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5: Edinburgh フリンジフェス参加の記録

フリンジおすすめショー

自分たちの本番のほか、フリンジフェスではめくるめく多種多様なステージが朝から晩まで開催されている。
至る所にボックスオフィスがあって、予約もできるし当日券があることも多い。
どこでもパフォーマーがチラシ配りをしていて、話す中で繋がっていく交流も。
印象的だったのは、パフォーマンス自体についてはもちろん、アーティストのバックボーンについてを積極的に宣伝するプロモーターの多かったこと。

街中にこれでもかと広告が出ているので、私は街でみかけて気になった広告のショーをみつつ、座組のみなさんのオススメのものにご一緒したり。

ポスターだらけのエディンバラ大学
街にもポスターいっぱい
大学に隣接した公園にも


私も含め、みなさん色々見て、当たりも外れもあり、そして同じショーを見てもそれぞれの感想やお気に入り具合が全然違うのが面白かった!
帰国に向かう空港で「観た中で何が一番好きだった?」という話をしましたが、みんなそれぞれで、それがまた素敵だった。

Barbaren Barbies

どうやら私の好みはニッチなものみたい。
私が一番好きだった「Barbaren Barbies」は
女の子ばかりのサーカス

ピンクの広告
舞台セット
ショーのハイライト

ホットピンクに真っ赤な照明、
カラフルな衣装、
たっぷりのパニエからボーダーの靴下を履いた脚をたくさん生やして蜘蛛みたいな脚でやるボーラーハットのジャグリング、
パンクでコケティッシュなブランコのり、
男装の麗人がスーツを着たまま金髪をほどいてロングヘアを振り乱すチャイナポール、
男性の格好でヒップホップを踊るダンサーが帽子や上着をどんどん脱いで下着姿になり美しいダンスを踊った途端に止められる音楽、
派手に胸とお尻を強調し女性ならではの悩みを盛大に打ち明けて皮肉るスタンダップ、
幕間には女性を無視して相手にせず男性同士でしか会話に加われない現実や、
幼児の自由さ、
自分がお姫様でいるために大して変わらない女同士が蹴落としあう様子など

可愛い可愛い可愛いを売りにしたビジュアルと、醜くてドロドロなくせに悲しくて美しい哲学が大好きで、リピート観劇しました。
初めてみたときに、すごく心にプスっと来たのだけど、サーカス自体が元々好きなのもあり、他のサーカスも見る中でなにがそんなに刺さったのかと気になって再度観ました。

ショーの題材そのものが好きだった。

私の好きな言葉はこのふたつ。

「女の子ってなにでできてる?  お砂糖とスパイス、それから素敵なもの全て」 マザーグース

「あたしの右の翼はあたしの苦しみです。あたしの左の翼は革命です。あたしが飛ぼうとすると、このさむい空の上から心臓までまっすぐにオモリを垂らそうとするのは誰ですか?
あたしは、いつかは飛ぶのです。ここより高い場所がきっとある。」 寺山修司

可愛くて醜い少女性がすき。
苦しみにもがきながら飛ぼうとする女が愛しい。

三つ子の魂百までだし、もう一生これで生きてやろうと思います。

フープ&ホイールのフィンランドガール
表情の演技が可愛すぎた!


他にもたくさんのショーを観ました。

ストリート

我らがGABEZさんをはじめ、街中至るところでストリートのショーをやっています。
大道芸が多い印象ながら、スタンダップや音楽も。
毎朝抽選会があって、場所や時間などをクジで決めるそう。
GABEZさんも毎日朝早くから抽選会へ通っていました。
雨の日も多かったけれど、たくさんの人が立ち止まって観ていて、子供達もいっぱい!

呼ばれて飛び出る可愛いキッズ

YOAH

日本から、交流もさせていただいた「YOAH」
シルク・ドゥ・ソレイユのキダムを彷彿とさせる、演劇的かつ幻想的なサーカス。
素晴らしいパフォーマーの皆様をはじめ、チームでCHALLENGEにもお越しいただきました。
日本にこんな素敵な人達がいるんだな、ととても感動しました!

スタイリッシュなYOAHのポスター

ROUGE

CHALLENGE座組でも人気の高かった「ROUGE」
セクシーでダイナミックで完成度が高く、大人のエンタメ。
ひとつひとつの技術が素晴らしく、とても見易い構成で飽きさせない。
フェティッシュでハイクオリティなサーカス。必見だと思います。

ポスターのイメージそのまま!

Murder, She Didn't Write

時間があればもう一度観たかった「Murder, She Didn't Write」
お客様からのお題で内容が変化する、インプロ芝居。
殺人事件の起こるシチュエーションや被害者、加害者、死因などが毎公演ランダムで、とにかく照明の使い方がうまい。
英語がわからないのに会話劇はどうかな、と思ったけれど、UKの役者さんの台詞は思った以上に聞きやすく、私の中学生以下程度の英語力でもある程度理解して楽しめました。
が、英語ペラペラなスタッフさんたちにオススメしたら、「全然聞き取れなかった!」そうなので、意外と「考えるな!感じろ!!」系なのかもしれない。
私はめちゃくちゃ面白かったです。

このポスターを見て絶対に行こう!と思った


他にも、見世物小屋よりのサーカス、伝統の民族楽器をメインにしたアフリカンサーカス、スタイリッシュなアクロバット、小劇場ミュージカル、ダンス、ブックレビューなど、いろんな演目を観て、みんな本当に楽しかった!

The Royal Edinburgh Military Tattoo

また、フリンジとは違いますが、エディンバラ城の門前で開催される、「ミリタリータトゥー」もみんなで拝見しました。
バグパイプや管楽器のマーチング、アイリッシュダンスに歌に花火。
昔の王様とか貴族とかってこんな景色を見ていたのかな、と想像させる、見事なショーの一言!

お城をバックに圧巻のショー

たまたまその日は雨風が強く、スタジアム内は遮るものも屋根も無くて(おそらく)傘も禁止のため、これから観られる方はこれでもかとがっつり防水防風防寒しておいて損はありません。レインコートは必携です。
入場までには荷物チェックなどもあり、大行列に並んでかなり長く待つことになります。
途中のお土産ショップには裏起毛のフーディなども売っていて、着ている人も多かったです。
お値段なんと£50。いちまんえん。
デザインは可愛いです。

つづく。

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綾野アリス
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