
個人的に愛用しているAIツール5選👑
ここ1年ほどで優れたAIツールが次々と登場し、作業効率が上がったことを日々実感しています。ただ、私自身のAI活用は、最初から順調だったわけではありません。世の中には数え切れないほどのAIツールが存在し、何のタスクにどのツールを活用すればいいのか、選び方に戸惑いました。
多くのツールを実際に使って検証した結果、今はいくつかのお気に入りに落ち着きました。幸い、今回ご紹介する5つのAIツールは、1つ(Claude)を除いて全て無料プランの範囲内で十分に活用できています。そこで今回は、私が実際に使ってみて「これは便利!」と実感している5つのAIツールについて、具体的な活用シーンと併せてご紹介したいと思います。
1. 高品質な文章作成AI『Claude』

■ツールの特徴
ChatGPT、Gemini、Claudeという3大LLMの中で、特に日本語の文章作成のクオリティが高いのがClaude(クロード)だと感じています。より自然で論理的な文章を生成でき、会話も丁寧で好感が持てるので愛用しています。無料版でもお試しいただけますが、使い込むならProプラン(月額20ドル)がおすすめです。私も6ヶ月以上Proプランを継続しており、特にProプランのClaude Projects(特定のタスクに特化したAIアシスタントを作成できる機能)が気に入っています。この機能では予め情報をインプットしておくことで、特定の作業用に最適化されたAIアシスタントを作成でき、毎回細かい指示を出す手間が省けます。

■私の活用法
メールの返信文面作成や、議事録作成、情報収集時の要約など、ありとあらゆる文章作成シーンで活用しています。たとえば「note記事作成」Projectを用意して、効率的にnote記事を執筆しています。このProjectには、私の過去記事データや発信スタイル、ターゲットなどを学習させており、今回執筆する記事テーマを伝えるだけで適切な目次案を提案してくれたり、各章の要点をもとに文章を書いてくれたりします。

▼「note記事作成」Projectに予めインプットした内容
私は「Ayano@業務改善を愛する人」というペンネームで、
業務改善にまつわる考え・経験・学びを綴るブログを運営しています。
プログ記事の章立て、本文、タイトルの作成を手伝ってください。
#今回執筆するブログ記事のテーマ
都度指定します。
#今回執筆するブログ記事の章立て(構成)
都度指定します。
もしくはお伝えしたテーマをもとにあなたに考えてもらいます。
章はできれば1階層、最大2階層に収め、1・2階層の合計が9項目以下になるようにしてください。
#今回執筆するブログ記事の本文作成
・先に、私に章立て(構成)の確認を取ってから、記事作成を進めてください。
・記事作成にあたっては、添付した過去記事のトーン&マナーに揃えてください。
・記事全体の文字数は、2,500~5,000字にしてください。
#今回執筆するブログ記事のタイトル
・本文完成後に、タイトルを提案してください。
・「過去の取り扱い記事タイトル」を参考に、体裁を揃えて24文字以内で考えてください。
・最低5案提案してください。
##過去の取り扱い記事タイトル
業務改善note始めます!
・・・(中略)・・・
DXとBPRへの分類で読み解く🔍AI活用事例
#参考情報
##私のプロフィール
これまでにマーケティング職として4社に勤めてきました。
マーケティング職ではありながらも、常に業務改善に努めてきました。
「業務改善が大好きで業務改善の良さ・楽しさを世間に広めたい人」の立場から、
業務改善にまつわる考え・経験・学びを発信するスタイルで書いてください。
##ターゲット
中小企業~大企業のホワイトカラー職種の人
業務改善の専門家ではなく、マーケティング、人事・広報、営業、事務職などの業務の傍ら、
自分やチームの業務を効率化したいと考えている一般社員や管理職
ほぼ毎日、何かしらでClaudeを使っているので、月額20ドル(約3,000円)は十分ペイできていると思います。
2. インプット効率化AI『YouTube SWC』

■ツールの特徴
YouTube Summary with ChatGPT & Claude(通称:YouTube SWC)は、YouTubeの動画を自動で文字起こしと要約をしてくれる無料のブラウザ拡張機能です。ChatGPT、Claude、Mistral AI、Geminiなど、複数のAIを活用して動画の要点を正確に抽出します。
ブラウザに拡張機能を追加した状態でYouTube動画を開くと、動画の右側に「Transcript & Summary」のプラグインが表示されます。SummaryタブでAIモデルをクリックすると、そのAIモデルのページに遷移し、要約文を出してくれます。もしくは、Transcriptタブの右上のボタンをクリックして全文をコピー取得したうえで、ClaudeなどのAIにフォーマットを指定して要約をしてもらう、といった使い方もできます。

■私の活用法
主にAIの最新情報のキャッチアップに活用しています。YouTube動画を見る際は、まず要約文から全体像を把握し、有益な情報だと感じたら視聴するようにしています。また、動画視聴時のメモ作成も効率化できます。私の場合、Transcriptタブからコピーした全文をClaudeに渡して要約してもらい、それをメモのベースにします。
以下の動画スクリプトを、最大2階層までの箇条書きで構造的に要約してください。
文体は「だ・である調」で書いてください。
{Transcriptタブからコピーした全文を貼り付け}
その上で動画を視聴しながら気になった点を追記していく方法を取っています。同じフォーマットで要約してもらうことで、複数の動画から得た情報を見やすく整理でき、YouTube動画からの知識のインプットスピードが格段に上がりました。
3. 情報収集サポートAI『Genspark』

■ツールの特徴
Genspark(ジェンスパーク)は、Web上の情報を収集・分析してくれるAI搭載の情報収集ツールです。競合ツールとしてPerplexity(パープレキシティ)やFelo(フェロ)がありますが、Gensparkは複数のAIを使用した並列処理により、より網羅的な情報収集が可能です。現在はベータ版で無料提供されており、制限なく利用できるのも魅力です(PerplexityやFeloは有料プランがあり、無料プランだと機能が限られる)。Feloはマインドマップ作成やSNS・論文など検索範囲の指定など魅力的な特徴も備えていますし、日本発なので応援したい気持ちもありますが、現状私の用途では情報収集の網羅性に優れたGensparkを主に使用しています。

■私の活用法
主に企業の取り組み事例や業界動向の調査に活用しています。たとえば、前回記事「DXとBPRへの分類で読み解く🔍AI活用事例」の執筆時には、各企業のAI関連施策の変遷を調べるのに重宝しました。既知の事例から、その企業がそこに至るまでにどのようなAI関連施策を展開してきたのか、網羅的な情報収集ができました。同じ質問をPerplexity(無料プラン)にも投げて比較しましたが、Gensparkの方が情報の網羅性が高く、より参考になるケースが多いと実感しています。
これからご利用になる方は、いずれも無料版があるので、同じ質問を3つのツール(Genspark/Perplexity/Felo)に投げて比較してみることをおすすめします。それぞれ得意分野が異なるので、ご自身の用途に合ったツールを選んでください。
4. 議事録作成に役立つAI『Gladia』

■ツールの特徴
音声データを文字に起こすAIツールとして、私が重宝しているのがGladia(グラディア)です。私はiPhoneで録音しているのですが、ボイスメモで録音したデータ(M4Aファイル)をGladiaにアップロードするだけで、文字起こしをしてくれます。音声認識の精度が高く、話者の識別もできるのが特徴です。無料プランでも月10時間分まで利用できるため、個人での使用には十分な容量です。
他の文字起こしツールも試しました。Notta(ノッタ)は無料プランだと最初の3分のみ文字起こし可能で、それ以上は有料プランへの登録が必要です。Google AI Studio(Gemini 1.5 Pro)は無料で使え、精度も良好ですが、長い音声データを処理する際に途中で止まることが多々あります。その場合は「上記の続きを生成してください」と指示すれば続きを生成してくれるので、この手間が気にならなければ十分実用的な選択肢です。
音声データのアップロードではなく、直接オンライン会議を録画・文字起こししてくれるツールとしては、tl;dv(ティーエルディーブイ)が優秀です。Zoom、Google Meet、Teamsに対応しており、月10時間分まで無料で利用可能です。「XXX's note taker」として会議に参加する形になるため、会議ホストの承認が必要です。また、無料プランでは文字起こしデータのエクスポートができないため、個人での利用よりも会社単位での導入に適したサービスという印象です。
■私の活用法
主にnote記事の執筆時に活用しています。記事の構想がある程度頭の中にできた段階で、iPhoneのボイスメモに向かって一人語りをします。考えている内容を話すように録音し、そのデータをGladiaで文字起こしした上で、Claudeに渡して文章を整理してもらうという流れです。「書く」より「話す」方が言葉が出てくるときもあるので、(note記事作成以外にも)アイデアを言語化する手段として重宝しています。

このような音声→テキスト→編集の流れは、インタビューや対面でのミーティングの記録にも活用できそうですね。記録はAIに任せることで、会話により集中できそうです。
5. 資料の見栄えを良くするAI『Napkin AI』

■ツールの特徴
Napkin(ナプキン)AIは、テキストから自動で図解を生成してくれるAIツールです。2024年9月から日本語にも対応し、入力したテキストの内容を理解して適切な図解を作成してくれます。資料作成AIのGammaなどと比べると、現在ベータ版で全機能が無料で利用できる点が大きな魅力です。また、生成された図解はフォント、色、アイコン、接続線なども自由に編集できます。作成した図解はPNG、SVG、PDF形式でエクスポートでき、さまざまな用途で活用できます。
■私の活用法
PowerPointでプレゼン資料を作成する際、文字情報が多くなりがちな箇所に図解を挿入し、視覚的に見やすくするために活用しています。たとえば、スライドの該当箇所の文字情報をNapkin AIに入力し、その内容に即した図解を提案してもらうことで、より分かりやすい資料に仕上がります。
一例として、以下のテキストから、Napkin AIに図解を提案してもらいました。
個人的に愛用しているAIツール5選
Claude 高品質な文章作成AI
YouTube SWC インプット効率化AI
Genspark 情報収集サポートAI
Gladia 議事録作成に役立つAI
Napkin AI 資料の見栄えを良くするAI
何通りもの図解を提案してくれるのですが、その中から一つ選びました。

選んだ図解に、私が各サービスロゴを追加、文字情報やサイズを少し調整しました。

生成された図解は多少の調整や加工が必要になりますが、私の場合「どのような図解で見せると分かりやすいか」というアイデアがなかなか出てこないタイプなので、AIがさまざまなパターンの図解を提案してくれる点にとても助けられています。提案された複数のパターンから選べるため、図解作成の幅が広がりました。本記事1章「Projects機能の活用例」、3章「検索AIツールの特徴」、4章「アイデアを言語化するプロセス」の図解もNapkin AIを使用して作成しています。
おわりに
この記事では、私が実際に活用している5つのAIツールをご紹介しました。高品質な文章作成AI(Claude)、インプット効率化AI(YouTube SWC)、情報収集サポートAI(Genspark)、議事録作成に役立つAI(Gladia)、資料の見栄えを良くするAI(Napkin AI)と、いずれも私の作業効率を大きく向上してくれています。これらのツールのほとんどが無料プランの範囲内で十分に活用できている点も有難いですね。
なお、ここでご紹介したAIツールは、2024年11月末時点で私が愛用しているものです。AIの世界は日々急速に進化しており、私の「お気に入り5選」も、きっと半年後には変わっているのではないかなと思います。
使ってみて合わないと感じたら他のツールを試してみる、より良いツールが出てきたら乗り換えてみる、そんな気軽な気持ちでAIツールと付き合っていければと思います。
この記事が、どなたかのAI活用のきっかけになれば嬉しいです。ご覧いただき、ありがとうございました。
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