【詩】交差点
交差点
すぐ先の交差点で
今点灯している青信号を
どうしても渡りたくて
一生懸命 走った
無事にまっすぐ渡り切れたら
何もかも上手く行くような気がして
転んだり
誰かにぶつかったりしないよう
焦らず慎重に
でもできるだけ急いで横断歩道を目指す
無理なら次の青でも構わない
人生に遅すぎることなど何もない
道行く人々は皆ちゃんと
自分が選んだそれぞれの居場所を持ち
自信と共にそこに向かって
迷わず進んでいるように見える
人混みは時折
取り残されたような孤独を増幅させる
今までたくさんの交差点を渡って来た
ほんの少し違う角の選択をしていたら
別の生き方があったかも知れない
だが振り返ればもう
愛に満ちた奇跡で織りなされた
豊かで愛しい軌跡がそこにある
必死で頑張り成し得なかった夢なら
不完全さも美しい姿
私の心の中にある幸せな悔しさは
誰にも奪えない
最後まで寄り添い続ける大切な命を
私らしく生き抜く 潔く
これからまたいくつもの交差点を渡り
いつか辿り着く
透明な道の途中で
しみじみ語る土産話は
少し大げさなトーンできっと
とびきり輝く