”続かない”英語アプリデザイナーの習慣化実験
こんにちは!株式会社mikanでデザイナーをしているayataki(@ag_ayakan)です。
この記事は mikan Advent Calendar 2023 の12日目の記事です。
11日目の記事はbizdevのmakiさんによる「SQLを完全に理解することができたbizdevの話」でした!
mikanは元々「できることを増やしていこう!」というスタンスのメンバーが多いのですが、non-devのメンバーがいつの間にかSQLやGoを書けるようになっていて末恐ろしいです。笑
ぜひ読んでみてください!
さて今回は、私がmikanに入社してから2年間、裏テーマとして取り組んできた「習慣化実験」について書きたいと思います。
あくまで会社は関係なく、一個人の取り組みなので、話半分くらいに読んでください☕️
習慣化の実績
結論から言うと、この実験はすでにいくつかのトピックで成功しています✌️
英語学習における「習慣化」の重要性
英語習得に最も大事なこと、それは「継続」だと言われています。これが本当に難しい…!
入社当初、ユーザーインタビューに参加させていただいたり、データを見るたびに、やはり最初の障壁は「習慣化」なのだと突きつけられました。
自分自身に習慣化の成功体験がなかった
では、どうやってユーザーに習慣化を促すのか?
「毎日続けよう」と伝えるだけじゃ効果がないことは目に見えていました。
何より、私自身が元々3日坊主になりやすいタチだったからです。
習慣化の実験をやろうと思ったのは、自分自身に習慣化の成功体験がなかったからでした。
最初に英語に課題を感じた大学2年生の時からmikanに入社するまで、5回ほど英語学習をしようと試みたタイミングがありましたが、いずれも1ヶ月ほどで続かなくなりました。
何度か挫折を繰り返していくと、実際は直接要因ではないはずなのに「英語が苦手」というコンプレックスがまとわりつきます。
「毎日続けるのが大事」なのは頭ではわかる。しかしいざやり始めるとズルズルとやらない日が出てきて、いつの間にかやらなくなる。
「ああ、またダメだった…」と。
こんな私が、どうやって習慣化できるようになったのか。
何をやったか
1. 習慣化のコツをインプット
複数冊読みましたが、特にこの本がよかったです👇
習慣化の前に「過去に習慣化に失敗した時のことを振り返る」という作業を挟み、後々とても役だったのですが、きっかけはこの本に書かれていたからでした。
私の場合、以下の2つが上がってきました。
計画の段階で完璧を求めすぎていた
できなかった日があった場合にどうするか決めていなかった
そこで、最初に次のようなルールを定めました。
次に、習慣化プロセスとして重要なポイントは以下だというふうに書いてありました
これを実践することにしました。
2. 習慣化トレーニング
最初は「早起き」をテーマにして習慣化トレーニングを行いました。
仕事や予定が入っていてバタつく日はどうしても他のことに時間が回せないので、英語にせよ何にせよ、朝に時間を確保できるようになりたい、というのが手前にあったからです。
先ほどの項目を「早起き」を例に入れると、こんな感じでした
習慣化したい理由を明確にする
健康的に生活したい
「絶対確保できる自分の時間」が欲しい
その事柄が過去に失敗した時の状況を振り返る
起きれない
必要な睡眠時間が取れていない
二度寝
布団に戻ってしまう
携帯をいじってしまう
その事柄が過去に成功した時の状況を振り返る
手の届かない位置に携帯があった
起きてすぐトイレに行った
コンタクトをつけた
これらの整理を踏まえて、「成功する場合の環境を意図的に作れる状態」を考えました。
スイッチを切り替えるトリガーを見つける
コンタクトをつける
行動はできるだけ明確なものにして、選択を作らない
布団に戻らない準備をする
暖かい格好をして寝る
暖房のタイマーをセットして寝る
コンタクトをつけるまでの導線を作る
洗面所までの導線で、手の届かないところにスマホを置く
「洗面所に行く」ことだけを朝一番のタスクにしておく
携帯をいじりずらくする
習慣化アプリの利用(Routineryというアプリを使っています)
特に、トリガーがスイッチの切り替えとなるシンプルなものであることが重要です。
やることが決まってからは、朝なるべく次やることに迷わないようにRoutineryという習慣化アプリに一連のmorning routineを入れておいて、朝は「アラーム止めたらroutinaryのスイッチを押す」というタスクだけで自動的に流れに従えばいいだけの状態を作っていきました。
初めは「起きる」こと自体ができれば何をしてもいいという状態にして、徐々に起きれるようになってきてから、運動や英語の項目をモーニングルーティンに足していく、というような流れで、朝の時間の確保に成功しました。
最初に決めたルールの通り、「最初に計画しすぎないこと」を意識しました。
3. 言語習得の方法や事例をインプット
早起き習慣のチャレンジ中、英語学習の習慣化の前に計画の精度を上げようと思い、言語習得に関しての知識をインプットしました。
というのも、mikanに入社後最初の半年間はTOEIC受験のために学習していたのですが、2回目のTOEIC試験が終わったら力尽きてしまったからです。
続けるためには、もう少し計画自体をアップデートする必要があると考えました。
インプットしたのは、主にこの辺り👇
学問的なアプローチから、「第二言語習得理論」に関する本を数冊
TEDやYoutube、Podcastなどで、英語の習得に成功した人の話を聞く
私が特に好きなのは、PolyglotのLýdia Machováさんによる「The secrets of learning a new language」のプレゼンテーションです。
動画の中で、多言語習得者に共通する言語習得のポイント4つを紹介してくれています。
面白い動画なので、気になる方はぜひ見てみてください。
この動画からの学びとしては、少なくともTOEICの学習をしていたときの私には、特にenjoymentが欠けていたということでした。
似たようなバックグラウンドで育ってきた日本人の方が、どう後天的に身につけたのかどうかも気になったので調べました。
事例としては、この本がよかったです👇
特に「”英語ができる”の定義が人によって異なる」という着想ポイントが参考になりました。
彼の場合はある日突然訪れたバンドマンとしてのビッグチャンス「アメリカでライブをやる」という夢が叶いそうで、「MCで話せるように」という「明確な利用シーン」がある状態がキーでした。
言われてみれば当たり前なのですが、私がTOEICをやってるときは「点数を上げていくこと」しか考えていなかったので、自分にとっての「英語ができる=TOEICハイスコアが取れる」だと思い込んでいました。
上記のようないくつかのインプットを経て、以下の2つを勉強内容の選定指標に加えることにしました。
4. 英語をやる理由を言語化
今思えば、英語学習を再スタートする前にこれをやったのが非常によかったです。
私が英語をやる理由は「旅先で友達を作るため」でした。
自分とは異なるバックグラウンドで生まれ育ってきた人たちと仲良くなり、価値観を広げたいと思っています。
なので、私に必要なのは「話すための英語スキル」ということになります。
そうなると、当初学習していたTOEICは上記の目的に対してはやや相性が悪かったと気づきました。
リスニングとリーディングがメインなので、「話す」学習は+αにしなければならなかった。
しかもビジネス利用を想定しているものなので、そのまま応用すると堅苦しすぎる。
もっと身近で、真似しやすく、「自分の言いたいことを英語にできるスキル」の方が大事だと思いました。
5. 勉強する内容を見直し
さて、ようやく英語学習の計画です。
旅先のゲストハウスで会話が生まれることをイメージしながら、勉強する内容を変更しました。
実際に変えてみると、アウトプットがこまめにあることで、英語日記を書くスピードが上がってきたり、オンライン英会話でスムーズに言葉が出てくる瞬間があり、明らかに「成長実感」を作りやすくなりました。
6. 定期的な振り返りと軌道修正
1ヶ月単位で習慣化の振り返りをNotionに残しました。
できたこと、できなかったこと、何かを変えるかどうかを決めるタイミングです。
この時間を定期でを設けていることで、軌道修正がしやすくなりました。
1回全部できなくなったが、元に戻すコストが下がっていた
ルーティンが守れるようになって半年ほど経った2023年の1月ごろ、突然の高熱によるベッド生活と身内の不幸が重なり、いつもと違うイレギュラーな生活が3週間ほど続きました。
その間にすべての習慣が一度途切れました。
仕事に復帰し、メンタル面でもいつもの調子を取り戻してから、再び習慣化を始めることにしました。
さすがにそれまでやっていた複数の習慣を一気に取り戻すことはできなかったのですが、最初に始めた時と同じように早起きから1つずつやっていくことで、またサイクルを取り戻すことはできるようになりました。
これは大きな気づきでした。
私はもう「習慣化のスイッチ」を身につけていたんです…!
英語を使って「旅先で友達を作る」目標に少しだけ近づけた
今年の10月に、オーストラリアへ一人旅に行ってきました。「旅先で友達を作る」に一歩近づけた、記念すべき旅です。
ケアンズ、メルボルンの2都市合わせて、1週間ほど滞在しました。
ケアンズではゲストハウスに泊まり、ハワイから来た女の子と、フランスから来た大学生たちと仲良くなりました。
まだまだ辿々しさはあれど「一応会話ができるぞ…!」という成功体験を得られたのは嬉しかったです。
1週間の旅の中で、自力でチケットやお店の注文をしたり、困ったときに状況を伝えたりすることはできたので、自信になりました。
やはり「継続あるのみ」ですね…!
さいごに
私たちは今、「誰もが楽しく続く、効率的な英語学習」の発明の最中です。
私が今回やったようなことも、もっとシンプルに再現性可能な形に落とし込んでいけるんじゃないかと思っています。
英語学習自体のハードルが下がれば、「英語を身につけて人生の選択肢を増やしたい」と思う人をより多く手助けできると思っています。
溝口(@3izorin)の記事で詳しく書かれているので、良かったら見てみてください!
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