すみませんじゃなくてさ、ありがとうでいいよ
最近の #大海を知ったオタマジャクシ さんの投稿がずっと心にあります。
それがこちら。
私は現在、すでに成人した息子二人と、高校生の息子の母で、今、おたまさんがいる子育てのステージは駆け抜けました。
喉元過ぎれば熱さ忘れるとは、よく言ったもので、あの時の葛藤や憤り、周囲への遠慮や申し訳なさは、ごくりと飲み込みお腹に落ちてそのうちに排出されて行きました。
おたまさんの投稿を読んで、私はあの時飲み込んだ熱い何かは、自分の喉に小さなやけどを作っていたことを知ります。
かさぶたになり自然治癒していたように見えて、実はとげのようにかすかに痛む傷口があることを知ります。
私は、夫の両親との同居世帯で生活しているため、子供をほぼ夫の母である、義母に任せて働いていました。
ですから、他のお母さんに比べたら、苦労や葛藤は少ない方だと思います。
子供が病気になり、看病や受診が必要な時にも比較的助けを求めて、家庭内のサポートで職場に影響しないようにやりくりしてきました。
たった一度だけ、保育園の頃の次男が肺炎になり、急に入院することになったことがありました。
その時に、珍しく次男が「お母さんにそばにいてほしい」と言いました。
我が家の子供はみな、後追いも、わがままもあまり言いませんでした。
最初で最後だったような気がします。私は絶対今日は一緒にいたい。そう思いました。そして、私は、午後からの仕事を急遽、お休みを頂き付き添うことにしました。
その電話の時の、冷たいわかりましたや、お義母さんがいるのに見てもらえないの?の質問を忘れられません。その人は今の私と同じ、このステージを駆け抜けた経験のある女性でした。職場に迷惑をかけるうしろめたさや、次男を任せないことで機嫌が悪くなりつっけんどんに不愉快な応答をする、義母の声など、映像とともに思い出します。
ここで注目してもらいたいのはすべて相手は女性であるということです。
自分の子供が具合が悪くて、仕事に行けないことはこんなにも罪なのかと思いました。
病気の子供を看病して、病院に泊まり、翌日は夜勤に行きましたが、昨日の急な欠勤を、同僚や先輩と顔を合わせるたびに謝罪します。
昨日休みの人には何のことかわかりません。それでも、落ち度があるよりましと、会う人会う人に頭を下げて、穴を埋めてくれた人にはお菓子を差し入れました。
その時はそれが当たり前だと思っていました。
でも、小さな子供が病気になることは当たり前のことです。
職場にはその頃子育て真っ盛り世代が多数いました。
しょっちゅう保育園や学校からお迎えに来てほしいの連絡が来て、家の子じゃないといいなと思いながら仕事をしていました。
早退する職員は、謝りながら職場を離れます。ごめんねごめんねという背中には、「大丈夫だよ、お大事に!」と声をかけつつ、自分でなかったことへの安堵と、仕事が増える重みも感じていたことは否定できません。
でも、迷惑かけてすみませんなんて、子育ては迷惑じゃないのに。
子供を健康に育てるために必要な時間をもらうことに何でびくびくしなければならなかったのか。
びくびくしてきた人は、同じ状況に陥る人にもびくびくを求めがちです。
実は、子育てを自分たちだけで完結しようとして、できるだけ周囲に迷惑をかけずにどうにかしようと努力してきたことが、自分自身の首を絞めていたことに喉の痛みは気付かせてくれました。
女性だから理解を促せる、協力してもらえる、と考えるのは間違いです。
同じような経験があるからサポートできるはずというのも間違いです。
私たちは、喉元過ぎて忘れた熱さは、思い出し検証し、どう生かすかを
常に意識して、働きかけなければなりません。努力しかありません。
子供は未来で、社会の宝物です。家庭で育てるだけではありません。
社会で慈しみ育てるものです。社会と大きくとらえると難しいですが、
私は同じ職場で働く同僚の子供は職場のみんなで育てればいいと思います。
私たちが保育園にお迎えに行くことも、看病することもできませんが、
仕事の代わりはできます。多少重くなった仕事も、最近はさほど苦になりません。子育てに参加していると考えるからです。
いつも、急なお休みの連絡が来た時に言うことがあります。
「仕事は変われるけど、お父さんやお母さんの仕事は変われないからね、
こちらのことは心配しないで。大丈夫だよ。」
上手に伝わっているかわかりませんが、ごめんなさい、すみませんと繰り返す人には、丁寧に、声に温かみを込めて話すようにしています。
今の私の職場は、比較的子育て終了世代が多く、心の優しい人が多いので、
みんなで助けようが浸透しやすく、私自身も救われています。
先日、子育て真っ盛りの男性職員が久しぶりに、お子さんの病気の受診で
お休みを取りましたが、その日も「私出れるよ」とすぐに手を挙げてくれる職員がいました。
その男性職員は、昨日私のところに来て
「先日は、急な受診でお休みを頂き申し訳ありませんでした」と報告に来てくれました。
聞くと溶連菌の診断だったようです。熱はあるけれど喉の痛みは引いたようでした。
「受診に行ってさ、お父さんの仕事したんだから悪くないよ。具合がおもくならなくてよかったよ。」と言いました。
本当は「謝らなくていいんだよ。先日は、お休みいただきありがとうございました!でいいんだよ」と言いたかったのですが、うまく言葉にできなくて、もやり としてしまいました。
受けたサポートにはお礼が適切です。謝罪より感謝。そう思っています。
みんなが誰かの役に立っている。直接的でなくとも間接的でも、私は今、
誰かの生活を支えたり、支えられたりしている。
ならば、やっぱりありがとうの心意気を自分の周囲には発信していきたいと思います。
小さなお子さんを日々育てることに邁進するお父さんとお母さんへのエールを込めたnoteです。
そして、今は子育てとは関与がない全ての大人に、実は私たちが子育てをしていることを気付いてほしいnoteです。
見出しのクリームソーダはみりちゃんのフォトギャラリーから選びました。
子育て世代がメロンソーダ、私たちがアイスクリームです。混ぜたらおいしいよねそんな気持ちで選びました。