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Flying Tokyo #21 - AIとは? / レポート(2)

 → レポート1 「メディアアートとは?」  ✏️

AIの概念から説明する。そもそも人間が持つ「知能」の定義を考え、そしてコンピュータがどう実装して AIたらしめているのか。外部の知能は人間にどんな影響を与えるのか

また、AIをメディアとして見た場合、アーティストは研究者とは違う側面の訴えをして、社会還元している。

そして、結局は 人間に近い物事が 価値を創造しているのではないだろうか…
過去の産業革命から考察しても、技術は人間との関係性が重要だ。

●講演者 カイル・マクドナルド
http://kylemcdonald.net
●主催 ライゾマティクス
https://rhizomatiks.com/https://rhizomatiks.com/

◼️知能 とは?

AI (Artificial Intelligence)=人工知能
ML (Machine Learning) =機械学習

そもそも知能はどう測るのか⚖
IQならば、300年後にはIQ10,000に達すると言われている。
しかし、IQのみだと誤解を招く恐れがある🚫✋

知能は、これぞ知能!🤖と一概に言えるものではなく、
人にとって 特定の役に立つ能力の集まり=知能。

何かの目的に必要なもの。
あくまで 人間の知能を拡張したもの=AI

知能とは、
・説明を構築する
・記憶する
・答える
・予言する
・クリエイティブでいる
・真似をする

知能はどこから来るのか? 脳 …?

このMRIの脳は 空っぽの部分がある😦💦
しかし患者は、日常生活も 支障なく暮らしている。

よって脳で知能が生まれるのではない…?
知能は、他者との関係性から生まれるもの🤝✨

以下わかりやすい例を。

ロボット電話の例を見てみよう📞

アメリカでは、カスタマーセンターがインドにあったりするが、インド訛りで応対すると、顧客満足が下がってしまう。
そこでアメリカ発音の音声を オペレーター(人間)がクリックして対応している。更に、性別、年齢にも対応すると満足度が上がるだろう💡👍

相手が求める空気感をもって対話する所に、知能が集約されている。👨‍👩‍👧

知能は1つの方法に定める事はできず、相手によって仕様が変わる。
いろんな組み合わせから出来ている🛠


◼️外部の知能 と 人間 を考える

実際、外部の知能は人にどんな影響を与えるのか。

▲ Lauren Mccarthy は、デートを中継し、視聴者からのアドバイスを実践した。外部の知性の集合体が、どんな影響を与えるのか観察できる👀

(ちなみに彼女、ProcessingのJavaScript版 p5.js の開発者でもある🤗✨)

▲ Georges Perec は、パリの片隅で起こったことを書き留める小説を書いた

「教会の前に男がいる。緑の車が通った……」

どんなに効率よく 公平に記録しても、目の前の全てを カテゴライズする事は困難。 さらに記憶漏れも 発生する 📚📖🌀

この場合、作者が認識できない情報もある。
我たちは 区別できない事も含まれた、曖昧な世界で生活している🌍

これは機械学習(マシンラーニング)でも、起こりうる事だ😱😕😨💦

機械学習には、データが必要だ。
また、データをどうカテゴライズするかで、結果に大きな変化がある。



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◼️機械学習 と データ の関係

Exhausting a Crowd  カイル氏の作品。
ロンドン ピカデリーの動画に誰でもコメントができる。

最初は、前例の小説のように単純な説明のみであったが、やがでユーザーは、天から見下ろすような「神のような感覚」に陥る🤚
動画自体に意味は無いが、ユーザーによって意味付けされていく✏️

▲ すると面白いことに、警察官のように取締るコメントや、風刺的なコメント、嘘の大喜利が始まる 🚓📣

「信号無視をしたぞ!」「この人は良い事があったらしい」「このゴミ箱はブラックホールに繋がっている」……

データの集合体は、意味のないもの。
どうカテゴライズして、解釈するかで 情報となる ✊

機械学習でも、データをどう認識して学習するかが重要だ。

◼️お手本 と 機械学習

機械学習は、コンピュータにお手本を見せて、それを真似させて学習させる行為だ🤖✏️

▲ ニューラルネットワークを用いた 深層学習(ディープラーニング)の画像解析の場合。
まず、人間が 画像が示す内容をタグ付けして、お手本を作る。
これを参考にして、コンピュータは学習していく🖼🖌

▲ 顔認識の場合。
このシステムは 感情、性別、年齢、人種、装飾、目の色、髪の色…を判定できる。

▲ 輪郭、魅力的な人?、口を開けがち?、鷲鼻?…👁👃💋
たくさんのカテゴリーを作るとカオスとなって、結局何か分からない。
どの情報を取得するか、選ぶ必要がある👆

また、そんなつもりはないのに「怒っている」と判定されたりする。

どんなにデータを集めても全能にはなれない。
自分が思ってる情報と、コンピュータが示す情報にズレが生じる⚡️

しかし、そこには本人が気づかなかった情報も含まれる。


◼️モノマネ と 機械学習

▲ ゴッホの作風を真似るシステム。
なんの変哲もない画像を、ゴッホ風に真似る 👨‍🎨

機械学習は画像に限らず、音声、テキスト、動画… いろんなメディアでモノマネできる。

実社会では、スパムフィルタやレコメンド システムに応用されている。
機械学習で、個人の好みや、スパムの傾向を真似て予測する📩

▲ Sharing Faces (カイル氏の作品)
鑑賞者と似た表情をディスプレイに映す。

普通は気づかない特性、類似性に、どこか怖さを感じる😥

機械学習は、一見 関係性のないデータの類似性を 見つける事ができる 🔍


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◼️AI と 付き合う

産業革命は作業の自動化。そして人間の手元に残ったのは…🙌

省略と削除の繰り返しの中で、最後に残ったのは「人間らしいこと」
その関係性が価値を作り、経済の礎となっている💰💴

▲US+ (カイル氏とローレン氏の作品)
ビデオチャットの監視ツール🎥 相手と円滑なやり取りを目的としている。

「自分の事ばかり話さないで!」「表情がかたい!」「…(悪口はミュートされる)」……

カイル氏は、日々接する物事に余裕を持って、考えてもらえる様なモノを作りたいそうだ🎁

▲ pplkpr is an app that tracks, analyzes, and auto-manages your relationships.

👨‍🔬科学者は、世の中にある課題を説明する事に長けている。

👨‍🎨アーティストは、直感的に物事を把握する力、扱い方、受け止め方を何らかの作品にして提示している。

人工知能(AI)は、人と人の関係性にどう影響を及ぼすのか、現状では、すぐ共感できる直感的な形で表現するのは難しいので、アーティストが代弁している👄

AI は、人間の知性を増幅しているに過ぎない。出発点は私たち。
テクノロジーの発展で起こった過去の過ちが 繰り返されないように、そのパワーやコントロールの重要性を忘れてはならない。


Deeplooks 「見た目」に対する抽象的な評価を数値化する仕組み⏳⚖

たとえば、人の見た目の「美しさ」のような、主観的で数値化できないような概念も、独自の数値化システムを利用することにより、一般的な社会での評価に近い形で数値化することが可能💃💄


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◼️ 地域で変わる知能

QuickDraw で描かれた「椅子」の絵 🖼
各地域で絵のデータを合成し、平均化している。
日本人は、左向きの立体に 描く傾向にある🇯🇵 しかし、他の地域は、前向きに描きがちなど。

魚の絵も同様に、魚の種類や顔の向きが地域によって違った🐟

▲ 顔認識では、国によって顔の捉え方が違う。人相学がある程だ🔮
人相占いの結果は、地域で異なるが、共通事項もある。

顔認識の判定がいかに難しいか、示唆している。


◼️ いろんなメディア の AI

▲ タグ付けされたサウンドが2次元にマッピングされている。似たカテゴリーは近くにある。ユーザーはそこから音を選んで、ドラムマシンを作る🥁🎶


▲ 音源をミックスして、間をブレンドしながら補間するシンセサイザー🎧🎶

◼️ Discrete Figures での実践
→ レポートその3 に続く

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