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#雨と6月とワタシ
今から10年以上前、娘の葵さんがベビーカーに乗っている頃、その日、雨が降るかどうか、降るとしたら何時頃かは大変な関心事だった。
何しろ、ベビーカーには雨傘をさすことができないので、お天気は外出できるかどうかに関わる重大事。
その上、葵さんは外遊びが好きで雨の日でも、「こおえん(公園)、行くぅ!こおえん!」と連呼するような子どもだったもので、雨となると、家で、どう過ごすのか対策を考えなければならない。
私は地域の1時間ごとの天気予報、時には、気象庁のホームページで雨雲の動きまでチェックして毎日にのぞんでいた。
それでも、
天気は完全に予想できるものではない。
葵さんが2歳を過ぎた頃のある日、親子で外遊びの最中、突然の雨。しかもけっこうな強さで降ってくる。
でも、大丈夫。ベビーカーにはそんな時に備えて、ベビーカー用のカバーを積んでいた。カバーは透明のビニール製で、乗っている子どもごとすっぽりとおおうタイプ。
葵さんに「雨降ってきたけん、カバーかけようねえ」と話しかけ、濡れてはいけない、早くしないとと雨にせかされながらカバーをする。とたん、
「うぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」と大号泣。
葵さん、透明のカバーを、完全拒否。
でも雨は本降りだし、ここから自宅まですぐそこ、といっても5分はかかる。まともに濡れて熱でも出したら大変。
結局、泣き叫ぶ彼女をそのままに、ベビーカーを早足で押して帰ったのだった。
それにしても、雨よけカバーのどこがそんなに気に入らなかったんだろう。ずっとずっと気になっていたところ、
その後、旅行に何度かいくうち、葵さん、乗り物酔いになることがわかった。
乗り物酔いになる時とならない時があって、
特にダメだったのが、飛行機、新幹線、船(甲板のないタイプ)。共通しているのは席の移動がしにくく、窓が開けられないこと。
どうやら葵さん、換気できないところに閉じ込められるのがだめなのだ。
ベビーカーに雨よけカバーした状態は、
窓が開かない、身動きできない、彼女の苦手な乗り物そのものなのでは⁉︎
ベビーカーの乗り物酔い、だったのか。
葵さんは嗅覚がとても鋭く、雨のにおいについても、
「何かよくない物質混じりの雨と、大丈夫な雨はにおいが違う」と言っている。
嗅覚が鋭い人が狭いところに閉じ込められるのは、確かに大変な苦痛だろう。
あの時のベビーカーの葵さんにごめんなさいと言いたい。
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