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ポジティブ心理学でウェルビーイングな日々を・6「人に優しくする=情けは人の為ならずって本当らしい」

昔、自分のことでうじうじ悩んでいたときに、
いつもは優しく共感してくれる先生から、
一度だけ、ピシャリと言われたことがあったの。

「そんなことを悩む暇があったら、
職場に花のひとつでも飾りなさい。
困っている人に手を貸しなさい」

そう叱られたとき、
いい意味で頬をはられたような気がしたことを良く覚えている。

ああ、うじうじ悩んでいるときって、
自分のことばかりに意識が向いているなって。
自分かわいさで、他人に目を向けられていなかったなって。
目が覚めたような気持ちだったよ。


実は、幸せでいる・良い気分でいる・ご機嫌でいる方法のうち
能動的で、やりやすいもののひとつが、
「人に親切にする」ということなんだ。

「情けは人の為ならず」ということわざがあるよね。
人に親切にすれば、巡り巡って結局は自分の為になる、という意味だね。

人に優しくすれば良い気分になる、ということは、
ことわざにもなっている通り、特に目新しい発見でもないんだけど、
そのことが科学的に調査され、証明されたと聞くと、
「へ~!」と思うよね。

そのひとつとして「親切児」に関する研究を紹介するね。
これは保育園で5~6歳の幼児に対して行われた日本の大学の研究。

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手伝ってあげる、ものを貸してあげる等の親切な行動をしている幼児(親切児)を近くで見ていた幼児(観察児)は、
その直後に、この親切児に対して選択的に親切にしていた。

さらに、観察児の親切児に対する親和行動(体に触ったり、肯定的な内容で話しかけたり、自分の持っているものを見せたりする等、仲良くしたい、好ましいと思っているときによく起こる行動)も、普段より頻繁に起こっていた。

このことから、幼児が第三者のやりとりを観察して他者への親切さを評価していること、そして親切を行う幼児は、後にまわりの児から親切にしてもらいやすく、
自分が親切にした分をまわりから返してもらっていることが明らかになり、
「情けは人の為ならず」ということわざを証明することとなった。

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あ、そうそう、最近ね、
「ハンドケアセラピスト」の資格をとったんだけど、
ハンドケアの先生も言ってたわ。

ハンドケアをすると、手と手が触れ合うことで
「オキシトシン」っていうホルモンが出て、
安心したり、幸せな気分になったり、ストレスが軽くなったりするんだけど、
ハンドケアされている側だけでなく、
セラピストのほうにもオキシトシンは分泌されて、
どちらも幸せな気分になるんだって。
これも、「情けは人の為ならず」の一種と言えるよね。


ポジティブ心理学の学者は、人に親切にする、優しくすることで
気持ちの焦点を自分から他人に移すことができる、
そして「自分は人の役に立てる、善い人間だ」という自己認識が高まると指摘しているよ。

さらに、人を助けることで「誰かと繋がりたい」「感謝されたい」「価値ある友情や人間関係を得たい」という、
私たちの基本的な人間的欲求が満たされると。


『嫌われる勇気』という本がベストセラーになったことで、
近年注目をあびたアドラー心理学でも、


「貢献感こそが人を幸福にする」


と言っているよね。
「人の役に立てた!」という実感にまさる幸福感は、ないのかもしれないね。


人に親切にするって・・・特にボランティア活動とかって、
なんか偽善ぽくて苦手だ・・・って感じる人もいるかもしれないけれど、
「自分のためにやっている」と思えば、押しつけがましくならなくてすむかも。


あと、私が好きなのは、
「親切は連鎖する」っていう現象なんだ。

誰かに優しくされた人は、
自然と、他の誰かに優しくなる。親切になる。
親切には、このような波及効果があるんだって。

「恩送り」だね。

昔、『ペイ・フォワード』という映画があったよね。
主人公の男の子は、「世の中を良くするにはどうすれば良いか」という学校の課題を受けて、
三人の人に良いことをすると決める。
条件は、その人たちにも、同じように三人の人に良いことをするように求めること。
そうすれば、「親切のねずみ算」になって、世の中が良くなる。
おとぎ話のようだけど、
そういう世の中を構成するひとりでありたいなぁ・・・私は。


大学時代、サークルの先輩がいつもお昼に海苔弁当をおごってくれたけど、
お礼を言うと、
「お礼はいいから、あなたに後輩ができたら、そのときは海苔弁当をおごってあげてね」と言われたなー。
これも恩送り・・・でも、なぜ海苔弁当一択・・・?


誰かに優しくしよう。
どうしようかなって迷ったら、
優しくするほうを選ぼうね。

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※このコラムは主にポジティブ心理学に基づき、
幸せでいるためのエビデンスに基づく方法を紹介しています。
※ポジティブ心理学の分野では「Well-being」を高める方法が数多く研究されています。

※今回のコラムの参考文献:「幸せがずっと続く12の行動習慣」ソニア・リュボミアスキー著


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