セレモニースタッフにおいて、結局慣れることが出来なかったのは、
結論
故人様のご遺体と業務として向き合うことに慣れることが出来なかった。
に至る。
ほんの半年前まで、故人様もお通夜もご葬儀も、ご遺族様も、生活から遠いところにあった。
しかしセレモニーに関わる回数を経て、お通夜、告別式、ご遺族様の対応に徐々に慣れ、執り行わせていただくお仕事にやり甲斐を抱いていた。
生活圏内に入ってきてくれた景色。
でも、最後まで、故人様の身支度を行う作業は先輩の側でそれを見守ることしか出来なかった。
先輩方は言う
「ここの場所に慣れていってくれることがまずは助かる。
見ているだけでいいから一つ一つ慣れてほしい」
その通りだと思う。
具体的に、この作業が無理だったということを記すことはやめておく。
なにせずっと前の話である。
現在では変わっているかもしれないし。
ひとつ言えるならば
誰かがこの仕事をしてくれていることに感謝しなければならない尊いお仕事のうちのひとつである。
就任して最初に受けたレクチャーは、駅から住宅街を抜けてセレモニーホールに至るまでの道路の地図。
「ここの、色がついているエリアは通らずに通勤してください。セレモニースタッフに通勤路とされることに付近の住民から苦情が来るので。」
悲しい考え方だなぁと、今でも思う。