まあるいケーキと心のまほう
(これはおててえほんです)
ぼくのなまえは、わお。
ぼくが生まれた時に、あんまり可愛くてわお!ってなったんだって!
いい名前でしょう。
今日は、ぼくの誕生日。
大好きなチョコレートケーキをね、
まーるくて おーきい チョコレートケーキをね
ぼく一人で食べてみたい!
そう、ママに言ったらね、
もちろん!わおの誕生日だもの、準備するわ!
なんて、ぼくのママは、グレートでしょ。
おめでとうのろうそくのふーは、
うわにやらせてあげたよ。
うわ? ぼくの妹! となりにいるでしょ。
あんまり可愛くてぼくがうわーっ!て喜んだから。
わおが赤ちゃんを見て、最初に口にした言葉がこの子にはお似合いだ。
なんて、ぼくのパパは、ユニークだよね。
ママが作ったチョコレートケーキを、ぼくが
ひとりで食べるなんて夢みたい。
切らないよ。丸のまま、フォークで端っこから
もぐもぐ。
おいしいな。もぐもぐもぐ。あー。幸せ。
もぐもぐごくん。もぐごくん。
もぐもぐもぐ…も…ぐも…ぐ。あれ。
ちょっとあれ。
おいしいなあ、うれしいなあの隙間から
お腹がいっぱいだなあ、くるしいなあ。が
でてきたぞ。
ぼくがひとりで食べてやる!の隙間から
みんなにも食べてほしいなが出てきたぞ。
ぼくはケーキを食べるのをストップして
こう言ったんだ。
ママ、あのぼくにくれたプレゼントのこのケーキ
みんなで食べてもいいかな?
もちろんよ!わおの好きにしたらいいわ。
ぼくはうわにもパパにもママにも。
フォークを渡したんだ。
みんなで食べよう、すごく美味しいよ。
みんなはにっこりして、ありがとうと言って
一緒にたべたよ。うわは、おくちまっくろ。
パパは言ったよ。
わお、パパとママはね、実はわおにケーキをプレゼントしたんじゃないんだよ。
え?そうなの?
他にもあるの?
うん。パパは、ぼくの胸に手のひらをあてた。
ここに届いているよ。ぼくも自分の手を胸にあてる。
わおが、ケーキを丸ごと食べられたら素敵だなと
考えて、してみたら?
心にはどんな気持ちがあったかな?
はじまりは嬉しいがあって、美味しいがあったよ。
食べてる途中は?
嬉しいと美味しいの後には、お腹いっぱいがあって、苦しいがきて…。
みんなで食べた方が楽しいかもな? がきた!
わお。すごいな!心にそんなたくさんの気持ちが増えたり減ったりしたんだね。
うん。そうだね。
みんなで食べたら、嬉しいな!はまた戻ってきただろう?
うん。またいっぱいになったよ。
わお。こころはいろんな気持ちがうまれる素晴らしい場所だよ。
ただ入る気持ちの分量は決まっている。
もし、嬉しいをいっぱいにしたいなら。
楽しいでいっぱいにしたいなら。
最初にもうワクワクやドキドキは一緒にいる誰かに、半分プレゼントするといい。
えっ?いっぱいにするのに、はんぶんにするの?
そうなんだよ。不思議だろ?
嬉しいと楽しいは、半分こにした誰かから
わおにね、こんどは笑顔やありがとうでかえってくる。
すると、わおは、おなかいっぱいやくるしいとは出会わずに、嬉しいと楽しいがずっといっぱいになるってわけ。
へー。知らなかった。
わお。これは、心の魔法だよ。
わおへ、パパとママからプレゼント。
わお! ぼくのパパとママは
グレートでユニークだろう。
目に見えないプレゼントをくれるんだ。
ぼくは、お誕生日に心の魔法をもらったよ。
もしよかったら、君にもわけてあげるよ。
☆☆☆
これは、Masumiさんがみんなのフォトギャラリーに上げたイラストから想起した創作です。
わおは、輪央。 うわは、生羽。と名づけました。
Masumiさん、ステキな作品ありがとう😊