柞木田 彩奈

25卒 専修大学文学部ジャーナリズム学科  ゼミ運営メディア→https://viridisonline.org

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最近の記事

終わりのない、"いたみ"の歴史

 埼玉県の森林公園駅から車で10分。細い道を抜けると、小さな美術館がある。「原爆の図丸木美術館」だ。  8月6日に原爆投下された広島の惨劇を描いた「原爆の図」が展示されている。作者の丸木位里・丸木俊が何を感じ、何を描いたのか、後世に続く"痛み"・"悼み"の歴史を見た。 「原爆の図」を展示するために  「作品名が美術館の名前に付くのは珍しいんですよ」  学芸員の岡本幸宜さんは、絵について話す前に、まずそう語った。  たしかに、様々な作品を展示することが一般的な美術館で、1つ

    • コロナ第9波の足音

       6月下旬の朝9時前、千代田線大手町駅の改札を出ると、会社に向かう人の多さで酔いそうになる。アルバイト先に向かうため、私も人の流れに乗って歩くと、白い物体が落ちているのを見つけた。  その白い物体は、不織布マスクだった。  「最近、マスク落ちてること多いな」  考えてみると、道端やエスカレーター、電車の中などでマスクが置き去りにされているのをよく見かけるようになった。顔を上げ、すれ違う人を見ても、その半分ほどはマスクをしていない。かく言う私も、最近の暑さには耐えかねず、外

      • 語り継ぐべき昭和史

        東京湾岸に位置する夢の島に、第五福竜丸展示館がある。 1954年、米国の水爆実験によって23名の第五福竜丸乗組員が被爆し、無線長の久保山愛吉さんが亡くなった。広島、長崎に続く第3の原子力災害であるが、国民の認知度はあまり高くないと感じる。 先日、第五福竜丸展示館にともに訪れたある学生の言葉が忘れられない。 「高校時代、昭和期の歴史は授業時間の関係でそこまで深く教わらなかった。時代順で教わることがほとんどだから、戦後の歴史は短縮されがちではないか」 高校で日本史を選択し

        • 分析し、"いい状態"で悩む

           「制約は、考える材料を提供してくれるもの」  “制約” というとネガティブなイメージを受けがちだが、著者は「”新たな脳ミソ”を使う機会も与えてくれる、なくてはならないもの」だという。  思い返すと、社会は制約に溢れている。課題の締切のような ”時間の制約” や、物事を始めるときには予算の範囲内で考えるといった ”お金の制約”。縛られた中で、私たちはどうしても自由を求めてしまう。だが、本当に自由な環境では、むしろ手も足も出ないのではないか。限られた制約の中でどう工夫するのか分

          宿題が浮き彫りにする教員疲弊

           「宿題が終わらない」  5月28日から3日間にわたり、朝日新聞教育面で連載されたもののタイトルである。「子どもたちがやる気を出せばいい話ではないか?」という声もあるだろう。だが、そう簡単な話ではないようだ。  子どもたちにのしかかる宿題の負担は重く、その背景には、時代とともに変化する家族の形や教員の過酷な労働状況があった。 「大量・一律」宿題の在り方とは 「宿題が終わらない」と題した朝日新聞の連載は計3回。様々な学校で実際に取り入れられている現在の宿題を主軸に、各回違った

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          活気4年ぶり 屋台に変化も

          小雨がちらつく日曜日の昼、市役所通りで行われた地元の市民まつりに行ってきた。 1974年から毎年行われているこのお祭り。コロナ禍の影響で2020年から中止が続いていたが、50回目の節目となった今年は無事に開催することができた。 歩行者天国となった市役所通りには左右に屋台が並び、沢山の人で溢れかえっていた。あいにくの天気にも拘らず多くの人で賑わっていて、コロナによる閉塞感を打破したいという人々の思いを感じる。 そんな私も、"4年ぶり"となった市民まつりの開催を待ち侘びていた

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          ジャーナリズムの祭典 -Jフォーラムに参加して-

          2023.04.28-30 早稲田大学国際会議場にて開催された「報道実務家フォーラム」(以下Jフォーラム)に学生スタッフとして初めて参加した。 ジャーナリズムの知識を広げ、学びを深める場にとどまらず、報道人の横のつながりを深める交流の場だと感じた。学生スタッフとして携わった中で感じたことを綴っていく。 ※掲載している写真はすべて報道実務家フォーラム提供 ●「Jフォーラム」とはJフォーラムは記者やディレクター、編集者など報道の現場で動かれている方々やジャーナリズムに関心の

          ジャーナリズムの祭典 -Jフォーラムに参加して-