斑釉を求めて
理想の釉薬の探求は陶芸家にとっては永遠の探求に近い。
私が今追い求めているのは、
ウズラの卵やダルメシアンのようにはっきりと際立つ黒い斑点
ランダムな柄の出方が美しい。この柄を陶芸に反映するため調べた
話をする。(ほぼ備忘録)
そもそも釉薬ってどうやって出来てるの?
化学の授業と陶芸を掛け合わせたら子どもたちのやる気はあがると思うね。
それはそうと、私の求める斑は「ダルメシアンに似た釉薬」なんて
調べても出てこない。
以前御深釉に近いものを見つけて購入したけど、焼成してみると赤い斑が小さくうっすら、、イメージとは遠い結果に。
斑を求めて釉薬の探求をしていると、唐津焼から伝わる斑釉というのを発見
斑釉とはーーーーーーーーーー
「斑」と呼ばれるのは、粘土に含まれている鉄分や燃料の松灰が器の肌に溶け出し、青や黒の斑点が現われることからです。よって白い肌と斑とのコントラストや斑の濃淡などが最大の見どころといえます。
斑唐津というのがあるようだ。
しかし、斑唐津もなんか違う
どうも唐津に伝わる斑とは、土の中に含まれた鉄分が焼いたときに土から染み出し、表面の釉薬に表れるものらしい
釉薬と交わり流れを生み出すことが前提のようで、私が求めているはっりきとした斑ではない。
さらに調べていくと、「うずら色化粧泥」というものを発見した。
これは近い!
滋賀県の丸二陶料株式会社さんが販売しているうずら色化粧泥シリーズは、化粧土だけど、釉薬感覚で素焼きに施釉できる手軽さ、加えて重ね掛けをしても化粧浮きがしにくいそう。
焼成温度も1160℃から1250℃で汎用性の高さがすごい。
〈うずら色化粧泥 白2500ml4,840円〉
うずら釉で検索していくと、似た好みの人を発見。
へー。市販のものは御影斑点剤が含まれているんだ。新しい知識を得た。
そういえば、御影土は昔使っていた。粗目の黒い土で形成がしやすく、電気窯の酸化焼成でもそれなりに味のある雰囲気を出してくれる好きな土だった。
その、御影土ならぬ、御影斑点粒を見つけた。
土に混ぜれば黒い粒が現れる。写真をみると、上にかける釉薬で
斑の大きさが変わるよう。透明釉との相性が抜群だ。
もう一つ回答にあった、雲母砂。
粘土に対し0.5~1%程度を混ぜる。釉薬への添加も同等の斑点が出る。
みると、これもまた捨てがたい。
やわい色合いで、土に練り混むだけでは斑がすくないものの、透明釉に添加すると斑が際立ち相性はいい。えーしかもちょっとまって、色んな釉薬でこんなに柄の出方が違うの沼すぎ。
そもそも、御影土と雲母って何が違うんだろう。
御影土とは、珪長石粒や雲母を混ぜ合わせ、御影石調に、斑点の入る様にした、粘土です。
そもそも、御影斑点粒=雲母ということか。なるほど。
みんな大好きヒューステンも調べてみた。
ここならあるだろうという淡い期待むなしく、デザイナーズSP釉にも
斑点という意味では近いものの、イメージとは違うものしかなかった。
唐津の斑釉から始まり、「うずら釉」の探求に着地したが、
理想の釉薬はまだ見つからない。(あくまでも釉薬の探求)
雲母を透明釉に添加するのを試してみようと思うが、
うずらのような柄を求めて、釉薬の探求は終わらない。
それがまた楽しい。世界中を見て回って釉薬を集めたい気持ち。