埋もれてしまうものを、
旅は思い出させてくれる。
10年ほど前に引きこもっていた頃、
京都へ瀬戸内寂聴さんの講話を聞きに行った。
その時はコンデジで、夜の京都駅を写した。
うねうねした水色の造形が
おもしろいなと思い写したのを覚えている。
旅やカメラは、
引きこもっていたあの頃から、
いつも私の味方になってくれた。
私の”好き”をつれて来てくれた。
カメラは、
私を外へと連れ出してくれた。
その頃は鬱状態だったのだろう。
歩くため 一歩一歩 足を運ぶのも難儀だった。
カメラは世界のおもしろさや好きを
見つけ、集めるのを手伝ってくれた。
一歩一歩足を踏み出す勇気と力をくれた。
旅は、
私の大好きなものを連れて来てくれた。
20歳の時にも ひとり旅に出たのだった。
広島と長崎で 戦争や原爆についてふれて、
最後に 瀬戸内で現代美術に出会った。
「私のからだはこんなにも生きているのだな」
「思考を”私”と思っていたけれど、心臓も血も肉も それぞれに命を持って生きているのかも。それが関わり合って”わたし”が動いてる。思考だけが”私”と思うなんて おこがましいのかも」
と思った。
美しい自然たちにもふれて。
たくさんの命を感じたのだった。
生きていることが嬉しいと感じた。
そして、
「私もこんな風に全身で生きていることを体感できるような作品をつくりたい」
と強く思ったのだった。
心臓音の録音と、メッセージを残し、
心臓病を聴いたりできるインスタレーション
「心臓音のアーカイブス」に残したメッセージ
私は先天性の心臓病で
”手術しないと、20歳まで生きられない命”
だったらしい。
3歳で手術は成功。全く問題なく育った。
だからつい忘れてしまうが、
胸を開いた手術跡は今も残っている。
思い出すたび、
「生きていることは当たり前じゃない」
と気づく。
今、ここに生きている奇跡。
今、あなたが これを読んでくれている奇跡。
これから、何がしたいだろう、
何ができるだろう。
愛と感謝を持って生きれるのだろうか。
まだ、命はのこされている。
ついつい、生きている重みに 耐えきれず、
自分を見失い、苦しくなったりするのだけど。
この命や個性のあることに感謝しつつ、
世界のおもしろいをたくさん見つけながら、
このからだや個性を大切にしながら
生きていきたいなと思う。
20歳から10年生きることができた。
この余生。
これからどんな景色に出会い、
どんな旅の道のりを紡いでいけるだろう。
( 写真撮影 📸 konica c35 fd 🗓️ 2022/6 )
写真と言葉を綴ったひと
瀧澤綾音
演者・美術モデルとして活動。
6歳から演劇に演者として関わり、20歳でインスタレーション作品に感銘を受け「より体感・実感的な作品を演劇でつくりたい」と上京。
新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ APRICOT/文学座附属演劇研究所/美学校 演劇 似て非なるもの/無隣館/映画美学校 アクターズ・コース/未来の踊りのためのプログラムで表現や創作について 培う。
2022年 調布市せんがわ劇場演劇コンクール俳優賞 受賞。
演劇・パフォーマンス・映像・写真・旅・癒し・インスタレーションなど重なり合う、より体感的な、作品の創作や出演を続けている。
2011年から写真の撮影をはじめ、
2021年よりフィルムカメラでの撮影を開始しました。
フィルムカメラkonica c35 fdの写真を載せた Instagramもやっています。
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