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アーチストチャイルドクラブ✧♡

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さぁ、大人の本気遊びのはじまりはじまり。 80歳になっても100歳になっても、自分の中には小さな子どもがいて、大切にしてねって叫んでる。 大人になると毎日の仕事や世間体やいろんな…
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【読書メモ】『赤毛のアン』再読中⑨学歴とか就職とか

 受験シーズンです。  アンも受験をしました。プリンス・エドワード島では、地元の学校を出た後、勉強の出来る子は「クイーン学院」に進んで教員資格を取り、もっと勉強したければカナダ本土の「レッドモンド大学」に行くのが定番コースのようです(ヘッダーは、レッドモンド大学のモデルとされているカナダのダルハウジー大学)。  アンの子供たちも、6人いるうち上から5人までは同じコース。末っ子のリラだけはあまり勉強が好きではなかったようで、進学はしませんでした。  アンと少女時代に仲の良かっ

赤毛のアン『で』語り合おう①あいよぶ魂✧♡

 赤毛のアンシリーズを3巻まで読んだ。  読むきっかけになったのは、アーチストチャイルドクラブ(ACC)で共に活動するまりりんさんの記事。  ACCとは、成長するにつれ、親や教師の言葉で、自分のココロの奥底に閉じ込めてしまったアーチストチャイルドを、お人形に投影して遊ぶことで元気にしていこうという自分の本当の気持ちを思い出すクラブである。  まりりんさんが、幼き日はアンに感情移入していたが、今は、マリラの気持ちがよくわかると書いていたことが印象的だった。  マリラって、

赤毛のアン『で』語り合おう②✧♡

 赤毛のアンシリーズを次々と三冊読んだ。  ④アンの幸福  ⑤アンの夢の家  ⑥アンの愛の家庭  ④「アンの幸福」  ギルバートと愛を誓い合ったアンは大学を卒業したが、ギルバートが医者になるための大学に通学中なので、結婚まで学校の先生として働く話。  勤めた途端、アンが学校長というのは、驚くが、大学に行く女性や教師として勤める人々が少ない時代の話なのだろう。学校も学年がまたがり、1~2クラスしかなくて、校長と副校長がいるぐらいの、今でいう学年主任と学級担任がいるぐらい?

赤毛のアン『で』語り合おう③✧♡

⑦虹の谷のアン  私の大のお気に入りのミス・コーネリアが出てくるのが嬉しい。  すでに、結婚してして、ミス・コーネリアではないのだが、その名前で呼ぶ人の方が多い、という物語の設定w。  わかるわかる~💛  永遠にミス・コーネリアにの呼び名でいて!  アンの子供たちのお気に入りの場所。  虹の谷という名前をつけた遊び場。  そこに新しく牧師館に赴任してきた牧師の子供たちが遊び場にやって来て、アンの子供たちと交流を持つ。  モンゴメリーは、なんでこういう面白いストーリーを

赤毛のアン『で』語り合おう④✧♡

⑧アンの娘リラ  この8巻目で、アンの一家の物語は、一応、終了。  いったいどんな物語?    前回、予告した通り、第一次大戦が起こって、カナダからも志願兵が募集される。冒険や戦いの大好きな長男ジェムが自ら志願して、戦争に行くことを決める。アンは母としてそれを止めることができない。それはジェムの決めた自分の人生のことだからだ。  すでにこの文章を打つだけで頬を涙が流れる犬派の私( ´艸`)  うちのレオ君もすでに人間のかわいい小学生ぐらいの男の子になって、どこかに暮らして

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中①一体何冊あるんだ?

 昨年『赤毛のアン』を読み直したのをきっかけに、続きを読んでみることにしました。  でも、忙しくてついつい後回しに。この頃ようやく時間ができたのでシリーズ読破に取りかかることにしました。  よく行く図書館の児童書コーナーにポプラ社の「シリーズ赤毛のアン」が並んでいます。老眼&乱視の私には活字が大きくて見やすいこともあり、このシリーズを順番に借りて読んでいきました。  ところが、4冊目を読み始めた時に「あれっ」と思いました。婚約中のアンが高校の校長として過ごした3年間を描

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中②誰の翻訳で読む?

村岡花子訳  たまたま近くの図書館にあった、という縁で私はポプラ社刊の単行本で『赤毛のアン』のシリーズを読んでいました。  翻訳者は村岡花子。日本で初めて『赤毛のアン』を訳した人です。第二次世界大戦中に少しずつ翻訳したものが1952年に三笠書房から単行本で出版されたのが最初です。その後新潮文庫に入りました。  この村岡訳、実は全文が翻訳されていなかったことがわかりました。  そのことを松本侑子著『赤毛のアン論 八つの扉』(文春新書、2024年)を読んで知りました。  

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中③戦争とアンの子供たち

 アンには子供が6人、男の子と女の子が3人ずついます。  『アンの娘リラ』は、アンの一家が第一次世界大戦に巻き込まれる物語です。  歴史に疎い私は「第一次世界大戦にカナダなんて参戦してたかしら」なんて思ってしまったのですが、カナダは当時英国領だったため英国側として戦いました。  志願兵の募集(当時のカナダは徴兵制ではありませんでした)が始まるとアンの長男は率先して入隊します。  出征の時はみんなで駅まで見送りに。泣いたりすると顰蹙を買うので、人々は笑顔を装います。そんな

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中④最後の短編集

 『アンの想い出の日々』は、『赤毛のアン』シリーズ最後の作品集です。  15の短編小説と41篇の詩、そしてその詩についてアンの家族がコメントする部分から成る異色の構成。モンゴメリがすでに雑誌などに発表した短編や詩に手を加えて本にまとめたものです。  第一部と第二部に分かれていて、第一部は第一次世界大戦より前、第二部は第二次世界大戦が始まった頃までのこととして書かれています。日本では新潮文庫から翻訳が出ています(上下巻の境は、第一部と第二部の境とは違っています)。  原題 Th

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中⑤アンの好きな花

 『赤毛のアン』シリーズにはたびたび「メイフラワー」という花が出てきます。アンはこの花がとても好きなようです(古い村岡花子訳では「さんざし」。2022年に講談社から単行本で出た村岡訳の『赤毛のアン』改訂版では「メイフラワー」となっています)。  ギルバートは大学在学中、一度アンにプロポーズして断られているのですが、その時にアンに贈ったのはメイフラワーの花束。 訳註によると、メイフラワーの花言葉は「君だけを愛す」なんだそうです。  アンとギルバートは結局結婚するんですけど

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中⑥アンと、政治とか選挙とか

 アンが手違いでダイアナにお酒を振る舞ってしまったことがあります。「ラズベリー水」だとばかり思って出した飲み物が「カシス酒」だったのです。マリラが置き場所を誤ってアンに伝えていたせいなのですが、ダイアナのお母さんは娘を酔っ払わせたアンを許さず、アンはダイアナと遊ばせてもらえなくなります。  ダイアナのお母さんの怒りが解けたのは、ダイアナの幼い妹が深夜に急病で命が危なくなったところをアンが助けたのがきっかけでした。  なんでアンがそういうことになったかというと、その晩多くの大

『赤毛のアン』の世界を再現したテーマパークが昔あったらしい

 『赤毛のアン』の魅力のひとつが、プリンス・エドワード島の美しい風景。  例えば、こんな描写を読んでいると、私もプリンス・エドワード島に行ってみたくなります。  アンの育った家「グリーン・ゲイブルズ」もすてき。子供の頃は「こんなお家に住みたい」と憧れたものです。  「グリーン・ゲイブルズ」を始めとして、『赤毛のアン』の世界観が味わえる観光名所がプリンス・エドワード島にはたくさんあるらしい。  で、旅行会社のサイトをいくつか見てみました。たとえばこんなツアーがあります。

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中⑦ギルバートは頼れる医者

 アンと結婚したギルバートはお医者さんです。  最初に開業したのはフォー・ウインズという辺鄙な港町。アンとギルバートの新婚生活もこの地からスタートしました。新居の一室が診察室です。  電話一本で往診にも行きます。なんか、すごく忙しそうです。  よそからやって来た新米医師が信頼を得ているのは、腕がよいことに加え、もともとこの地で診療所を開いていたギルバートのおじさんが引退することになりそこを引き継ぐことになった、という事情もあるでしょう。  今の日本だと、内科とか小児科とか整形

【読書メモ】『赤毛のアン』再読中⑧マリラの変化とその後の消息

 この記事は引用が多いこともあって、わりと長めです。5,000字を超えてしまいました。お時間に余裕がある時にどうぞ。  ヘッダーは、1979年にフジテレビの世界名作劇場で放送されたアニメ『赤毛のアン』の一場面から。画面左のおばさんがマリラ・カスバート。アンの育ての親です。  参考までに、この春NHK Eテレで始まる『赤毛のアン』が原作のアニメ『アン・シャーリー』のマリラのお顔はこちら↓。どちらのキャラクターデザインも、厳格で神経質そうな顔立ちです。これらの絵には、マリラの性