当時の日記より46@2009 8/31
やっと入院。今回もやり遂げた29回の食事作り。お疲れ、私!
治療法も確立していない新型インフルにかかったら喘息持ちの私は死ぬかもという発言以来、姫(母)はビビッている。
「死んじゃ嫌よー。死んじゃダメよー。私をお世話する人がいなくなる」
「出歩いちゃダメ。絶対出歩いちゃダメ」
だったら病院にも来なくていいですか?姫のところに行くのは外出にカウントされないのか。
入院手続きを済ませたところで担当医にバッタリ。「退院中どうだった?」と尋ねられ
「めまいが起きる気がする。頭痛になる気がする。と言っては薬を飲んでた」
と告げると爆笑。
「あぁーいつもの『気がする病』ね」
ナースステーション前で今度は看護師長に呼び止められ「どうだった?」同じ説明をしていたところにたまたま通りかかった主治医も加わり
「あー、気がする病かぁ」
姫、あなたおちょくられてます(笑)。
病室を覗いて姫の様子を確認し、さぁ帰ろうとしたところで再び看護師長とばったり。世間話で盛り上がったあと、アスペルガーだと思っている件を初めて告げた。すると師長は大きくうなずき
「私もそう思ってたよ」
手が空いていた別の看護師さんたちも加わり、井戸端会議状態。
「正しいか否かではなくて自分が決めた一つの答えだけを押し通すんでしょ?それね、もう絶対直らないし他の意見は認めないよ。そして次にね、間違っている考えに同調してくれる人しか受け入れなくなるのよ。そういう人に正論ぶつけても無駄よ。諦めたほうがいい。はいはいって合わせてあげるのが一番。本人が間違った考えを貫いて、生きる時間が結果として短くなったとしてもよ、望んでそうしたことなんだからいいじゃない。周りの責任ではない。冷たいかもしれないけど、私たちはそういう気持ちで関わってる。そうしないと身が持たないわよ」
心が軽くなった気がした。もっと早く話せばよかった。井戸端会議を終了し、さぁ今度こそ帰ろうと歩き出すと背後から誰かが走ってくる音。最近他科より配属になった副師長で私は初対面だが、緩和ケアのナースも兼任している優秀な人だと聞いている。初めましての挨拶のあと
「お母さまの精神面の弱さは聞いています。私も出来る限りのサポートをしますし、ひとりで看ていらっしゃる卯月さんのほうが倒れるんじゃないかと心配です。抱え込まずに何でも話してくださいね」
お礼を述べ、本当に帰りますよと歩き出す。すると今度は医療チームではない病棟看護師から声をかけられた。
「どうでしたー退院中」
また同じ説明をすると
「あぁー姫の気がする病ね」
とニッコリ。そして
「姫が入院すると気が楽になりますか?息抜きしてくださいね、ここでは私たちがいるから大丈夫!」
3年もお世話になるとフロアナース全員と顔見知りになる。医療チームとして直接の関わりがなくても。そしてここまで沢山のスタッフに心配されて、私はいつも人に恵まれていると感じるのだ。
ありがとう。