白鳥と小さなオーケストラ

眠れぬ夜

飛べなくなった白鳥は、なにを思う

静かに広がる波紋は、そっと翼に語り掛ける

消えてなくなりそうな静かな夜

つめたさなど感じない

絵画の様な湖で、ただただ時を待つ

小さなオーケストラ

どこから聴こえるリンリンリン

また私は飛べるの?

後どれくらいでこの翼で舞えるのか

誰もしらないリンリンリン

賑やかな街から遠ざかり

消してきたしがらみは

孤独となって帰ってきた

私が望んでいたけれど

翼がこんなになってしまうなんて

私はいつになったら飛べるの?

また街へ降りて悪夢の日々を過ごすだけ

翼が癒える前に私の心が死んでしまう

この先にまだ物語が続くなら

たとえどんな結末でも私は見てみたい

私の心が死んでしまう前に

この先の物語を見てみたい

優しく微笑むリンリンリン

悲しみは孤独よりも苦しいの

悲しみは不幸よりも悲しいの

私がもし不死鳥ならきっと私の翼はボロボロよ

みんながもし不死鳥なら私は喜んで踊るでしょう

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