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当時の日記より21@2009 3/3

朝から鼻炎がひどくて不調。姫(母)は相変わらず私をイライラさせる。何が苦痛かって飽きもせず毎日同じ呟きを聞かされること。

タルセバの副作用、皮膚障害は特に手指に集中してあらわれる。だから指先がバンドエイドだらけ。そこに力をこめることも難しく、もともと細くて力のない姫は滑りの悪い箇所の雨戸は開けられなくなった。

私が姫の部屋に入れば「あぁ開けられなかったのだな」と分かるし、私が開ければいい。それだけのことなのに、毎朝開けられなかった理由を一から説明するのだ。

(姫は脳転移し認知障害を起こすのだが、この頃はまだ脳転移していなかった。アスペルガーの姫としての日常がこれ。)

姫には同じ話を何度もされたら相手は不快になるという見解に至らない。言葉=音。誰でも自分同様、発する言葉なんて気にも留めてないと思っているから。雨戸は単なる一例にすぎず、一事が万事この調子。それに耐えきれず怒り出す私を『何の拍子で怒り出すか分からない難しい娘』だと思っているのがまた腹立たしい。

今夜はうどんがいいと言うので具を何にするか延々と悩む。私なら卵を落としてとろろ昆布をぱらっと乗せたら満足。偏食がひどすぎる姫にそれは通用しない。生卵は嫌い。とろろ昆布は嫌い。

早く入院日にならないかな。献立ノイローゼになりそう。

気分を変えようと2階の掃除。終わって降りていくと待ち構えていた姫に質問された。

「ねぇ、何をしていたの。物音がしていたけど」

想像力に乏しい姫は生活音から何かを察することが苦手。考えたら分かるよね、掃除機の音、響いてたよねと思うけれど、そうはいかない。毎日毎日質問されるのに疲れ果て、2階では忍者のように物音を立てずに行動している。でもさすがに掃除機は無理だ。

いや、マジでノイローゼになりそう。




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