
退職の練習⑳大人の部活、始まるw
八戸市って、そばに階上岳って言う緩やかな山がある。
山に登らない人間なので今標高を調べてみたら740mだそうだ。
よく行っていた居酒屋のマスターの同級生が飲みに来ていた時、
「毎週、階上岳に登ってます」
という発言を聞いていた。マスターと同じ70代だったが、シュッとして若々しい。階上岳ってそんな毎週行けるぐらいの山なんだ?となんとなく記憶されていた。
私は弘前市出身で、いつも岩木山(津軽富士と呼ばれる)を見ていたせいか、八戸って山が無いよな?と思っていた。
しかし、この山に見えない、山じゃない岳があるのである。
牛が寝そべっているように見えることから臥牛山(がぎゅうざん)と呼ばれている。

うちのダンナが退職して、私がもうすぐ退職と言う時期に、若い時、よく集まっていた仲間で、1回、集まることにした。
これからみんなで何か面白いことしようよという発足の会だった気がするが、その中の一つの企画として階上岳登山クラブが発足したのである。
クラブ長であるシュウが、登山が好きな友だちがいて、時々一緒に登っているのだそうだ。その友達は、世界の山に出かけるために、日常的に階上岳を歩き、足腰を鍛えているらしい。
ちなみに、その仲間たちは私より7歳年上で、同じ学校の同窓生。
たまたま私が新米の教師になった時に、その同窓生のシュウと、私と同じ教科のマッツが同じ学校にいたのである。
その同じ学校の同窓生に、ちょこんと私と、ダンナが混じる形でこのグループができている。しかもウチのダンナとそのメンバーの一人は、バンドを組んでいた。不思議な縁である。
そんなline名のグループの中で、クラブ長のシュウが、呼びかけた。
20:33シュウ お天気次第だけど、階上岳に行けそうな日は
27日木曜28日金曜なんだけどな。本格的に登るんでなく
ても様子見でもするかな。
20:34 あやのん 喜んでいく行く!どっちでも善き!両方でも笑
20:34 あやのん ダンナ、すでに寝ました笑
20:35 シュウ 近づいたら、天気を確認して決行だね。
20:38 あやのん 部長!了解です💛
lineの人数は6人ぐらいいるけど、参加するのは3~4人っていうところかな?まだまだ働いているメンバーもいる。
登山決行の前日、雨が降っていて、次の日の登山が心配になり、lineしたら、うちのまわりが、八重桜が満開ってことで、取りあえず、集まって、珈琲飲んで桜見るかって話になった。
シュウとマッツと私とダンナで珈琲を飲んで、おしゃべりした。
そして、桜を観に、風の強い中歩く。
この小さな紫の花は何なのか?とかこの赤い葉っぱの出てる植物の名前は?とか、他人の庭からすでに散策は始まっている。
なんか、楽しい。
うちで珈琲飲むのも楽しいけど、なんか、外で、みんなとぶらぶら歩きながらおしゃべりしているのが楽しい。
帰り際、シュウが、
「じゃ、明日は、ちょっと階上岳に行ってみようか」と言ったので、
お?クラブ長は諦めてなかったと思った。
「天気もわからないから、軽く、ピクニックぐらいの感じで。
もっと遅い集合にしよう」
と言った。
私とダンナは、明日の温泉行はやめて、階上岳に行ったあとで、温泉に行くかと決めて寝た。次の日は、いつも通り起きて、私は歩き、9時半に、
シュウがやってきた。
ダンナの運転で階上岳に向かう。
うん、春のドライブだけで楽しい!
階上岳の中間の駐車場に車を止めて、そこから、ぶらりと歩いてみようか、と歩き出す。
歩き出した途端、前を歩いていた女性3人組とすれ違うことになった。
シュウが、
「リュウ!」とびっくりしたように叫んだ。
驚いたことに、シュウが師匠と仰ぐ、リュウが、2人の女性を案内するチームに出くわしたようなのだ。
さっきまで車の中で、師匠のリュウが、先日ネパールから帰ってきた話を聞いていた我々は、まさか今日、ここでシュウの師匠のリュウに会えるなんて!とびっくりしている。
シュウの師匠のリュウ達チームと計6人で、花をみながら、進むことになった!階上岳は、花の山として、有名なのだとシュウから聞いていた。
そのなだらかな歩きやすさと、気安さで、色々な花が観察しやすい山なのかもしれない。
いつも川べりを1人で歩いて、この植物なんていう名前なんだろう?と思いながら歩いている。

すぐ目の前に質問できる人がいて、色んな花を教えてくれる。
なんていうか、春の、新緑の山の中を、小さな花々を見て歩いてとても楽しかった。
しかも、山の中を歩く、カモシカも目撃した。
熊じゃなくて、ラッキーだったけど。
階上岳登山クラブ、4月の活動開始の日から、シュウの師匠のリュウと、カモシカに一度に会ってしまうなんて、どんだけ、山の神に祝福されているんでしょうか????

ちょっと自分の中に野望が生まれた。
この山を庭にしたい。庭と言えるように、ありとあらゆる登山道を歩きたい。この山の中を歩く時間、温泉に入るぐらい、カラダもココロも浄化された。温泉に入ることが、最も気持ちいいことだと思っていたけど、こんな、気持ちいいことも別にあるんだ。
山を歩く。
いい!とてもいい。
クラブ長のシュウと、シュウの師匠のリュウに、ついて行きます💖
そしていつかたった一人で孤独に
階上岳の中を縦横無尽に
走り回りたい大笑。
今日、出会ったカモシカみたいに。