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訪問去勢ステーション『ふれあい』2軒目

ピンポーン🎵
「こんにちわー🎵ふれあいでーす🎵」
「あ、はーい❗」
チャイムと共に挨拶する女の声に、洗濯物を畳んでいた主婦は、スリッパをパタパタと鳴らして玄関へ急いだ。
ドアを開くと見慣れた白衣の女、訪問去勢・看護を依頼している看護婦が立っている。


「どーもー🎵」
「ごめんなさい、遅くなりまして💦」
「いいえー🎵」
と主婦は首を振る。
「急にオペになっちゃった子がいまして💦今、手術帰りで私だけ降ろしてもらったんですけど、みんなはステーションに戻って、術後の処置と明日の準備でてんやわんやなんですー😅」
「うわー、緊急手術ですか😲大変ですねー❗」
「まあ、私は基本、オペでも外回りですから、ラクですよww患児の方が、ちょっとかわいそうな子なんで、気をつかいますけど」
「色々、大変な子がいるんでしょ?うちのかなめは大したことないですから、後回しでいいんですよーww」
「そんなわけにいかないですよーww要くんも、患者さんですからーwww」
「ホントにすいませんねえ💦ちょっと、要ー❗️ナースの井上さん来たわよー❗️」
玄関先の立ち話で盛り上がっていた母親は、訪問看護の当人である患児に呼び掛けた。
「はーい❗」
と奥から、なげやりな返事がする。出てくるつもりはないらしい。
「看護婦さん来てるから、早く来なさいよ、まったく……」
「あはは😄」
「どーぞ、上がってください」
「お邪魔しまーす」
母親に促され、井上看護婦はスリッパに履き替えて玄関に上がった。見慣れた廊下を進むと居間がある。
その居間から、ぴろぴろ、じゃじゃーん、と音がする。
「要くーん?看護婦さんよー?」
「あ、うん、こんにちわ❗」
居間の大きなTVでゲームに熱中していた少年は、画面から目を離す事もなく、上の空で挨拶する。
「あのねえ、要❗️」
「分かったって❗もうちょっと待ってよ❗」
「井上さん、手術してきて忙しいんだから、早くしなさい❗」
手術というワードに、びくり、とした少年は、漸く画面から目を離して看護婦を見やった。
「ごめんね、遅くなっちゃって💦」
「う、うん……手術したんだ」
「そーなの😄手術は簡単なんだけど、点滴のお薬とか色々ね、そっちの方が大変なのよ😁」
なるべく、手術を怖がらせないよう、不安にさせないように、看護婦は話を有耶無耶にする。
「ふーん……」
「ごめんね、ゲーム中🎮️」
「今、あと少しだから、待っててよ❗お願いっ❗」
「要っ❗」
母親が眉間に皺を寄せるが、
「大丈夫ですよ😄私、今日は、要くんで最後ですから😉それに、迎えに来てもらわないといけないし🚗」
「看護婦さん、ありがと😆大好き😘」
「まったく……」
調子のいい我が子に頭痛を催す母親をよそに、看護婦は少年の隣に腰を下ろした。
「これ流行ってるの?」
「そーだよ❗看護婦さんしらないの?」
「しらないなぁ………」
画面では、ファンタジー風のキャラクターが、剣を振り回してモンスターと戦っている。
「このボス超強くて、クラスメイトみんなやられてるんだ❗」
「ふーん……勝ったらみんなに自慢できるね👍」
要の操作するキャラクターが、怪物の腹を斬りつける。
一応の血飛沫のエフェクトはあるが、それも一瞬で、出血はなく、腹壁が裂けて臓器が露出したりもない。武器がなまくらなのだろうか?と一瞬、疑う。
あれで切れるのかしら?
メスの方が切れるのに、などとぼんやり思いつつ、
「がんばれー👏」
と看護婦は声援を送りつつ、
少年の股間に手を伸ばした。
少年のおむつの股間へ…………

「ちくしょー負けた😭あとちょっとだったのになー😭」
「残念でしたーww」
少年は自室のベッドに横たわり、看護婦におむつを開かれていた。

【早期自慰中毒症】
早くに自慰に目覚めた男児が、過度に性器を刺激し続け、様々な合併症を招いてしまう疾患である。幼児の絶頂は、ドライオーガズムの為、再現なく快楽が訪れる。その為、1日に何度も何度もしてしまう。30回という症例すらある。当然、陰部に炎症が起きて腫れ上がったり尿道から出血する事となる。また、尿道が弛み、感覚も麻痺して失禁しやすくなる。更には、精通が早まったり、家庭や学校でのトラブルにも繋がる。
行為が行為なだけに、両親が厳しく咎めてしまい、患児はそれがコンプレックスとなり、内面の問題を抱える傾向が強い。

要少年の場合、なんと7歳から自慰にふけりだし、9歳で外出先でもするようになり、両親に発覚。幾度か通院した後、在宅でケアする事となった。現在11歳なので、『ふれあい』とは2年の付き合いになる。

「じゃあ、ぺったん外すねー❤️」
看護婦が少年の陰茎に貼られたテープを剥がしていく。
自慰防止の為に、亀頭を露出させテープで包皮を固定し、その上でおむつをさせている。しかも二重に。
強すぎる刺激に、患児は陰茎に触れなくなるし、触れたとして分厚いおむつ越しなので、子供の力では慰めにならない。学校にもおむつで通学しており、排泄はそのまま、保健室の養護教諭か、帰宅後に両親がおむつ交換をしている。訪問看護は3日に1度である。

「おしっことうんちはどう?」
おむつは殆んど汚れていない、
「うんちは今朝、ママに替えてもらった。おしっこは学校で保健の先生がやってくれた」
下手をすると学校でも自慰をしかねない要少年については、担任も、養護教諭と、クラスメイトにも相談し、協力してもらっている。恥ずべき事ではないし、当然の事でもある。
彼が悪いのではない。
病気が悪いのだ。
「じゃあ、するよー💕」
「…………」
看護婦は手袋を嵌め、少年の陰茎を掴んだ。
ゆっくりと、
看護婦の手が上下する。
「…………」
しゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっ、、、、、
陰茎は硬さを増していく。
2年前、おむつ越しに擦ってしまう為、挿入・留置していた自慰防止のカテーテルは、もう必要ない。少年は、どうにか自慰を我慢しているし、3日毎の性処理にも嫌がらず、素直に陰部をさらしている。
2年間の信頼関係がなせるわざであった。
「痛くない?」
「……うん……」
しゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこしゅこ、、、、、、
まだ精通も何もないので、陰茎を刺激したところで、なんの分泌液もない。初めは潤滑剤を使ったが、今ではお互いの匙加減さじかげんが知れているので、特に必要もない。というか、潤滑剤にかぶれたり、陰部洗浄が必要となるので、手数なのもある。
「気持ちいい?」
「……うん……」
じゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこじゅこ、、、、、、、
赤くなるほどに硬度を増し、血管を浮かべた陰茎が摩擦される。
3分?
いや、5分は経ったか?
「あ……うっ……❗️❗️」
少年が痙攣した。
脚を浮かべ、爪先がぎゅっと固くなる。そして、
「う、んっ……❗️❗️」
少年は看護婦の胸にしがみついてきた。
何時からか、絶頂を迎えると、要は抱きついてくるようになった。井上看護婦はそのままにさせている。
小児のオーガズムは、恐怖感、虚無感、罪悪感が強い。
怖くなって、人肌を求めるのも無理はない。
「ふぁ…………」
ぶるんぶるんと陰茎が震えるが、当然、今日も分泌液はなく、たちまち萎み始めた。
ちっちゃな、
可愛らしい陰茎。
あんな凶暴な姿になりさえしなければ、手術せずに残してもいいのに…………
看護婦は少年の不条理な運命に嘆息した。

「ねえねえ、井上さんさぁ」
「んー?なぁに?」
少年を苦しめる懊悩を緩和する性処理が終わり、膀胱洗浄の準備をしていると、ベッドに横たわったまま、要が声を掛けてきた。明るい、快活な子だが、普段は、オーガズム後はナイーブになって黙っている事が多いので、少し意外に思う。
「僕も手術するんでしょ?」
直球がきた。
小児泌尿器科の看護婦をしていると、一番困る質問であり、必ずされる質問である。
「うん、そうだよ」
誤魔化してはいけないが、恐怖を煽るのも良くない。
看護学的には、さらっと、しれっと、簡潔に答えて流すのがベターとされる。下手にあれこれ言って、怯えさせる事もあるので、時には答えない方が良い事もあるのだ。
「やだなぁ😞」
「あはは😄」
百人中、百人の子がそう言う。当たり前であるが。
当人には深刻だろうが、微笑ましくもある。
「痛くないとは言わないけど、手術はすぐに終わっちゃうよ🎵」
「うーん……痛いのは我慢するよ、僕」
意外な事を言った。
「へー❗偉いね❗」
「ううん、痛いのやだけどさ、それは何とか頑張るよ。だってさ、こんな変なキモチになるの、うんざりだし」
「…………」
強すぎる自慰の衝動を言っているのだ。
激しい性欲に襲われ、自分が自分でなくなり、ところ構わず事に至る。そして、絶頂を迎えれば、メランコリック。少年はそれに辟易していた。
もう少し大きければ、抑制剤を使う事も出来るが、まだ小学5年生は幼すぎる。これから思春期に入る子に用いるべきではない。その判断から、こうして訪問看護に落ち着いたのだった。
「手術の痛いのは我慢するけど、でもさ」
「でも?」
「……なんでもない……」
と口をつぐんでしまう。
あまり追求するべきでもないな、と思い、看護婦は滅菌水の入った注射器シリンジ💉とそれに接続されたカテーテルを用意した。


「要くん、それじゃ、お腹の中キレイにするねー🎵」
「はーい……」
この子は強い。
2年の闘病で大概の処置に耐えれる根性がついている。それは必ずしも良くはないが、処置する側としては助かるのは助かる。
「……よーっと」
看護婦は少年の尿道口からカテーテルをそろそろと挿入していく。
痛いだろうが、少年は目をつむって我慢している。
瞬く間に膀胱へ迫った。
「お腹に入るよー🎵」
「さあこいっ❗」
「あはは😄」
コックとなった前立腺に包まれた膀胱へとカテーテルを押し込む。固い手応えが少し続き、それは広い場所へと到達した。膀胱である。
「いっでー……」
「ホントえらいよね、要くんは😄」
「ご褒美ちょーだい」
「あげませーんww」
ピストンをゆっくりと押していく。
膀胱が膨らみ、鈍い痛みに少年は顔をしかめる。
「我慢ねー🎵」
「オッケー……」
全て注入した。
「管抜くよー🎵」
ずずずず、とカテーテルを引き抜く。
これはこれで痛いだろうに、少年は我慢している。
抜去すると看護婦は少年の陰茎に尿器をあてがった。


「はい、どーぞ🎵」
「おっしゃー」
ちょろ
ちょろろ
ちょろろろ
滅菌水が尿器に排出されていく。
これで一連の刺激や、おむつ生活で汚れた尿道も清潔となる。
「ねえ」
と再び少年。
「なにー?」
尿器で受け止めながら、少年を見やる。
「井上さんさぁ……」
「うん?」
「その……あ、井上さんてラブって言うんでしょ?」
「な、な、な、何でそれを!?」
「こないだ、ママとお母さんが訪問の契約更新する紙書いてた時に“担当看護婦 井上ラブ”って書いてあったの見ちゃったwww」
ゲラゲラと少年は笑う。
「やめてよ、恥ずかしい😳下の名前、嫌なのに😭誰だろフリガナふったの💢」
「芸名とかじゃないよね?ペンネーム?ナースネームってあるの?」
「そんなのないよ💨」
「じゃあ、ホントにラブって読むの?」
「……そーだよ😳」
「2年間知らなかったwww」
「もう❗️だからヤなのに❗️」
少年は笑い、看護婦はぷりぷり怒っているうちに、排尿は止まった。
「全部出たー?もう出ないかな?」
「うん。出たと思う」
陰茎を尿器から抜き、アルコール綿で尿道口を清める。
「よーし、ぺったんしよう🎵」
「もうしなくていいけどなぁ」
「ダーメ❗」
看護婦はペアン鉗子を手にすると、少年の包皮を挟み込む。すっかり小さくなったそれをずるずると、剥いていく。


「う~……これが一番いってー❗」
「だよね、ごめんねー❗️」
ペアンで包皮を把持したまま、亀頭を清めていく。
入浴はしているが、それでも恥垢が皮の付け根についている。
「あのさ……」
三度、要は切り出した。
「なに?何でも言って?」
これは何かあるな?と思い、看護婦は手を止めて少年の顔を覗き込む。
「手術になったら入院だよね?」
「んー……在宅でも大体は出来るけど、入院したくないならこのお部屋でも、手術できるよ?ただ、もしもはあるから、一応、入院の準備はしといた方がいいかな」
「そっか……そうなんだ」
「うん。うちのステーションがお願いしてる藤原先生って小児泌尿器科の先生が来てくれるよ🎵」
「そうなの……ねえ、あのさ」
「うん」
「僕……」
「うん」
「井上さん……ラブって好きだよ、僕。かわいいと思う」
「そう?ありがと」
「僕、好きだから……ラブお姉ちゃんに、手術してほしい」
少年は、
告白した。
「へ?」
「手術で、ちんちん切ったら、もう会えないんだよね……」
「え?あ、まあ、そうだね……」
「なら、最後に、手術はお姉ちゃんにしてほしい。お姉ちゃんにちんちん切ってもらいたいんだ」
「…………」
患児の告白。
小児泌尿器科の認定看護婦は、医師の指示があれば去勢手術等が行える。とは言え、認定看護婦は少なく、井上看護婦もそうではない。
「えと……」
なんと答えたものか。
「うーん……私は、その、認定看護婦ではないから、手術は出来ないんだよね、うん、ごめんね」
「そうなんだ……」
しょんぼり、と少年は顔を背けた。
「ごめんね、じゃあ、テープで止めるよ」
看護婦は少年の包皮をテープで固定し、その作業に没頭した。没頭する事で、先ほどの難しいお願いの答えを見つけようとした。

「はい、おむつキレイキレイねー🎵きもちいい?」
「うん……」
全ての処置を終えて、真新しいおむつをさせたが、少年の顔を曇ったままだった。
「手術やだな……ずっとこのままでいたいよ。ずっとお姉ちゃんに、訪問看護にきてほしい」
まれにいる。
看護婦依存、入院依存とでもいうべき患者、そうなってしまった患者が。
俗にナイチンゲール依存症候群と呼ばれる。面倒を看てもらう、労ってもらうのに慣れてしまう、甘えっぱなしになって、抜け出せなくなる患者の事である。無理もないのではあるが、困るのも間違いない。酷いと、わざわざ具合が悪くなるような事をしたり、仮病(利益目的の詐病さびょうとは異なる)をつかう患者も存在する。一種のミュンヒハウゼン症候群とも言えるが。
退院したくない、ずっと入院していたい……甘えでもあり、ナースへの思慕でもあり、社会復帰への恐れが原因だろう。
はっきり言って、どうする事も出来ないので、淡白に接するのが基本的な対処とされる。
「……それは出来ないかなぁ。患者さんが元気になるお手伝いに来てるからさ、要くんが手術終えたら、もう私たちは必要ないし、必要にならない方がいいんだよ」
と看護のマニュアルに則った言葉を返した。要は、一種のナイチンゲール依存に間違いない。
「分かってるけど……」
「もう、コラッ❗」
看護婦はペアン鉗子を突き付けた。

「わがままな子は、ホントにずっと入院しなきゃいけないように、ちんちんねじ切っちゃうからね?」
「そ、それはやだ😨」
「分かったなら、いい子にしましょー❗」
「はーい😖」
いつもの訪問のルーチン、全ての処置を終え、使った器具・包材を片付けていく。要少年のケアは簡単なものなので、大した用意も必要ないし、看護婦一人で事足りる。この2年あまりを、大抵が井上看護婦一人でこなしていた。
彼の成長を見てきたし、彼女の思い遣りに包まれてきた。
そしてこれからも、、、、、
「まだまだ精通はこなさそうだし、手術は早くても来年くらいじゃない?同級生できた子いる?」
「ううん、まだ誰も」
「でしょ?普通に考えて、中学生になってからが殆んどだよ🎵」
「そっか……じゃあ……」
まだ、
患者でいられる。
「これからも僕の看護婦さんでいてね」
「…………」
それはナイチンゲール依存には、違いないのだろう。
だが、それだけではない。
恋愛感情に似る。
しかし看護婦と患者という、恋愛とは異なる異質な関係性、もしかしたら、恋人よりも深く強い関係性かもしれない。
「そうだね🎵要くんはまだまだ患者さんだよwww」


それから2年────────

「いくよー❗」
「う、うんっ」
迫りくる恐怖から涙を溢して、要少年は、自室のベッドで股を開いていた。そのぷっくりとした陰嚢、精巣へ井上看護婦が手にした去勢鉗子が迫る。

ひんやりとした感触

精巣上体部が挟まれ

徐々に力がこめられ

鈍い痛みは

猛烈な痛みになっていき

変形した精巣が潰れていく

“ぐっぢゅ”

「っぎぃっ」
「痛いね、ごめんね」
「ううっ……っ……ぁぁ……」
去勢鉗子の牙が突き立てられ続ける。
看護婦の手が緩まる事はない。
がっちりと金属のあぎとで、少年の精巣を噛み砕き続ける。
「うう~っ……っっ……」
あまりの激痛に少年の足がバタつくが、それは拘束の必要のない程度だった。四肢も縛ってはいない。
「……はい、おしまーい、と💕」
一分あまりも右精巣を挟み潰し、看護婦は漸く去勢鉗子を外した。陰嚢が赤黒く鬱血している。
「い、いっでぇ~😭」
ぼろぼろ涙を流しながらも、少年は耐えた。
「えらーい、要くん💕よく我慢できたねぇ❤️」
失神もせず、泣き叫びもしない。心の底から、看護婦は患児を称えた。こんな子はまずいない。
「うう……超痛いよ……こんなに痛いと思わなかった😭」
「えらいえらい❤️」
「……うん……ラブお姉ちゃんに去勢してもらえるんだから、夢が叶ったんだもん。我慢するよ」
脂汗を浮かべつつ、照れ臭そうに患児は笑った。
この2年間で、井上看護婦は認定看護婦の資格を取得していた。去勢手術が行える。
そうして精通のきた要少年は、在宅での去勢を願ったのだ。
在宅故に、一度で全ての処置をする訳ではなく、幾度にも分けて、少しずつ処置をしていく。ある意味、病院に入院して行うより、辛いだろう。苦痛の回数、期間はずっと長くなるのだ。
患児はそれを選んだ。

「おしっこの管入れるねー🎵」
「りょーかーい……」
すっかり小さくなった少年の陰茎に膀胱留置カテーテルを挿入していく。
「痛いでしょー?ごめんねー💦」
「すげー痛い……けど、ラブお姉ちゃんにしてもらうなら、我慢できる」
「…………」
来週には左精巣の挫滅、再来週には右精巣の摘出、続いて、左精巣の摘出、陰茎切除と続く。そして医師の手により埋没法による膣形成を行う。
その後はリハビリの日々が…………
これから苦痛との戦いが始まる。
「ラブお姉ちゃん、これからも僕の看護婦さんでいてね。お姉ちゃんにしてもらうなら、どんなに痛くても我慢できるから、ずっと僕の看護婦さんでいてね」
患児は告げる。
愛の告白を。
「うん」
看護婦は微笑んだ。
「看護婦さんがずっと傍にいるから、頑張ろうね💕」

訪問去勢ステーション『ふれあい』は、子供たちのすこやかな成長と性転換の為に、患児とのコミュニケーション、まさしくふれあいを大切にしております。
様々な疾患、問題を抱えた患児に寄り添い、ご家族の一員のように近しい存在となれるのなら、私共、訪問看護婦は幸いです。
自慰がやめられない、
頻繁に勃起してしまう、
病院を嫌がる、
それをつい強く叱ってしまう、
また、男児の去勢だけでなく、女児の性欲過多や初潮に関する相談・ケアも致します。
お子さんについてのお悩みはどんな些細な事でも構いませんので、どうぞ、お気軽にご相談下さい。


次はあなたのお家に伺いましょう💕


(了)

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