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短歌もらいました⑭✧♡

 はい!毎日、短歌タイムカプセルから短歌もらいます💖
 245ページある本から、95ページまでもらったので、結構来たね( ´艸`)
 5分の2ぐらい来たってことでしょ?
 まだ半分も来てなかったか( ´艸`)
 短歌もらいました⑳✧♡には終わっているかしら?

 1人目の歌人。
 「斎藤斎藤」さん。このペンネーム、名字2つ連なってて、変( ´艸`)
 彼の短歌コーナーをテレビで観ていたなと思い出す。
 通勤時。美術教師は授業時数が少ないので、突然、他の学校にも教えに行け!みたいな乱暴な兼務校という制度があった。
 なんか、たぶん、文部省とか、美術教師とかどうでもいいんだと思う。
 私が校長だとしても、一番初めに首切るのはなんの役に立つかわからない美術教師だけど( ´艸`)

 その学校から学校に移動する時に、そのNHK短歌?の番組を見てた。
 それに出ていたのが「斎藤斎藤」さん。すいぶんふざけた名前だなあと思っていた。本人はニコニコして笑っている坊主頭の人だった。

 彼の短歌をまとめて2ページ読むと、やっぱり変だ( ´艸`)


短歌の画像


 心にす~っと入ってきたのを全部紹介したい。
 1972年生まれ。私のちょうど10年年下の、52歳。

雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁
「お客さん」「いえ、渡辺です」「渡辺さん、お箸とスプーンおつけしますか」
ぼくはただあなたになりたいだけなのにふたりならんで映画を見てる
アメリカのイラク攻撃に賛成です。こころのじゅんびが今、できました。

「渡辺のわたし」2004年(32歳)

 「ぼくはただあなたになりたいだけなのに」男の人も、やっぱり好きな人になりたいと思うらしい?それくらい好きってこと。
 アメリカのイラク攻撃は一首鑑賞されている!

(略)もっと軽い場面でも、言葉は口にしてしまえば取り消せないことに変わりはない。言葉に責任を持たねばならないのは、公人も私人も同じだという倫理観がうかがわれる。アメリカの政策や戦争について、他人事のように噂話をする日本人への皮肉もあるだろう。

(S)

こういうひとも長渕剛を聴くのかと勉強になるすごい音漏れ
低い方へすこしながれて凍ってる わたしの本業は生きること

「人の道、死ぬと町」2016年(44歳)

玄関です ここに鍵があって開けるんです 階段があって8畳、5畳
あそこに相当死体があるのではないかとわたしは思っています 瓦礫(がさもく)
三階を流されてゆく足首をつかみそこねてわたしを責める
撮ってたらそこまで来てあっという間で死ぬかと思ってほんとうに死ぬ
えーなんとか無事ですが 器物損壊などの被害が、津波が来るそうです

「証言、わたし」(「人の道、死ぬと町」所収)2016年(44歳)

 京都生まれとあるけれど、初めののり弁の歌から、いったい、何があったのだろうか?
 とても気になる。
 住んでいた場所が、津波のあった地域だったのだろうか?
 ・・・・・はい、宿題にします。


一面に花ひるがえりめぐりくる春を異性の息と思いぬ

佐伯裕子

 私は4月生まれの牡羊座で、意味不明に春が好きで春に狂っているので、この歌がピン!と来る。異性の息とはうまいこと言うなあ( ´艸`)


水槽の亀のピカソがその主の進歩史観をしづかに笑ふ

坂井修一

 元美術教師だけに亀の名がピカソに引っかかります( ´艸`)
 ピカソも近代絵画を開いたひとですが、その名の亀が作者の進歩史観を笑うというのは、歌を見る限り理系の作者の自嘲的なつぶやきを感じる。


風と名前をつけた木

風という名前をつけてあげました それから彼を見ないのですが

笹井宏之

 藤井風を知る前に選んだ短歌だが、ちょっと笑うね。





 次の歌人も一首鑑賞しようかと思っていたら、意外に、複数の短歌が心の中に入ってくる。私は平易な言葉に弱いのか。
 でも、彼の歌は世代も違うが、共感を呼ぶ。
 笹公人。1975年生まれ。現在49歳。年代と共に紹介する。

憧れの山田先輩念写して微笑む春の妹無垢なり
校庭にわれの描きし地上絵を気づく者なく続く朝礼
「ドラえもんがどこかにいる!」と子供らのさざめく車内に大山のぶ代
マンモスの死体をよいしょ引きずった時代の記憶をくすぐる綱引き
少年時友とつくりし秘密基地ふと訪ぬれば友が住みおり
むかし野に帰した犬と再会す噛まれてもなお愛しいおまえ
シャンプーの髪をアトムにする弟 十万馬力で宿題は明日

「念力家族」2003年(28歳)

修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ
君からのメールがなくていまこころ平安京の闇より暗し
浜辺には力道山の脱ぎ捨てしタイツのようなわかめ盛られて

「念力図鑑」2005年(30歳)

しのびよる闇に背を向けかき混ぜたメンコの極彩色こそ未来

「抒情の奇妙な冒険」2008年(33歳)

いい女、されどメアドのakachan-minagoroshi@に警戒してる西麻布の夜

「念力ロマン」2015年(40歳)

 可笑しい( ´艸`)
 歌集のタイトルも「ジョジョの奇妙な冒険」をもじってるし、ネタかな?と思うような可笑しさもある。あと、シャンプーで髪を立てること、今もたまにやるけど、たしかに始まりはアトムだった( ´艸`)
 
 なんだろう?この共感の嵐!
 同じ年齢のせいか、山ちゃんを思い出す。

 山ちゃんは、実は詩人で、作詞家で、私の冬の季語(←すごく寒くなる言葉)の師匠なのだが、やまちゃんが一記事一記事、短歌にして行ったらどうだろう?と、変なことを考えてしまった( ´艸`)才能が開花しそう!

 そして、この歌人の一首鑑賞も素晴らしい。
 素敵なので全文載せて、最後としよう!



修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ

笹 公人

観光名所めぐりもいいが、修学旅行の楽しみは旅館やホテルですごす夜だ。自分の部屋で騒いだり、夜中に他の部屋を訪問したり。少年は、風呂上がりの少女を見かける。いつも眼鏡をかけている真面目キャラの中村が、なんと今夜は眼鏡を外している!眼鏡の奥の目が、ちょっときついような気がして、今まで話しかけられなかったけど、中村ってきれいな目をしてるんだな。それに、近くで見ると、こんなにかわいい子だったんだな。ドラマや漫画だったら、ここから二人の関係が始まるのだろうが、短歌では少年がこのあと何事もなく日常に戻ってしまうことをほのめかして終わる。それでも少年は、彼女が眼鏡をはずしていたあのひとときを忘れはしないだろう。

(C)

 もう!
 まったく編者の千葉聡さんたら💖
 これだけで青春小説だ✧♡


 

千葉先生の一首鑑賞凄すぎ





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