潰瘍性大腸炎で入院してから日記
こんにちは!まずは、感謝の気持ちを伝えさせてください。
いつか誰かが潰瘍性大腸炎で、私と同じような症状が出たときに、
心の拠り所になったり、情報の一つとして得られるようにと思い
“潰瘍性大腸炎で入院するまで日記”を書いたのですが、
思っていた以上にたくさんの方からご連絡をいただき、本当に本当に嬉しい気持ちになりました。
リスナーさん、仕事の仲間のあの子、お友達・・
なるべく大変な感じが出ないように心がけて文章を書いたつもりですが
多くのかたが、私の病気を知ろうとしてくれたこと、
心を寄せてくれたことが本当に嬉しかったです。
そして、同じ病気の方から、本当にたくさんDMやメッセージ、コメントをいただきました。これは本当に心強いことでした。
同じような病状の方、もう少し深刻なかた、今は症状のない方など、いろんな方がいらっしゃって、同じ病気でも、やっぱりそれぞれ個人差があるんだなぁと改めて感じました。
読んでくれた皆様、ありがとうございました!
前回の記事まだという方はこちらからぜひ。
さて、入院してからのことも、記録していきます。
時間が経つと忘れてしまうこともあるので、なるべく早めにと思っていましたが、
それでも忘れてることが多いような気がします
4月24日入院してから
入院してからはコロナの検査を受けて、点滴のルートをとって、各所に電話。
あとは、検査結果を待ってから、OKだったら大部屋に移動。という流れになりました。
何も食べていなくても、便意があるので、個室の方が楽だなぁと思っていたのですが、残念ながら空室がなく。
大部屋の移動があるので、入院セットも開かず、まずはベッドに横たわって、これからのことをちょっと考えたりしました。
仕事は、休むことになる。仕方ないと思う反面、もし良くならなかったらどうしよう?
ラジオというのは私の居場所であり、私のアイデンティティの一つだから、
万が一、このまま悪化してしまって、その場を失うのは悲しいなぁと考えたりもしました。
家族は、どうなるだろう?幸い、私の夫は、私以上に主婦のようなことが得意で。
仕事もしていますが、理解をしていただいたので、早上がりをさせてもらったりしながら、全ての家事・育児を夫にお任せすることになりました。
それは、案外不安とかはなくて、まぁ夫なら大丈夫でしょう!休ませてくれてありがとう!くらいの感じで、お願いすることができました。
それでも、文句の一つも言わず、私が入院中にせっせとご飯を作ったり、洗濯をしたりしてくれたことはありがたいことだなぁと思っています。
あとは私の体。何がいけなかったんだろう?ダイエットしていたことだろうか?とか、いつの間にか負担がかかっていた?ということを考えたりしたけど、
考えても仕方ないから、今は思い切り休んで、復活するのみだなぁと、前向きに考えたりもしました。
そんな感じで始まった入院生活ですが、
先生が病室に来てくださって、今後の治療についてお話をしてくれました。
で。ここで、先生に重大発表をしてみました。
“そんなこと言ってる場合じゃない。”
ということは重々承知していたのですが、せっかく入院して、じっくり治療してもらえるんだし、私の希望も伝えておきたい!というわけで、あれ、言ってみたんです。
「すみません、私、GW、家族でディズニーランドに行きたいんですけど、間に合いますか?」
の件です。
いつもスマートな対応をしてくれるお医者さんですが、私のことを二度見したのがわかりました。
「子供がすごく楽しみにしているので、行きたいです!先生!」
とプッシュしたところ。
「鈴木さん、今考えられる可能性がいくつかあります。まずは、潰瘍性大腸炎がものすごく悪化してしまっているだろう。ということ。
これを治療するには、僕としてはまずステロイドの点滴で症状をなるべく抑えようと思っています。効いてくれると思いますが、状況次第では何回か打たなきゃいけないかもしれない。そこまで悪くなっていたら、ディズニーは諦めてください。
あとは、サイトメガロウィルスに罹患している可能性。これも、治療としては二週間ほどかかるので、サイトメガロが出た際にも、ディズニーは諦めてください。
でもね、お子さんが楽しみにしているということ、GW中に寂しい思いをして頑張っていることも、よくわかるから、そのために僕ができることはやるから。
何日から行くの?5月4日?OK。10日でどうにかなるように、僕も最善を尽くすので、頑張りましょう」
と言ってくれました。
ありがたい・・・ありがとうございます。以外の言葉が出ませんでした。
いつもクールでドライとか思っててごめんなさい。とも思ったし、
たまに薬を飲み忘れたことも、ごめんなさい!と思いました。
一生飲み忘れません!!!!!!
そんな心強い先生の言葉を聞いて、目標設定もできました。
「よし、10日で元気になって、絶対に家族旅行に行くぞ!!!」
早速ステロイド治療が始まりました。
初のステロイド点滴
ステロイドの点滴の名前がわからないのですが、
私が投薬したものは、3日でワンクールの点滴でした。
担当してくれた看護師さんが丁寧に色々教えてくれたのですが、
ステロイドを使うことで、感染症にかかりやすくなること。なので、病院内もマスクの着用や、こまめに手洗いうがいをしてくださいね!ということ。
ステロイドの点滴は、体が興奮してしまうので、夜眠れない方が多いです。その場合睡眠剤をお渡ししますので、希望する場合は言ってください。
などなど。
30分程度で終わる、小さな点滴の中に、私の大腸のただれをよくしてくれる成分が入っていて、
だけど、免疫力が下がったり、体が興奮したりする働きもあるのかぁと。
初のステロイド点滴に感動したり、ちょっと怖くなったり。
でも何より「どうか良くなりますように」と思わずにいられませんでした。
で、そこから多分、数時間だと思うのだけど、
大部屋に移動して、荷ほどきをして、持ってきていた本を読んでいると、
妙に元気なことに気がつきました。
その時に妹(妹は看護師です)に送ったLINEが残っていたのですが
「今の私なんでもできそう!これからラジオ行っていくらでも喋れそうなくらいにハイ!!!!」
と言ってるくらい、元気。ステロイド、すげぇな。
この、元気な感じは、結構長く続いたのと、
元気になってから、びっくりするほどに、目の調子がよくなっていることにも気がつきました。
念のため、と、眼科の受診もさせてもらいましたが、特に異常はなく、
IBDの先生たちもなんとも言えないとのこと。
でも、ステロイドを打って見えなかった小さな字がめちゃくちゃ見えるようになり、痛さもなくなり、ストレスフリーになれたのが本当に嬉しかった!
だって、私の体内で調子の悪かった部分に効いてる!ということですから。
これは希望の光の一つでした。
初の睡眠剤
夜。大部屋で周りの皆さんが、食事をしている匂いを嗅ぎながら、
栄養剤の点滴で腹を、心を、体を満たす。(満たされないけど)
阿野さんが入院の時に「マヨ禁止」って書かれた札をインスタであげていたことや、水を買いに行く顔でジュースを買いに行く演技が上達した話を思い出し、
今ならその話乗っかれる!と思いを馳せました。
でも不思議なもので、すごくお腹が空くということはないんですね。あれは点滴のおかげなの?
口が寂しいので、何か食べたいけど、あったかいお茶なんか飲むと結構満足できました。
あとはもう、寝たもの勝ちだな、という気がしていたので、寝ようと思ってみても、目がギンギン。
これか!これがさっき看護師さんが言ってた「必要な時は眠剤渡すね!」のやつかと思い、すぐに処方してもらうことに。
私と言えば、よく眠れるでお馴染み(私の中で)なので、
人生の中で眠れなかったことなんてないし、元気な時は平均9時間は絶対に寝ているので、人生初の眠剤でした。
それでも、ステロイドの力の方が強いのか、夜中の3時頃にパッと目が覚めてしまって眠れなくなったり、
体の節々が痛くなって、目が覚めたりする3日間を過ごしました。
眠剤を使っているのに、目が覚めてしまうと、体は結構しんどくて、鉛のように重い。眠いような気もするのに、全く眠ることができない。
食欲も睡眠欲もうまくいかないと、気が滅入ると言うことを経験しました。
で、治療とはあまり関係ないけど、興味深い体験だったので記しておきますが、
ここから一週間、結局睡眠剤を服用しながら過ごしました。
すごいね!眠剤!
今日は絶対に眠剤に負けない!と、目を見開いて戦ってみるも、
いつの間にか眠ってしまっていたり。
あとは、悪夢にうなされた日もあったり。
現実と夢の境目がわからなかったり。
目の前に大きな蜘蛛がいるのに、眠くて逃げられなかったり。
(実際に蜘蛛がいたかは不明。いなかったんだろうな)
睡眠剤の諸々も良い経験となりました。
2日目〜入院2日目が一番忙しい〜
入院の二日目は忙しい!と言うことを、知っておくといいなと思いました。
血液検査に始まり、ステロイドも2日目。点滴が終わると
体の隅々まで調べてもらいます。
心電図、レントゲン、尿検査、便の検査などなど。
点滴棒をカラカラ言わせながら、あちこち移動して、検査してもらいました。
疲れたなぁとベッドで一息つくと、
「鈴木さん次2階の○○科で呼ばれてまーす」みたいな感じで、すぐ呼ばれる。
特に私の場合食事もなかったので、朝や昼の食事のタイミング関係なく呼ばれていたと思います。
3日目〜内視鏡検査〜
二日目だったかもしれないし、三日目だったかもしれないけど、
3月にやったばかりの、内視鏡検査もしてもらいました。
私は鎮静剤が効きやすいタイプなので、量を減らしてもらうべきかどうか、看護師さんや先生と相談したのですが、
どうせ、ベッドの上で寝ているだけだし、よく効いて辛くない方がいいでしょう!と言うことで、いつもの量で鎮静剤を打ってもらうことに。
ステロイドも鎮静剤には負けるらしく、
鎮静剤がはいったな、と思った瞬間に、喉がカッと熱くなって、次の瞬間には目が開けられないほど眠くなっている。
遠くで先生の声が聞こえて、横向いてねーとか、仰向けになってねーなんて言っているのがわかるんだけど、実際に自分が体を動かせたかどうかはわからない。
「すずきさん、終わりましたよー」と言ってもらって、車椅子にのるも、どうやって病室に帰ったかはわからない。
目を覚ます頃には、陽が傾いていて夕方になっていました。
多分、内視鏡の検査を受けたのは、午後1時とかだったはず。
夢もみず、久々にぐっすり眠れてスッキリ。
この日は、お医者さんにも会うことがなく、1日が終わりました。
4日目〜衝撃的な結果とリンヴォック服用開始〜
翌朝、主治医が訪ねてきてくれて、一番最初に発した言葉は
「3月の検査の時よりも、もっと悪い、かなり潰瘍性大腸炎が悪さをして暴れて悪化してしまった状態です。今までで一番悪いと思います。が、ステロイドはどうですか?効いている感じがありますか?」
とのこと。
実は、効いている感じがあったのです。
初日〜3日目までは、切迫感のある便が何度も出ていて、全て血便。
お腹も痛くて、辛い。と言う感じだったのに、
4日目は、明らかに体が違うのです。まず、便の回数がめちゃくちゃ減ってる。
お腹が痛くない。数日間続いていた頭痛もない(頭痛は何が原因かわかりませんが)
とにかく、体調が良いのです。
そのことを伝えると、主治医もそうなることを予感していたようで、これからからの治療について話をしてくれました。
ステロイドの治療はこれ以上しないと言うこと。
その代わりに、「リンヴォック」と言う一日一回服用する治療薬に変えると言うことでした。
リンヴォックについてはこちら
難しいことはわからないのですが、頻繁にステロイドを点滴することなく、
服用で、同じくらいの効果が期待できる、と言うお薬だと言うことはよくわかりました。
まずは、明日から始めてみましょう!と言うことになり、薬剤師さんからお薬も手渡されました。
副作用として、風邪のような症状があること、感染症に罹りやすくなること、帯状疱疹にも気をつけてください!と言う説明でした。
あとは、食べ物の中でグレープフルーツは控えること!と言うのが結構衝撃で。
体に良いイメージのあるグレープフルーツですが、皮に含まれている成分がこの薬と相性が良くないと言うことでした。
それじゃなくても果物はアレルギーで食べられないものが多いのに。
選択肢が一つ減ってしまうことは、残念ですが、今後忘れないように気をつけなくちゃ。
リンヴォック服用から今日まで
ここからは話をまとめていきますが、リンヴォックが私には、効果覿面でした。
リンヴォックの前に打っていたステロイド点滴で、悪化した病状に急ブレーキをかけた感があったんですよね。
その急ブレーキをかけた状態をずっと保ってくれるのがリンヴォック。という印象。よくなった状態をキープしてくれている感じ。
切迫感のある便も、変わらずあるのですが、今日に至るまでに回数が減りました。
1日に10回ほど「う○ち漏れちゃう!」と思っていたのが、今は1日1回に減っていること。
10回の便全てが、真っ赤な血便だったけど、今はもう血便は出なくなっていること。
下痢はたまにするのですが、基本的には、今は、固形の便が出るほどまでに回復もしています。
健康な時が10だとしたら、9まではきてるぞ!という感じ。
ゴールまでもう少しですね。
入院中は、SNSでも書いた通り、絶食生活だったのですが、
4日目か5日目あたりから、シャバシャバのおかゆと、具のない味噌汁などが出るようになりました。
おかゆは苦手なのですが、久々に口にするご飯は美味しかったなぁ。
味噌汁も一気飲みでした(笑)もっと味わえば良かったと後々後悔。
日に日に、メニューも普通メニューに変わって
一週間が経過する頃には、鶏肉ソテーが!!お肉が出ても、下痢をしなかった時にはちょっと感動しました。
この時食べていた病院食が今の私の食事のモデルとなっています。
あったかいスープや、魚中心のご飯。お肉はシンプルに鶏肉を焼いたものや、サラダチキンなど。朝食にヨーグルトやバナナを食べるのも習慣化されていい感じ。
一度入院して、病院食を知ると、今自分が食べるべきものがわかりますね。
10日目に退院
ということで、時系列が前後しますが、4月24日に入院してから5月3日に退院となりました。
お医者さんとの面談で、
「おめでとう!鈴木さんの勝ちです!ディズニーランド、行ってらっしゃい!」
と、先生のお墨付きをいただけたのは、嬉しかったです。
素敵な先生ですよね。
普段、本当にクールなんですよ。でも、こういうことになって、こんなにも寄り添ってくれるのか!と、この病院で良かった!と思いました。
今後の治療としても、リンヴォックと、リアルダを服用することで、悪化しないかどうかを見ていきましょう!ということ。
リンヴォックの量が、退院時で一回45mgだったのですが、徐々に減らしていくことなどの説明を受けました。
主治医は、私の体を見て、リンヴォックが効くであろうということを、半ば確信していたようですが、
サブでついてくれた先生は、リンヴォックは打率が3割くらいだからね!というのも何度もおっしゃっていました。
その先生曰く、潰瘍性大腸炎の薬全般に言えることだけど、全員が絶対に効く薬はないということ。大体の薬が3割くらいの人に当たればいいね、くらいの気持ちで付き合うと良いというようなことをお話ししてくれました。
これも、その先生が受け持ってきたたくさんの患者さんを見て、感じていることだろうから、そうなんだなぁと思います。
リンヴォックが私の体に効いてくれて良かった!大事にお付き合いしていきたいです。
で、まぁご存知の通り。翌日からディズニーランドへ行きました!
子供たちも大喜び。とても楽しい旅行だったので、その話はまた今度。
あとは、ディズニーで食べらるものを探すのが大変だったので、いつか必ず書きます。
入院中の余談
ここからは、完全にどうでもいい話を一つ。
入院というと「大変だね」とか「辛かったでしょう」というイメージが強いようですが、それだけではありません。
いろんな出会いがあるもので。
主治医、サブのドクター、は早々にお会いしていたのですが、
サブのドクターについている、もう1人のサブドクターがいて入院してから数日経った頃に急に登場しました。
それが、もう、二度見するほどイケメンで。黒縁メガネをかけた、岡田将生くん、みたいなイメージでいてください。
こちとら、病衣が常にはだけて、中のダサいTシャツが見えてる、アラフォー女なわけ。
髪型はちょんまげ。常に、メガネ。くすんだ肌で眉なしの顔。
大黒摩季ばりの「チョット待ってよ!」でますよね。
大急ぎで1階のローソンに言って、眉ペンを買ってきました。
眉毛を書いたからってどうなるもんでもないんですけどね!わかっているんですが!乙女心なの!許して!
私の部屋は同じ病気の人が入院していたので、岡田将生くんドクターは毎朝きてくれたのですが、
久々のイケメンとの会話は「うんこを何回したか」という話か、「昨日はうんこを漏らしましたか?」という話「うんこの色は何色でしたか?」
という、オールうんこの話のみで形成されていました。
仕方ないっていうか、当然です。
真面目にお仕事してくれてありがとう!私のお医者さんたち!!!!
最後に…
ということで、駆け足で入院の日々を書いてみました。
入院中は元気になってからは、本や漫画をたくさん読めたことも嬉しかった。
今回は病気の記録と、薬の記録、治療の記録なので、淡々と書きましたが、
入院中に楽しんだり、リラックスできた話もどこかで書きます。
そう、入院って辛いだけじゃないんですよね。
自分の体のこと、心のこと、治療のこと、今後の生活についてゆっくり考えるいい機会となりました。
色々書きましたが、今は私はとても元気。
どうか、これからリンヴォックを服用する人の希望になれますように。
ステロイド点滴で眠れなくなった人が、読んで安心してくれますように。
あなたも、きっと、よくなるはずです。