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大型犬と暮らす4
ジョンに手を噛まれて10日ほど経った頃、地元のママ友から連絡があった。
「犬の幸せと自然な行動、そしてノーズワ-ク」というオンラインセミナーを受けてみないかと。
ミニチュアシュナウザーを飼い始めたばかりという彼女は、犬に関して情報収集した色々なことを教えてくれた。
私の置かれた状況に驚いた彼女は、ジョンをしばらくドッグスクールに預けてはどうかと切り出した。
隣の県にリーズナブルな宿舎付きのスクールがあって、調べてみたら結構良さそうだよ、と。
けれど子犬の頃ならまだしも、2歳半を過ぎた成犬に月6万円という金額をかけるなんて考え難いと、その時の私は思ったのだ。
いろいろ悩んだ末に、彼女も利用しているという「イヌバ-シティ(犬大学)」というインタ-ネット教材のお世話になることにした。
まずは座学で犬の特性や、犬と飼い主との主従関係がいかに大事か等々学び、その次はいよいよ実践となるのだが、しつけがほとんど入らなくなると言われる年齢にもうすぐ到達する大型犬に、動画で見たやり方をそのまま当てはめようとするのは困難を極めた。
そんなある日、高遠町でペットホテルを経営する女性とお会いする機会があった。
秋には甥の結婚式で遠方に行かなくてはならず、ジョンの預け先を探していたところ、Pinz×高遠商店というホテルの情報に辿り着いたのだ。
家を訪問してくれた彼女は、部屋の中につながれているジョンを見て、「せめてこの一室だけでもジョンくんを自由にさせてあげられないでしょうか」と提案してくれた。
いたずらが激しいのなら、床やテーブルの上には極力物を置かないようにすれば、部屋も片付くし一石二鳥ですよ、と。
その日は他にも近隣の動物病院のことや、カリスマドックトレーナーのシーザーミラン氏のことなど、話題は多岐にわたった。
中でも、箕輪町でドッグスクールをされている、高木さん主催のドックランでのオフ会のことが、私の心に強く残った。
Pinz×高遠商店の田中ちえみさん、そして高木ドッグスクールの高木のり子さんとの運命的な出会いが、ジョンと私たち家族のその後を大きく変えることとなるのだった。