当時の日記より22@2009 3/11
姫(母)はタルセバ副作用で牛乳が全く飲めなくなった。病気以前から骨粗鬆症の気があり、意識して乳製品を摂ってきた。牛乳がダメになってからしばらくヨーグルトで補ってきたがそれもダメに。
何度も繰り返すけれど、食べられなくなった物が突然また口に出来るようになる。本人はそれが副作用なのだと主張するし、抗がん剤治療を受けている病人の世話は初めてだからそんなものなの?と思いながら対処していた。
「ヨーグルトを買ってきて欲しいの」
そう頼まれたので購入した。口に出来るようになったのか試したいんだなと思って一つだけ。
その翌日「ヨーグルトを買ってきて」と再び言うので
「分かった。よかったね、また食べられるようになって」
と答えると
「まだ食べてないから、それはどうか分からないわ」
視覚で捉えたものが全てである姫は、食べられるかどうか以前に頼んだ物をたった一つしか買ってこなかった私を非難していたのだ。
今日までこんな風に生きてきた姫を再教育しようなんて思う私が間違っているのはわかる。でも、あまりにも外れたことばかり言ったりやったりするから腹が立って仕方ない。
声を荒げたところで伝わらないのは分かっているから、淡々としたトーンで諭した。
「久しぶりにヨーグルトを食べてみました。あぁやっぱり食べられなかった。それなのに沢山買ってしまっていたらその残りはどうなるの?捨てたらおしまいではないんだよ、これはみんなお金なんだから。姫は物が沢山あると安心するタイプなのは知ってるけど、沢山買って口をつけられなかった物を食べるのは私の役目だよ。試しに一つだけ買って食べてみて、食べられると分かったら沢山買ってくる。それでいいよね」
どんなに分かりやすく伝えても伝わらないアスペルガー。自分の主張は曲げない。言い出したらひかない。非は全て自分以外にあると思っている。
「あなたはそうやって親の言うことに何でもケチをつけるわよね、子供の頃からそうだった。いつだって屁理屈ばかり。執念深いというか、しつこい性格よね。同じ話をくどくどと飽きもせずに繰り返して。」
この人は地球の人じゃないんだと思わない限り、やっていけない。会話の中で捉える箇所が根本的に誤っている。私が一方的に姫の要求を飲めば解決することなの?そんなの間違ってるよね。