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障害とお金のこと
明けましておめでとうございます。イマニシです。
年末年始は20年以上ぶりに家族だけで過ごしました。
私が病気になったからこそ、こういうひとコマが過ごせるというのが皮肉なものですが、まぁ結果オーライ!
さて、今回の話題はお金のことです。
自分が遠位型ミオパチーという進行性の筋肉疾患になったことで、お金の問題をかなりリアルに感じています。
独身フリーランスだからこその将来のお金の不安もあるものの、同じように病を抱えて暮らす人は家族が居ても居なくても不安は大きいと思います。
私の場合は薬代や治療費がかさむわけではないですが、いつまで仕事ができるかがわからないというのが一番の課題です。
この先1〜2年で完全に寝たきりになるということはなさそうでも、65歳まで働き続けるのは厳しいと思っています。
なのに貯金や資産(持ち家とか)がないからこそめちゃくちゃ不安!
というわけで、自分が病気だとわかったときに、受け取れるお金や行政のサポートに関する申請は片っ端から始めました。
以前にも申請に関するnoteは書きましたが、いろいろ進捗があったので改めてまとめておこうと思います。
健康保険限度額適用認定の申請は必須
12月末までは協会けんぽを任意継続していたのですが、退職後は2年しか加入できないので、国民健康保険に切り替えました。
それに伴い、健康保険限度額適用認定を改めて申請し直しました。
国民健康保険の加入も限度額適用認定の申請もマイナンバーカードがあればオンラインで手続きができるので、外出のハードルが高い人も安心です。
(もしかすると自治体によるかもしれません。目黒区はオンライン対応していました。)
この制度を使えば、1つの医療機関での外来や入院で、1か月当たりの医療費の一部負担金の支払いが、自己負担限度額までとなります。
負担金は所得によって異なりますが、持ち出し金がかなり抑えられるので助かるはず。
難病申請で医療費助成が受けられる
「遠位型ミオパチー」は指定難病なので、難病申請をすることで医療費助成を受けられます。
申請には医師の診断書が必要で、私は申請が通るまでに2か月かかりました。
難病申請が通れば、申請した日からの医療費が助成対象になります。
申請が通ったあとは手続き不要で毎月の上限額以上は支払わなくていいのですが(たとえば上限額が1万円なら、それ以上は窓口で支払う必要がありません。上限額は所得により異なります)、申請中の医療費を助成してもらうには別途手続きが必要です。
私は7月に申請して、8月に検査入院をしたので、この検査入院時の医療費が助成対象になりました。
病院に書類を書いてもらって、それを東京都に送付するのですが、お金が戻ってくるまでに2〜3か月かかるようです。
実際、私は9月半ばの診察時に書類の作成を病院に依頼し、10月半ばに作成した書類一式を都に送付しましたが、1月になってようやく振り込まれました。
つまり8月半ばに実費で支払いをして、返ってきたのは約5か月後!
申請からお金が戻るまでにタイムラグがあるので、ひとまずの現金は必要ですね……。
あと、「医療費」と聞くと通院や薬代だけをイメージしますが、訪問看護や訪問リハビリにかかる費用も難病医療費助成の対象となっています。
私はいま週1回の訪問リハビリを利用しており、訪リハだけだと医療費助成の上限額まではいかないのですが、寝たきりになれば訪問看護も必要になりますし、今後を考えるとかなりありがたいです!
多岐に渡る支援を受けるには障害者手帳が必須
私は進行性の疾患なので必要に応じて障害者手帳の見直しが必要なのですが、現状の私は上肢3級・下肢3級で2級として扱われる身体障害者手帳を持っています。
身体障害者手帳があることで、目黒区では下記のような支援が受けられています。
・医療費助成
心身障害者・心身障害児医療費助成、通称「マル障」という助成が受けられます。
住民税課税者の場合、自己負担額の上限が通院月1万8000円、入院月5万7600円になります(私の場合は難病手当が適応され、さらに少額です)。
・公共料金等の軽減
NHKの受信料の割引や、都立や区立の有料公園や駐車場の無料利用なども障害者手帳があれば受けられます。
携帯電話会社によっては、障害者向けの割引もあるんです。
私はワイモバイルユーザーなのでないですが、ドコモ、au、ソフトバンクで使えるはず。
・理美容補助券の給付
目黒区内で指定された理美容院を自己負担2000円で利用できる券が年間4枚もらえます。
しかも、店舗か出張かも選べる!
私はまだ使っていないままですが、今度訪問を利用するつもりです。
ただし、カットのみなので、若い人にはちょっと悩ましいところ。
・障害者手当&見舞金
障害の状況に応じた手当がもらえます。
私はまだ重度ではないので、「心身障害者福祉手当」のみいただいており、月に1万5500円が支給されています。
ちなみにこのシステムは都内でも目黒区だけだと聞きました。
このお金は、訪リハと施設入浴(自宅の湯船に浸かると立ち上がれないので、1月から週1で通うことにしました)の支払いで完全に消える感じです。
ほかにも介護状態と所得によって受けられるものがあるので、これは逐一調べないとなぁと思っています。
・交通に関する助成
福祉タクシーの利用券の給付(私は次年度から申請予定)、飛行機や新幹線の割引、民営バスや私鉄運賃の割引、都営交通の無料券、有料道路の割引など、移動に関する割引が充実しています。
とはいえ、満員電車だと車椅子での移動をはばかられてタクシーを使うなどもありますし、車がないと移動できない場所もあるんですよね。
健康なら使わずに済む交通費が発生したり、付き添いが必要だったりすることを考えると、たしかにこうした割引は障害者にとって必要だなと感じています。
しかし! 新幹線のチケットがウェブでは買えず、電話やみどりの窓口でしか買えないというのは何とかならないのかと……。
交通に関してはいろんな気付きがあるので、後日まとめ直したいと思います。
・税の免除
私の場合は、個人事業税の減免、所得税・住民税の控除あたりが助かっています。
車がある人なら、自動車税の減免ですね。
今年は初めてこれらを踏まえた確定申告を進めることになりそうです。
・東京都障害者特養ホームの利用
年間2泊までですが、対象宿泊施設の利用時に助成金が出ます。
ぶっちゃけ対象数は少ないけど、障害者が使いやすい設備が揃った宿泊施設というのが本当にありがたいです。
そもそもユニバーサルルームがある施設も部屋数も少ないし、割高だしで、健康な頃よりも宿泊のハードルがかなり高いんですよね……。
昨年は利用しませんでしたが、今年は使ってみたいです。
・用具や物品の給付
これはマジで大事なやつです!
私はこの仕組みがあるおかげで、電動車椅子を1割負担で購入できたし(課税世帯は1割負担)、玄関の段差解消スロープやシャワーチェアも少額で設置できました。
ただし、手続きは結構面倒。
まずは担当の相談支援専門員さんに自分が困っていることを伝えると、役所の担当者に話がいき、支給の可否がわかったら業者に何が欲しいかを伝えるという感じ。
役所に直接相談してもいいけど、相談支援専門員さんに伝えたほうが話がスムーズな印象でした。
最近、車椅子で持ち運べるコンパクトなスロープを患者会で教えてもらったので支給してもらえないか聞いていますが(それがあれば安心していろんな場所の取材に行けるので)、なかなか前例がないらしく、ひと月ほど役所からの返事を待っています。
無断差くん、マジで欲しい。
支給が無理なら自腹で買うつもりです。
それにしても福祉器具って高い……。
ちなみに、支給の場合は何のアイテムでも手元に来るまで1〜2か月はかかるので、思い立ったらすぐに相談するのが良さそうです。
障害年金は申請しないと受給できないので注意
障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。
いずれも年金事務所に申請して、OKが出ないと支給されません。
私は8月末に社労士さんに依頼して、10月末に申請書類を提出してもらいました。
で、12月末になり無事支給が決定!
障害年金は2級以上の区分でもらえるのですが、この区分は障害者手帳とは関係ありません。
社労士さんを使わずに申請することも可能ではあるものの、書類集めや書類を書くポイントはプロに任せて良かったです。
最初に足の違和感を病院で訴えたのが会社員時代、つまり厚生年金に加入していたときだったので、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給できてひと安心。
健康診断の問診で膝の違和感を伝えた私、グッジョブすぎます!
とはいえ、65歳になったら考えることは多そう。
私は厚生年金の加入期間が10年ちょいだから、どの組み合わせがいいのかを今のうちに社労士さんに聞いておこうと思います。
あと、人より早くリタイアせざるを得ないから、障害年金にはなるべく手を付けないよう、いまは仕事を頑張らなくてはと思っています。
介護が必要になる身としては、家族にお金で迷惑かけたくない!
あって良かった民間の医療保険と就労補償保険
フリーランスになる直前に、民間の医療保険と就労補償保険に加入していた私。
昨年の2週間の検査入院では、医療保険があって大助かりでした!
この医療保険の給付金と難病医療費助成制度のおかげで、結果的には持ち出し金ゼロに。
本当に入ってて良かった……。
就労補償保険に関しても、私は仕事はできても障害状態にあるので、給付の申請をしました。
保険の加入期間が3年弱と短かったので、調査会社がいまの主治医とその前の病院の先生に聞き取り調査をしたうえで判断するという展開になりハラハラしたのですが(もちろん病気があると思って加入していないので後ろめたいことはない)、こちらも無事に給付が決定!
申請から給付に至るまで3〜4か月かかったけど、65歳までは多少なりとも毎月お金が入るのはありがたいです。
民間の保険に関して、「貯金しとけばいいでしょ」という考え方は当然あるけど、私は入っておいて助かりました。
会社員とか共働き家庭に関してはわからないけど、私のような独身フリーランスにはマストかも。
保険会社に勤める友人には「就労補償保険の大切さをわかっていない人が多いから力説してほしい」と言われたけど、病気を抱えながら働くと将来へのお金の不安がかなり膨らむんですよね。
だから、家賃やローンをカバーできる分くらいはかけておくといいかと思います。
私は収入が増えたら掛け金を増やして家賃分くらいにと思ってたけど、その前に病気になったから家賃には足りてないんです。
ま、いまはちゃんと仕事しなさいってことですね。
ちなみに私は生命保険には加入していません。
パートナーや子どももいないし、今後お金を残すなら16歳離れた妹にと思っていたけど、持病のあるいまは加入できず。残念。
去年は1人でこれらの手続きを進めていて、誰か代わりにやってほしいと思うことが多々ありました。
正直、母に対して「何で病気の私が全部自分でやらなあかんねん」と内心イライラしたこともあります。
ただ、私はこれから生きていくうえで家族に物理的な迷惑をかけるから、金銭面はなるべく困らせなくないという気持ちが強いんです。
お金がなければ家族が私の面倒を見なくてはならず、それは肉体的にも精神的にもしんどいはず。
そもそも、父は80代、母は60代半ばですし、妹は軽度の知的障害があります。
そんな家族達にこれから無理をしてほしくないというのが、私のいまの想いです。
終活ではないけど、私自身や周りにいる人が少しでも楽しく日々を過ごせるようにする準備をするのは大変でした。
ただ、こうした手続きをしたことで不安は多少軽減されたので、「障害者になった」と落ち込むだけでなく、いろんな助けを求めて良かったと思っています!
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