
活気4年ぶり 屋台に変化も
小雨がちらつく日曜日の昼、市役所通りで行われた地元の市民まつりに行ってきた。
1974年から毎年行われているこのお祭り。コロナ禍の影響で2020年から中止が続いていたが、50回目の節目となった今年は無事に開催することができた。
歩行者天国となった市役所通りには左右に屋台が並び、沢山の人で溢れかえっていた。あいにくの天気にも拘らず多くの人で賑わっていて、コロナによる閉塞感を打破したいという人々の思いを感じる。
そんな私も、"4年ぶり"となった市民まつりの開催を待ち侘びていたうちの1人だ。

変化する屋台メニュー
焼きそばやりんご飴、射的といった定番はもちろん、今年の屋台のラインナップには変化も見られた。

驚いたのは韓国発の「10円パン」を売る屋台。
筆者が確認できただけでも3軒はあったが、その全てが全く同じ風貌の屋台なのだ。
若者受けする「映え」を狙ったメニューの屋台は、これまでも電球ソーダやチーズハットグなどがあった。だが、今回のように数軒あっても屋台の構えまで全く同じであるのはあまり見られない。「あれ、この屋台さっきも…?」と既視感を覚えた。
あくまでも個人の考えだが、各屋台はライバルではなく、協力し合ってこの「10円パン」を販売していたようにも感じる。通りを歩く人々にそのメニューを買うか、買わないかの選択を何度か提示することで人々の購入意欲を刺激させるのではないか。
実際、この10円パンを食べながら歩く人を多く見かけた。
同じメニューを扱う屋台どうしは競合関係だとばかり感じていた筆者にとって、新しい屋台の在り方だと考えさせられた。

また、ご当地の多彩なメニューが揃っていたのも今年度の大きな魅力であった。
写真の岩手県三陸産の蒸し牡蠣や、栃木県の宇都宮餃子、長崎和牛を使用した牛串焼きなど書いているだけでもよだれが垂れそうなメニューばかり。
そんな中、長崎和牛の牛串焼きの屋台では注文を受けてから焼き始めるスタイル。受け取るまで3〜5分かかったものの、国産のブランド牛にこだわりの調理で、本格的な牛串焼きの味わいを大切にしていた。
筆者が幼い頃は屋台のメニューといえば、パック容器から溢れんばかりの麺にたっぷりの青のりと紅生姜がのった焼きそばのような、どこか手作り感、スピード感のあるものばかりだった。
今年の牡蠣や和牛といったメニューは、手作業とはいえ、時間をかけて本格的な味にこだわっている。
昔ながらの手作り感、写真映えするメニューや本格派のご当地ものというように屋台で出すものは多種多様だ。人々のあらゆるニーズに応えるべく、屋台もまた多様化しているのだ。