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河合隼雄『で』語り合おう✧♡⑤
2024年11月19日(火)谷川俊太郎さんが旅立たれたとメディアが告げた。本当の命日は13日。
ヘッダーに4回に渡って使わせて頂いた河合隼雄さんに捧げる谷川俊太郎さんの詩が、本当に素敵だったので、また一人大切な人が亡くなったと感じた。
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河合隼雄『で』語り合おうに参加しながら自分の人生を棚卸しして、職業人である自分を振り返った。
河合隼雄さんに教えられた最も重大なことは「魂」のことだ。
昔、ガイアシンフォニーという映画を観た。一番、二番、三番と、何番まで観たのだろう。見る度に観客が増えて、次第に伝えるメッセージもどんどん深くなっているような不思議な映画である。
一番に出てきたラインホルト・メスナー(登山家)が次のように言った。
『スピリット(霊性)、マインド(知性)、ボディー(肉体)の調和こそ人間本来の姿である』
それがグラフのようにマインドだけが突出して優れている人がいたとしよう。
しかし、ボディーのことは弱いとする。するとその調和の正三角形は、その自分の一番低い値の大きさになるという。
それを聴いた時、私は体を鍛えたことがほとんどなかったので、
「なに!?」と残念に思った。
いくら魂のことを考えて霊性が高かったとしても、カラダがイマイチだったら、小さい三角形しか持っていないことになるのだ。
霊性と知性は、確かに全然違うものだ。私はそれをずっと魂と心と間違って覚えていた。
しかし、魂と心の働きが全く違うものであることは知らなかった。その二つはだぶっているか、おおかた似た者同志であると思っていた。
しかし、河合隼雄氏の本を読むうちに、その2つはずいぶん違うものだと感じ始めた。
河合隼雄氏の沢山の本のどれに載っていた話だったか、怪しい記憶を頼りに書いてみる。
何か解決しなければならない問題が起きると、心は、解決に向かって努力を始める。しかし、魂はさぼりたがっているかもしれませんよ、と言うのだ。
ええええ?心も魂も、どっちも私じゃないの?( ゚Д゚)
その二つは逆方向を向いているの?
そうやって努力して心は満足しているかもしれない。しかし、そればかり続けていると、魂には少しずつちりがふりつもっているとさらに河合氏は言う。
自分の中で、初めて、魂と心が分かれた瞬間であった。
魂というのは一体何なのだろう?
20代 親元を離れ、自立した人間になろうとした。
25歳で、黒帯と結婚。
学級崩壊、離婚の危機。
途中から仕事に本気になった
仕事と言うのは人生の大半を占める。
一日8時間のはずだが、残業とか、家での次の日の準備とか考えると一日12時間だったり、本当に、一日の大半だ。
初めは仕事から逃げ腰の、オサボリ先生だったが、仕事で終わっている自分しか体験できないのであれば、これは自分の人生の大半が終わっていることになる!
これはまずい!
ちょっとは仕事の楽しさや、自分はまんざらではないというプライドを持てる何かが欲しい。その方が人生楽しいに決まっている。
そこから、私は、教師としてちょっとはマシな人間になろうと努力してきた。そこからが教師人生のスタートだ。20代後半。
30代 教師としての自分の哲学を獲得しようともがいた。
特別支援学級との出会い。黒帯と2人で土地を買い家を建てる。
黒帯の夢である犬を飼うが、わずか一か月で死亡。(ビーグル犬のまるちゃん)
ゴールデンレトリーバーのレオ君が自ら、家にやってきた💖
35歳、中学校教師から高校教師への転身。
40代 美術教師としての自分の貯金がゼロになった。
もう一つのターニングポイントは40代。
30代から、慣れない高校教師に奮闘する中、ある日、自分の美術教師として使える貯金がゼロになった!と感じた。
今までは大学生の時に学んだ時のことや、海外旅行(ルーブル美術館に行った)とか、自分の体験で授業をこなしてきた。
でも、必死で、苦手な学級担任の仕事をし、一番得意な美術で手を抜く毎日。ある日、昔の美術貯金でなんとかやってきたことの貯金が、そろそろ底をついたことに気が付いた。
まずい。
また何か自分は勉強して、美術の貯金を貯めなければならない!
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アルモドバル監督の「トーク・トゥ・ハー」で偶然出会ったダンスという表現。これは踊っている場合だ!と思う。
カラーセラピーの面白さ。オーラソーマの勉強。
色が持つ、深い意味。
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「ずっとやりたかったことをやりなさい」というジュリア・キャメロンの本が導くまま、しょっちゅう、観劇や勉強に東京に出かけていた40代。
今の林住期には考えられないぐらい東京が好きだった。
月に一回は東京に行っていた。
ピナの舞台や美術展を観て、カラーセラピーを学ぶ。
47歳、単身赴任と言う最悪の出来事も訪れた。
黒帯と別れて暮らすことになり、改めて、黒帯が自分にとって重要な人だと、分かった。黒帯のパジャマ姿が愛おしい。
そういうなんでもない姿がかけがえのないものと目に映った。
48歳、クリスマスの検診で、乳癌の診断がでる( ゚Д゚)
次の年、半年間、病気休暇。
私のカラダは、病気を作ってまで、家族と一緒に暮らしたかった。
ただ、単身赴任を嘆いている自分と違って、着々と、腫瘍を作り、結果、家族と暮らす時間を手に入れたカラダの叡智に恐れ入る。
私は腫瘍に名前を付けた。
腫瘍だけに「ようこ」
君を作ったのは私。
単身赴任を悲しみすぎた。ごめんなさい。
「ようこ」、君を受け入れる。
そして、二度と、悲しみや恨みで自分に腫瘍を作らない。
「ようこ」は手術で取りさってしまったが、今後は、「ようこ」ともう会うことは無いだろうという、妙な確信がある。
最悪の出来事は最高の出来事だった。
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半年、朝、起きてモーニングページ(日記)を書いていると、見上げてくる可愛い愛犬と一日中、過ごす。仕事の忙しさでほとんど見ていない春の美しさに気が付く。黒帯のためのご飯支度。
1日に2度はする散歩の楽しさ。
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自分の乳癌発覚、東日本大震災、数日後の大切な犬の死。
40代が、激動すぎる。
49歳、東日本大震災の後、転勤。八戸市に戻ってくる。
無事、単身赴任を終え、八戸の我が家に帰ってきた私を迎えた新たな境地は、出会った途端に、自分を100%開示すること。
東日本大震災を体験し、明日死んでもいいように生きねばと思う。
しかし、これも良くなかった。
この嬉しくて張り切り過ぎる現象をバーンアウトという。
半年後、燃え尽き症候群に陥ったw
50代 自分の仕事に飽きた!というまさかの試練!
新しい職場の仕事に慣れてきた時に、また新しい試練がやってきた。
入学式を見て「だりぃ!」と感じる( ゚Д゚)
また始まったか、同じ一年が!
やばい、そろそろ、この仕事に飽きている。
これは、初めての境地だ。
美容院で読んだ雑誌のレオス・カラックス監督の言葉。
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「人は新しく自分を創り出さないと、
生きていけないものなのです」
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という言葉が心に突き刺さった。
何か、新しく創り出さないといけない。
高校生の美術展で、審査員になった絵画教室の先生が、とても優しい感じの人で、この人に、20代で挫折した油絵をもう一度習い直してみようかと思う。絵画教室に行って、油絵を克服した。
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まさか、20代で挫折したことを50代でやり直せるとは思っても見なかったので、とても嬉しかった。
母が倒れ、家の片付けが始まる。
母の家を片付けることがそのまま自分の人生を辿るような不思議なものだった。自分が子供のころからのものがそこにすべてあるのだ。
職場は十和田市に代わり、なぜか出勤するだけで弘前市の母の家がある故郷に1時間近づいているのが嬉しい。
金曜日に、十和田から弘前に向かい、土日、母の家を片付け、月曜日仕事場に朝帰りするという生活が、春から秋まで半年以上続いた。
その間、自分の家の掃除はしていない。
覚えて無いケド、悲惨な状況だ。
黒帯に聞いても、その時の記憶は無いという。
自分の家を投げうって、ここまで故郷に帰らなければならないものかと思ったけど、なんだかその時はそれが当たり前で使命のような気がしていた。
そして面白かったのは、私が親孝行をしようと思って弘前に向かう時はどんな酷い天気であっても、八甲田山は無事越えられたし、岩木山は輝いていた。自然や、すべては、お前のやっていることは正しいと、常にメッセージを送ってくれていた。
親孝行は、なぜか、宇宙的にすべて正しいと知る。
50代後半、通勤距離、車で往復2時間の十和田市から、自宅から10分足らずのキタキタ高校に、2度目の赴任。この学校と縁があるらしい。
全く、苦手な進路指導部。でも、何か自分の才能を生かせないかと思い、進路指導通信を出したり、漫画を描いたりする。
自分が、何か新しいことを創り出すってやはり授業なのかと思い、アート思考についての授業を作ったりした。
最後は図書館で活動できたのがとても嬉しかった。
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音楽を流し、花を飾り、殺伐とした毎日に何か潤いを!と図書館をそんな空間にしようとした。
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別に、それで利用者が増えたとか、目に見えた成果があったようには思わなかったが、自分自身が楽しく仕事をした。
仕事って、それが肝なんだな( ´艸`)
60代 仕事は終わったが、人生は続く( ´艸`)
今は、黒帯と毎日、如何に美味しいご飯を食べるかが最重要課題。
待て待て、本当は私の魂は何をしたいのか、考えている真っ最中。
自分がこの世に生まれてきた使命を知りたい。
こんな平穏な生活でない気もする。
人は「喜ばれる」ために生まれてきている。(小林正観)
ずっと仕事ばっかりしてきたから、自分のやりたいことをやって自分を満たし、そして溢れた気持ちで、世界に愛を与える、でいいかな?
魂占いという本で、私は自分と結ばれることが最も重要だと書かれてある。
自分と結ばれるって、なんだ?
私の魂は何をするためにこの世に生まれてきたのか?
わたしの魂の望みを知るまで、
河合隼雄で語り合おう✧♡
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