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安売りは迷惑  -やりがい搾取に踊らされるバンドマン-


こんな話を聞いたことがありませんか。

青年がある街で飲食店を経営していたところ、
隣に老人が趣味で、同じく飲食店を始めた。

その店は生活の余剰資金、趣味でやっているので利益度外視。真似できないような単価で料理を出している。

結果、青年の店は客が入らず潰れた。

これ、バンド界隈、いや日本中で起こっていると思いませんか。


現代人は「やりがい搾取」の奴隷


どういうことかというと、

現代、YouTubeをはじめとしたSNSが、
承認欲求と引き換えにコンテンツを投稿させています。

そしてそれは大半の人にとって、リターンが明らかに労力に見合っていません。
投下時間あたり1000円以上返ってくるなんてこと、なくないですか?
数%の外れ値、一部の投稿者を除いて、別で所得があるはずです。


いってみれば今世界中の人たちは、ひと握りのIT企業に「コンテンツの安売り」をさせられているんです。


YouTubeというプラットフォームができたおかげで、バンドのライブ映像はDVDを買わずとも見れるようになりました。
これはそのバンドが、一昔前までならDVDとして売れたコンテンツを、YouTubeに安売りさせられているから。


動画が1万回再生されたとして、(大昔のYouTube収益単価で計算しても)1000円くらいしか戻って来ません。
確かに間接的に、グッズが売れたりライブのチケットが売れたりでリターンはあると思います。ただ、それに対しての出費がとにかくデカく、バランスが悪い。


ほかにも今は有料級のnoteが、探せばいくらでも無料で読めます。一昔前までなら本を買って読まなければならなかった内容も、「やりがい搾取」の奴隷たちによって無料で投稿されています。


でも人は投稿をやめられません。

なぜか。

先に述べた承認欲求もそのひとつですが、
ことバンド界隈においては否定できない真実。


他のバンドがやっている以上、
やらないとそれだけでマイナスだから。


他のバンドが損得勘定抜きで投稿を頑張っていたら、それができてないバンドは頑張ってないように見える。
実際には論理的に、費用対効果を考えた上での決断であっても。
赤字覚悟でやってる老人の店によって潰された青年の店と同じです。


僕はどうしたか


結論から言うと、「やりがい搾取」の奴隷になることを -損得勘定抜きで投稿することを- 選びました。


誰かに強制されているわけでも、これがないと生活できないわけでもありませんし、何より活動自体が楽しいからやれています。

そしてこの大手SNSによる「やりがい搾取」に反抗するのは無駄だと、理性でわかっているからです。1人が「発信活動をやめよう!」なんていって社会が変わるワケない。

僕はその辺に対してメチャクチャドライな考えを持っています。同じような理由で選挙も嫌いです。行きますけど。


社会を変えるよりも自分が変わる方が手っ取り早い。

重ねて言いますが、この「やりがい搾取」に分かっていてなお乗っかるということは他のバンドにとってめちゃくちゃ迷惑な事だと、知ってます。本当に申し訳ない。


詰んでない?

コンテンツを投稿すればリターンは少ない。
しなければ置いていかれる。
詰んでないか?と思うこともあります。

でも絶望的なことばかりではありません。

短期的にはマイナスであっても、
長期的にはプラスになる可能性、全然あります。めちゃくちゃバンドが大きくなって億万長者になればいいんです。割と真面目にいってます。
だから投稿というものは、短期的に注目を集める炎上という形にはしないように心がけています。


"今"にキャッシュポイントを置いて「やりがい搾取」に反抗すると、たぶん現代では生き残れない。
これは残酷な真実として、僕は受け入れることにしました。

皆さんはどうでしょうか。
「やりがい搾取」の大波に乗りますか?
ご意見もぜひ、コメントや引用リツイートでお聞かせください。

今回は以上。

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