『遠山陽子俳句集成』(素粒社)と遠山陽子著『三橋敏雄を読む』(弦楽社・私家版)
素粒社より『遠山陽子俳句集成』が刊行されました。既刊5句集に新作「輪舞曲(ろんど)」を加えた、重厚かつのびやかな俳句集成です。充実の自筆年譜、永島靖子さん・福田若之さんによる解説も収録され、読み物として大変面白く、遠山陽子さんらしい一冊に仕上がっています。
★第37回詩歌文学館賞・俳句部門を受賞しました。 ※未刊句集「輪舞曲」部分が対象となったそうです。
★第21回俳句四季大賞を受賞しました。
父ほどの男に逢はず漆の実
白芥子をまはり躰が逢ひにゆく
卯月浪この子を抱き飽きにけり
もう誰の墓でもよくて散る桜
桃と桃かすかに触れてゐてこはい
謎のないわたしと老いた梟と
佐藤は作品のまとめなど、一部お手伝いをさせていただきました。
あわせて、『三橋敏雄を読む』(弦楽社・私家版)が刊行されました。
こちらは、遠山さんの個人誌「弦」連載の「三橋敏雄を読む」をまとめたもの。三橋敏雄は、遠山さんの師です。初期作品から『しだらでん』以後までを、遠山さんが自在に選び、ときに鋭く、ときにあたたかく読み解きました。巻末には俳人・三橋敏雄の人柄がうかがえるエッセイ2篇を収録。どこから読んでも三橋敏雄を感じることができます。
★「俳句界」4月号、川名大氏による「2021評論展望」にて取り上げていただきました。
佐藤は加筆修正にかかわる編集作業をさせていただきました。瀬名杏香さんに文献調査、松井亜衣さんに校正のご協力をいただきました。
佐野裕哉さんに、二冊の装幀をお任せしました。
贅沢かつ繊細な、美しい書物となっています。文字組も素晴らしいです。
『遠山陽子俳句集成』ご購入のお問い合わせは素粒社まで。
2021/11/20更新
『三橋敏雄を読む』は私家版ですが、下記2店舗にてお取り扱いいただいております。
ほかにも置かせていただけるお店がありましたら、佐藤までご連絡いただければ幸いです。(四六判並製 ISBNなし・頒価 1800円)
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遠山陽子さんは「悟空の会」で句会をご一緒している仲です。悟空の会は、中村裕さんの呼びかけで始まった、中村さん、遠山さん、私の3人の句会でしたが、中村さん没後、新たに鴇田智哉さん、福田若之さんに加わってもらって、続いています。
遠山さんの著作としては、『評伝 三橋敏雄ーしたたかなダンディズム』(沖積舎)がございます。まさに圧巻。
60年以上ものあいだ俳句を書いてこられた遠山陽子さんの作品世界、見てきたもの、考えてきたことを、この機会にみなさんにも味わっていただければ幸いです。
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