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令和6年9月議会 清水彩子の一般質問④【55歳~70歳の現役・退職者へ、創業支援、事業拡大支援を行うアドバイザーとして活躍できる機会を】

【清水彩子の一般質問】
近年、セカンドライフを有意義に過ごすことが健康寿命を延ばすと言われています。
しかしながら、会社を定年後に、人との関わりが減少し、家から外出せず、心身の健康を崩す方もいる現状があります。
会社側も、セカンドライフに向けた講習や柔軟な働き方を用意していますが、活用が進んでいないとの声もあります。それは会社の仕事以外にすることが見つけられないことに大きく起因します。
これまでの経験知識を持った人の能力を活かせない社会の現状があります。
一方、市の企業支援においては、中小企業診断士などがアドバイザーに立つケースが多くあります。
施策としては、無論魅力的な布陣でありますが、ある程度の規模、会社の視点でのアドバイスや人脈を提供する体制としては、より外部でこれまで戦力として働いてきた人の知識や経験を活用できる政策が必要です。
55歳~70歳の現役、退職者へ、創業支援、事業拡大支援を行うアドバイザーとして活躍する機会をつくることは、シニアのやりがいという高齢福祉の観点と、創業・事業拡大支援の充実の観点、両方の課題を解決することができると考えますが、市の考えを伺います。

【市長答弁】
少子高齢化が進む中で経済社会の活力を維持するためには、高年齢者の就業の機会を確保し、生涯現役社会の実現を図ることが必要であり、現在、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務とされております。こうした状況の下、高年齢者が企業内に限らずその能力を十分に発揮できる環境は重要であると認識しております。
一方、本市ではこれまで、関係機関と連携して特定創業支援等事業をはじめとする創業支援などに取り組んでおり、また、中小企業等の経営改善・強化に関しては、商工会や東京都中小企業振興公社などにおいて様々な相談支援を行っているところでございます。
このため、現状、市内の創業者や中小企業等に対する専門家による支援体制は確保されていると考えておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。


(清水彩子の再質問)
創業支援は基本的に5年以内が対象となるので、創業してから5年の間は手厚く支援があります。その後も経営相談の相談先としては商工会などがあります。
今回の質問は、経営者の相談先の充実という視点と、高齢者が活躍できる場の創出という視点の双方があるため、商工会などがあるから必要ないとは限りません。産業と福祉をひとつにした「産福連携」の取り組みとしての質問であります。

以前、お互いさまサロンのリーダーの方が、「こうして人に何かをすることが、自分の健康にもつながる」とおっしゃっていました。

地域で、体操ができる方は体操を教える、折り紙ができる方は折り紙、歌が得意な方は歌、そうした中で、ビジネススキルも特技のひとつと捉え、地域において、ビジネスの事を教える機会があってもいいのは当然です。

高齢福祉の観点からですが、ライフステージが変わる時、人は不安定になりやすいと言われています。
幼稚園保育園から小学校に上がる時や、学生から社会人になる時など、不安と希望に満ちている状況になります。
定年退職も、ほっとする反面、これまで朝早く起きて決まった時間にバスに乗り通勤してきたなど、長年の習慣が退職を境になくなると漠然と不安を感じたり、働かない選択をする方は、家族と毎日家にいることになったり、日々の暮らしに変化が起き、変化というものは、ストレスを伴うこともあります。
退職手前の55歳くらいから、市のことに携わりはじめ、地域で能力を活かす準備ができていて、退職後に地域でやることがあるということは、社会との接点や、やりがいに繋がると思います。退職してやることを失い、気持ちが落ち込んでしまう方、地域に知り合いがおらず孤立する方がいる事は、社会的な課題としてあります。市として、退職前後の方々と地域が繋がるアプローチはしているのでしょうか。

(市の答弁)
企業ごとに定年制度が異なっており、個人の就業形態も多様であることから、高年齢者の置かれた環境は千差万別であると認識しております。
退職後の高年齢者が働くこと等を通じて生きがいを得る方法としては、企業に再就職したり、創業したり、シルバー人材センターの会員になるといったことが一般的に考えられますが、退職前後の市民と地域がつながる直接的なアプローチについて、市では特段行っておりません。

カフェにて

(清水彩子)
退職前後の方々が、地域と繋がる企画を意識して考えていけたら、高齢期も楽しめるまちづくりができてくるように思います。孤立防止の取り組みとして、その層への働きかけを検討していただきたいです。高齢期は参加者として教わるとか、何かをしてもらうとか、受け身のものが多くなっています。何かをできる、やりたい人の活躍の場が増えたらと思います。
 松山市シルバー人材センターでは、派遣事業として、経営コンサルタント、財務処理スペシャリスト、営業マネージャー、企画立案プランナー、販売促進アドバイザーの派遣があります。
退職前後の方に今回色々お話伺いましたが、「シルバー人材センター」という名称から、まだ自分には関係ないとか、5、60代だと、シルバー人材センターにアクセスしづらいようで、まだ無関係と捉える方もいました。

近年、学生や若手クリエイターたちの交流拠点となる施設を設置する自治体が増えていると感じています。
若者の交流として、多様な働き方の浸透でコワーキングスペースやシェアオフィスなどの普及が進んでいて、武蔵村山市も、当然若者向けにもこのような施設が欲しいのですが、50代くらいから集える、オシャレでセンスのある場をつくって、松山市シルバー人材センターのような派遣の窓口、モノレール延伸を見据えて商店街の方々や市民とまちづくり会議の開催をしたり、ビジネスセミナーをしたり、フランクにお店に顔を出し、地域の経営者を繋いだり、そうした役割を担う場があるといいと思います。

優秀な人材を確保する取り組みが武蔵村山市に必要であり、市内にお住まいの方に、まちを活性化できる優秀な人材はいます。そうした方が集う拠点が主体となり、商工会やシルバー人材センターとも連携を取れば、かなりまちは変われるように思いますが、そうした拠点づくりはできないでしょうか。

(市の答弁)
令和4年3月に策定した産業振興ビジョンにおいて、「中小企業のDX化推進」の主な取組の一つとして、「デジタルワーキングの環境づくり」を掲げ、その中でコワーキングスペースの確保・整備等を含めて必要な支援策を検討することとしております。
具体的な検討には着手しておりませんが、今後、多摩都市モノレールの延伸を見据えて計画的にまちづくりを進めていく中で、駅周辺等におけるコワーキングスペースの確保等についても検討していく必要があると考えております。

(清水彩子)
是非考えていただく中で、若者のための場所、高齢者のための場所、多世代が集う場所、これは、民間サービスも含め、流行や周囲の環境が変わり行く中で、モノレールの駅周辺等におけるコワーキングスペースについて、場所があるだけではなく、その場所をどういう意図で設置するのか、「ねらい」もご検討いただければと思います。駅周辺でなくても、市内にビジネススキルが高く、退職して時間が自由になっている方々が集まる拠点ができれば、その方々のノウハウだけではなく、人脈も武蔵村山市の中小企業等に繋がっていきます。武蔵村山の産業の強化になりうるので、市の産福連携の施策としてご検討いただきたいと思います。

市の様々な検討会、創業支援で事業内容審査や、ビジネスプランコンテストなどのメンバーなどにも、そうした新たな方々に入っていただきたいのですが、どのようにしたら新たな人材に関わっていただけると思いますか。

(市の答弁)
附属機関等につきましては、行政の公正・適正な執行等を確保するために設置されており、構成員はそれぞれ異なりますが、専門的知験を有する学識経験者や専門家、地域団体の代表者のほか、公募委員等で構成されております。このうち、学識経験者等については、大学や関係団体に推薦を依頼する例が多く、公募委員については、近年、公募委員無作為抽出制度により運用しております。

また、創業支援につきましては、認定創業支援事業計画の枠組みの中で、商工会や金融機関等と連携体制を構築しており、各事業において、専門家による支援や協力を受けられる状況にあると考えておりますので、御理解をよろしくお願いします。

(清水彩子)
市の附属機関の公募委員については無作為抽出とわかりましたが、検討会やビジネスプランコンテストなどのメンバーは無作為抽出制度によるものでしょうか。

(市の答弁)
法律や条例に基づく審議会お附属機関のほか、要綱等により設置される各種検討委員会等の委員につきましても、公募委員の選出区分がある場合には、公募委員無作為抽出制度により登録された候補者の中から委員を選出する例が多いと承知しております。一方、公募委員の選出区分がない場合には、有識者として、大学や関係団体に推薦を依頼することが一般的であると承知しております。
 また、本年度新たに実施するビジネスプランコンテストの審査委員につきましては、公募を行う予定はなく、委託事業者の提案を基に、市と事業者とが協議して人選していく予定でございます。

(清水彩子)
わかりました。先程、他のまちで若者の拠点をつくったり、若者の施策が進んでいる話をしましたが、若者や子育て支援の充実をすれば、若者が来て、そのまちに定住すれば、やがて子どもが生まれ、税収も増える。だから子育て支援や、これから親になる可能性がある若者支援は必要である。一般的なそうした考えは必要です。

ですが、培ってきた知識や経験が尊重され、高齢者が生き生きと活動をしていたり、オシャレな拠点で楽しそうに集まっている。それを若者は見ている。そういうまちというのも、高齢者になってもこのまちなら楽しめるだろうという安心となり、「一生住みたい街」に選ばれるのではないでしょうか。「かっこいい高齢期」を意識したまちづくりも面白いと思います。

そうしたことから、高齢者施策の充実は、あらゆる人の安心に繋がるものです。
70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務であっても、働かない選択をする方もいます。そのくらいの年ならまだ働くだろうという先入観は持たず、働かない人の日々の充実にも目を向けていただき、社会から孤立する高齢者を一人でもなくしていただきたいと思います。
 また、先程から述べている通り、定年退職は、これまで自分の生活面でしか武蔵村山市に関わってこなかった優秀な人材を獲得できるチャンスでもあります。是非、アドバイザーや委員をはじめ、関わっていただける方法を探り、お知恵をお借りしたり、人脈を広げ、武蔵村山市を発展させていただきたいと思います。以上で終わります。

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