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#1 静かに響く、何かが壊れ始める音
みなさん、こんにちは!あやめです🪻
はじめに
これから、私の生い立ちと一番最初に経験した違和感を中心に物語を進めていきたいと思います。このnoteはポッドキャストでもシェアしています。音声からの方が楽かな、という方はぜひ、ポッドキャストを聴いてみてください。
私の原点
まずは、私の軽い自己紹介、そこから少しずつ物語を始めていこうと思います。私の物語は、日本で生まれ育ったところから始まります。ごく普通の幼少時代を送り、小中高を経て、大学では理系に進みました。そして、日本の大学を卒業後、紆余曲折を経てヨーロッパに留学しました。(留学や海外生活については、たくさんのnoteのクリエーターさんが情報共有をしてくださっているので、私のnoteでは留学や海外生活にフォーカスすることなく、物語を進めていきたいと思っています…)
留学生活の終わりには、修士論文のために大手企業でインターンを経験しました。大変なこともたくさんありましたが、プロジェクト自体は非常にやりがいがありました。朝7時に出社し、夜9時に退社するという(ブラック企業ですよね…笑)ハードなスケジュールをこなしながら、少しずつですが確実に卒業に向けて前進していました。そして、ついに修士号を無事に取得することができたのです。努力が実を結び、世界が大きく開けたように感じた瞬間でした。
でも、インターンの終わり頃から、右手に強張りや痺れを感じるようになっていました。気にかけないようにしようと思えばできるけど、でも何か嫌な違和感があった、という感じでしょうか…。家族に医師がいるので相談したところ、「疲れが原因だと思うから、少し休めば良くなるよ」と言われました。この右手の違和感以外には特に問題がなくて元気だったので、私も深刻には考えず、そのまま生活を続けていました。
新たの挑戦と日々の葛藤
無事に修士号を取得した後、私はそのまま海外での就職活動を始めました。その頃、パートナー(現在の夫)と出会い、一緒に生活をすることを決めました。就職活動の結果、国立大学で研究者として受け入れられたことがすごく嬉しくて、やる気に満ちていたことを覚えています。ストレスを感じることはありながらもやりがいを感じ、毎日気合いを入れて仕事をしていました。
見えない不調との向き合い
そんな中で時々、朝起きた時から異常な疲れを感じて、お昼まで横にならなければならないことがありました。仕事中に休まないといけないことにすごく抵抗があって、でも、そうしないと身体が持たない…という状況でした。この時期はコロナ渦であったため、在宅勤務をしていたのでフレキシブルに体調に合わせて働くことができたことだけが救いでした。これでオフィス勤務だったら、どうなっていたんだろうと思うことがあります。「新しい仕事での疲れなんだろうなあ」と思い込もうとしましたが、この今まで経験したことがないような疲労感には少し違和感を覚えていました。ただ、それも毎日続くわけではなくて、週に数回ほどだったと記憶しています。ただ、この頃からは、左手と左腕に痺れを感じるようになっていて、少しすると、左脚にも同じような症状が現れるようになりました。でも、この痺れもずっと続くわけではなくて、良くなったり悪くなったりを繰り返す感じで、あとは手や脚を時々振ることで痺れがちょっと良くなるようにも感じていました。さらにこの頃は、論文の執筆や学会への出席など、他に気を取られることが多くて、自分の身体にはあまり気をかけられない状況でもありました…
でも、私のパートナーは私の症状をとても心配していて、私に一般医(General practitionor - GP)に行くよう強く勧めていました。私は忙しさもあって、診断を先延ばしにしていましたが、ついにGPを受診することに決めました。異常な疲労感について相談すると、医師からビタミンD不足か鉄分不足の可能性があると言われ、血液検査を行うことになりました。結果、私のビタミンDと鉄分の数値は基準値を大幅に下回っていたため、数値を改善するための錠剤が処方され、そのあとは毎日サプリメントを摂取することになりました。これは、日照時間の少ないヨーロッパの国に移住した際によく見られることだと説明を受けました。原因がわかり安心したからなのか、症状も徐々に改善していくように感じていました。
痺れについては、GPから神経科医への紹介状をもらって、総合病院に診察を受けにいきました。神経科医は、症状が局所的な神経の問題によるものと考え、様々な検査を行ない、その結果、腕と指の痺れが肘の関節を通る神経の圧迫によるものであると説明をうけました。手を振ることで痺れが和らぐのもこの圧迫が理由だということでした。また、脚の痺れは脊椎の異常な湾曲である側弯症によるものとされました。すべてが論理的に思え、納得できました。側弯症による神経の圧迫を確認するためにMRI検査を受けましたが、幸いにも結果は正常でした。その後、腕の神経圧迫を解消するための手術が提案されました。
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新しい日常と見えない課題
手術は計画通り、神経外科の大学病院の有名な教授によって無事に行われました。手術後はすべてが順調に進み、私は徐々に回復していきました。痺れはだいぶ良くなって、再び研究生活に戻ることができました。でも、手術前の診察の際に、神経外科医から、利き手の右腕にも全く同じ問題を抱えているのに、症状が出ないのは不思議だね、と言われたことはどこか頭の片隅に残っていました。
おわりに
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。仕事に慣れてきた中での突然の手術は、大変な経験でしたが、当時はこれで全てが解決したと思っていました。最後の診断を終えて家に帰る時に、「もうこの病院には来ない」と何故か心に誓ったことを今でも覚えています。今、この物語を書きながら振り返ると、何かがおかしいサインは散らばっていたのだと感じます。それではまた次回、お会いしましょう。
※この記事は、自分の物語を共有し、それが誰かの助けやヒントになればという思いから書かれています。そのため、この記事に書かれている内容は医療アドバイスではなく、診断や治療のために使用されるものではありません。深刻な懸念がある場合は、必ず医療専門家にご相談ください。