当時の日記より49@2009 9/18
退院中はもう当たり前のやりとりになっている食べ物バトル。本当にノイローゼになりそう。おかずは何品も並べなきゃならないのに、なかなか気に入らない。その上姫(母)はお茶の時間をとても重要視。起床後すぐに、昼食前に、午後2回、夕食後、と大体平均して日に5回。しかも毎回違うお茶請けを要求する。豆製品、漬物、甘露煮、和菓子、洋菓子。食べる量はつつく程度なのに。(同室の患者さんから「小鳥」とあだ名をつけられたほどだ)
「コロッケが食べたい。あ、でもコロッケはご飯のおかずじゃないわよ、おやつ」
「明日煮物でも作ろうかしら。だって自分で作れるもの。うん。そうしよう」
大きな独り言をつぶやく。それがどうしても私の癇に障る。買い物に行ける訳でもない、台所仕事が出来るだけの体力もない、手指の副作用は全く治っていない。なのに何故作れると断言するのか。
「遠まわしに嫌味言わないで。食べたいから作ってって言えばいいことでしょ。明日のおかず煮物にすればいいんだね?!」
すると愉快そうに笑いながら
「おかず...煮物はおかずになんかならないわ。お茶請けでいただくものよ。だいたい煮物一品で夕食のおかずを済ませようだなんて、どれだけ手抜きするつもりなの」
ついにキレる。
「はぁ?あのさ、私そんなこと言った?なんで姫って話がどんどんおかしな方向に進むの?今日までおかず一品で終わらせたことあった?毎回山のように作って出して、ほとんど食べないじゃん。一体何が不満なの?そんなに私の作る物が気に入らないなら今後一切の献立は姫に頼むわ。私もう無理だから。言われたものだけはきちんと作るからよろしくお願いしますね!」
これに対して今度は姫がキレる。お前が腹を立てる筋合いじゃないだろ!アスペルガーだからどんな発言をしても、どんな態度に出ても許される問題じゃない。
ムカついたので一人になろうと、多磨霊園までドライブ。ひんやりした空気に包まれている納骨堂で「お父さん、ちゃんと私のこと見てる?頑張ってるよね、私。もうそろそろ助けてよ。限界だよ」と声に出さずに呟く。
限界です。